エミー賞ノミネートで話題の「テッド・ラッソ」ほか1話30分で気軽に楽しめるApple TV+ドラマ3選
2021年8月10日(火)17時15分 シネマカフェ
動画配信サービスが多数ある中で、少し影が薄いApple TV+。Appleという名前なだけに、Apple製品を持っていないと視聴できないように思われがちですが、実はPlayStationや一部スマートTV、Google Chromeなどのブラウザ視聴も可能です。
配信作品数はまだ少ないながら、今年はエミー賞コメディ部門最多ノミネート作品も輩出し、量より質の定額動画配信サービスとして注目を浴びています。今回はそんないま話題のApple TV+から、1話30分で気軽に楽しめるオススメ海外ドラマをご紹介!
「シュミガドーン!」
倦怠期のカップル、メリッサとジョシュがハイキング中に迷い込んだのは、1940年代のアメリカを模したシュミガドーンと呼ばれるミュージカルの町。ここから抜け出すには、どうやら真実の愛を見つけないとダメらしい…と知り、喧嘩ばかりの2人が(時折ミュージカルの一員になりながら)それぞれの愛を探し始めるという異色のミュージカルコメディです。
このドラマの凄いところは、設定だけではなく、ミュージカルへの本気度。クリスティン・チェノウェス、アラン・カミング、アーロン・トヴェイトらトニー賞俳優が脇を固めるキャスティング、音楽、衣装、ダンスにいたるまで「コメディTVドラマだからと言って一切手を抜かない」という気概を感じるクオリティにただただ脱帽する30分! また、ミュージカル同様気持ちが高まると歌い始めてしまうシュミガドーンの住人たちは、自分たちが歌っていることに気づいていないという設定もユニーク。元ネタは1947年の「ブリガドゥーン」というブロードウェイミュージカルだそう。元ネタを全く知らない人やミュージカルがあまり好きじゃない人にもクスっと笑える要素が盛りだくさんです。
「Trying〜親になるステップ〜」
子どもが欲しくて妊活をしているが医師から妊娠の可能性は極めて低いと告知を受け、養子を迎えるべく奮闘するカップルを描くロンドン舞台のコメディドラマ。意識が高いわけでもなく、華々しいキャリアを詰んでいるわけでもない…ごく普通の人生を歩んできたコールセンター勤務のニッキーと外国人向け英語教師のジェイソンが、里親になる準備に奮闘する様子がとってもキュート! いままで努力をしてこなかったことを後悔したり、家族や過去の恋人との出来事に悩んだり、誰でも一度はありそうな人生の小さな苦悩が散りばめられたストーリーは、どこか自分の人生を振り返るようでもあります。
またニッキーとジェイソン演じる主演2人のケミストリーに拍手! 第1話目の冒頭から、この2人は長年付き合っているんだとすぐ分かるような、ボケとツッコミのような掛け合いがとにかく観ていてほっこりします。2人のストーリーと一緒に親友夫婦の様子にも注目ポイント。「完璧な大人なんかいない」というメッセージとともに、ダメな大人かもしれないけれど、いまできることって何だろう? とゆっくり感じさせてくれる癒し系ドラマです。
『テッド・ラッソ:破天荒コーチがゆく』
今年度エミー賞コメディ部門最多ノミネート、新作ドラマとして過去一番のノミネート数を稼いだことでも話題の作品です。アメフト監督テッド・ラッソが、イギリスのサッカープレミアリーグのチームで監督に!? 熱狂的なファンからは当然非難の嵐、マスコミもお手並み拝見と騒ぎ立てる中、彼が今回招聘されたのには裏があり…。一見空気読めないレベルで底抜けに明るいアメリカ人なテッド・ラッソが、選手の育成を独自の視点で進めるストーリーは先が気になりすぎて一気見必至。シーズン1を観終わったころには、全キャラクターが愛おしくなってきます。
テッドや選手だけではなく、GMなど運営側にもきちんとスポットを当て、脇役のサイドストーリーも1話30分ながら細かく描く脚本が素晴らしい。テッド・ラッソ自身もプライベートで悩みを抱え、決してスーパーマンではなく1人の人間として描かれているところも見どころの1つ。試合で毎回勝てるわけではないように、順風満帆な人生なんてないはず。仕事や人間関係に悩みは付き物です。明日は勝つかもしれないし、負けるかもしれない。悩み解決の特効薬はなくても、ほんの少し前を向けるかもと背中を押してくれるドラマでもあります。ちょうど現在シーズン2の新作エピソードが毎週配信中。ぜひこの機会に視聴してみてはいかがでしょうか?