元吉本芸人「ヤクザと簡単に切れへんことはみんな知ってる」

8月8日(木)11時0分 NEWSポストセブン

騒動はいつ、どのように着地するのか(写真/時事通信フォト)

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 闇営業騒動は吉本興業内の様々な問題に飛び火した。そんななか、“芸能界と反社”について爆弾告発したのが漫談家の前田五郎(77)。坂田利夫(77)との漫才コンビ「コメディNo.1」で人気を博した、元吉本のベテランである。


 騒動渦中の7月21日、YouTubeの配信番組で前田はこう言い放った。


「大崎(洋)会長が僕らのマネージャーをしとった時にヤクザの仕事を持ってきて、それに行ってんねんから、何回も。それを出さんとええカッコ抜かしやがって」


 本誌・週刊ポストは前田の元に飛んだ。前田曰く、吉本とヤクザの関係は創業家である林家から始まっているという。


「当時の“発注先”はほとんどが山口組本家やった。もともと林正之助会長(創業者・吉本せいの弟)と山口組三代目(田岡一雄組長)の仲は有名(*注)で、その縁もあって本家の祝い事や催しには必ず吉本芸人に声がかかったんですわ。


【*注:1968年1月、正之助氏は田岡一雄組長と組んでレコード会社を乗っ取ろうとしたとして、恐喝の疑いで兵庫県警に逮捕された。当時、正之助氏は「山口組があるから、レコードの販売、製造がうまくいく」などとレコード会社の設立者を脅したと報じられている】


 三代目が亡くなった時は追悼の盆踊り会があって、吉本の芸人は会社命令で参加させられたほどや。その場に菅原文太さんや山城新伍さんらがおって驚いた。


 それと、僕は三代目の息子の満ちゃん(田岡満)と生まれた年が近くて、ようかわいがってもらって個人的に仕事をもらってた。満ちゃんは、『これ、とっておきいな』と他の3倍のギャラをそっとくれるので、喜んで仕事をしていました」


 田岡満は父の後は継がず映画プロデューサーになり、父をモデルにした『山口組三代目』(高倉健主演)などの映画をヒットさせた。


 しかし、彼の周囲にはやはり暴力の匂いがあったという。


「いつだったか、北新地のクラブの女の子と焼き肉食べてたら、チンピラみたいな奴が“おい前田五郎やないか”って近づいてきて、“女と何食うてるんや”といって、僕らの席の肉を摘まんで口に入れたりしよった。そこにたまたまそこを通りかかったのが満ちゃんのボディガードで、僕が困った顔したらそのチンピラに“ちょっとこっちおいで”って連れて行って、しばらくしたらそのチンピラが“すみませんでした、許してください”と土下座しに来たんです。


 こんな商売やってるとよう絡まれるんですが、電話するだけでなんとかなりますから、満ちゃんは僕の守護神やと思ってました」


 前田は、自分だけが特別ではなく、当時は皆がそうだったのだと強調する。


「当時はほとんどの芸人がヤクザから仕事を受けていましたよ。漫才ブームの時、売れっ子の芸人らは、仕事が終わると外で待っていたヤクザの車に乗り込んで打ち上げに行くコンビもいたんやから。それほどズブズブの関係やったけど、ヤクザが僕らに迷惑をかけることは一切なかった。昔はいまの半グレのように、芸人を利用しようとする奴はおりませんから」


 前田自身、今は時代が変わったことは認めている。その上で、かつてを知る吉本幹部らにこう言うのだ。


「ヤクザとの関係はそんなに簡単に切れへんことは、幹部はみんな知っているはず。そやから今回の騒動が、トカゲのしっぽ切りで終わらないようにするのが務めやないか?」


※週刊ポスト2019年8月16・23日号

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