もしも東京五輪中に大地震でベイエリア会場に津波が来たら…

8月10日(土)16時0分 NEWSポストセブン

五輪のサーフィン会場に津波が来たら?(写真/時事通信フォト)

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 来年の東京五輪では1010万人が観戦に訪れると予測されているが、もし東京五輪の開催中に「首都直下型地震」が起これば、甚大な被害を招きかねない。


 政府の中央防災会議によれば、M7.3クラスの都心南部直下地震が起こった場合、首都圏の死者数は最大で2万3000人にのぼると想定されている。


 東日本大震災で大きな被害を出した「津波」の心配もある。政府が想定する「都心南部直下地震」では、東京湾内の津波は「1m以下」と見積もられているが、もっと大きな津波が押し寄せる場合もあり得る。


 災害危機管理アドバイザーの和田隆昌氏が指摘する。


「東京湾には4mの防潮堤がありますが、東京湾北部を震源とする地震が発生した場合、防潮堤を乗り越えるほどの津波が襲うと予測している専門家がいます。津波が防潮堤を乗り越えれば、ベイエリアの会場に到達する可能性がある。


 東京湾の最奥部には、フェンシングやレスリング会場の幕張メッセがありますが、最奥部だから大丈夫と侮ってはいけない。津波は通常、湾の最奥部で一番高くなる性質があり、地震発生から10分程度で幕張メッセに到達する可能性がある。1万人もの観客が、10分以内に高台に避難するのは非常に難しい」


◆「海溝型地震」なら1m以上の津波も


 東京女子大学の広瀬弘忠・名誉教授(災害リスク学)は、別の津波被害のリスクも指摘する。


「東日本大震災で、陸地や住宅の上に漁船が乗り上げた映像が記憶に残っている人は多いでしょう。東京湾でも、往来するタンカーや小型船が流され、会場を襲う危険性がある」


 震源地が内陸でなく、陸地から離れた沖合で起きる「海溝型地震」の場合、津波はさらに広範囲に及ぶ。防災・危機管理ジャーナリストの渡辺実氏がいう。


「セーリング会場の江の島ヨットハーバー(神奈川)がある相模港で地震が発生したら、選手やスタッフのいる場所には90秒後に、観客席にも10分程度で津波が押し寄せるとシミュレーションされています。


 サーフィン会場の釣ヶ崎海岸サーフィンビーチ(千葉)では、大人でも立っていられない水深30cm程度から、死亡率が100%近い水深1m程度になるでしょう」


※週刊ポスト2019年8月16・23日号

NEWSポストセブン

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