人間力、自主性……甲子園経験者・島内宏明&堀内謙伍が高校時代に学んだこと

8月13日(火)11時0分 文春オンライン

 令和時代初となる第101回全国高等学校野球選手権大会が開幕し、甲子園球場では炎天下で、連日熱戦が繰り広げられている。


 101回目のプロポーズ、ではなく、キャッチフレーズは「新たに刻む、ぼくらの軌跡。」。


 それぞれが全員野球で掴んだ夢の舞台。1戦必勝の中、今まで積み重ねてきた力を発揮しながら、甲子園を全力で楽しんで新たな時代に歴史を刻んでほしい。


 さて、今回は夏の選手権大会に出場経験がある楽天イーグルスの2選手に高校時代の話を聞かせてもらった。


堀内が静岡高校時代に教わったこと


 まずは期待の若手捕手、4年目の堀内謙伍選手。静岡高校時代には3季連続で甲子園出場を果たし、U-18でも日の丸を背負ってチームを準優勝に導いた。


 今年、堀内選手の母校・静岡高校は自身が出場した2015年以来4年ぶりに夏の甲子園出場を果たした。1回戦で津田学園(三重)と戦い、惜しくも敗れてしまったが健闘をみせた。



高校時代は試合前日にプリンを食べるのがルーティンだった堀内謙伍選手 ©時事通信社


河内「今でも活きている静岡高校時代の教えはありますか?」


堀内選手「個人練習がすごく大事だと教わってきたので、自主性という部分ではプロになった今も活きていますね。自分が足りないと思ったことは、自分で考えて練習するということが残っていますね」


河内「(栗林)監督から教わったことで残っていることは?」


堀内選手「キャッチャーとしての気配りや目配りを一から教わったので、今でも感謝しています」


河内「残りのペナントレースにかける思いを聞かせてください」


堀内選手「初めてこんなに1軍の試合に出させてもらっているので、すべて自分の経験にして、少しでもいい印象を首脳陣とファンの皆さんに与えられるよう必死に毎日やっていきたいです」



 過去の久米島キャンプで「初〇〇を消していきたい」と話した堀内選手に「初ホームランも見たいです」と伝えると、「いずれ打ちます」と笑いながら強く応えてくれた。


 ここから更に1軍で経験と実績を積んでいくに違いない選手である。近い未来、持ち前のバットでピッチャーを助けるホームランをきっと打ってくれるだろう。そして熾烈と言われる楽天イーグルスのキャッチャーポジション争いを自分の信念を貫いて打ち克ってほしい。



島内が振り返る星稜高校時代の忘れられない試合


 さて、お次は先週までの9連戦でチームトップとなる打率.355を叩き出した島内宏明選手。今から12年前の第89回大会に星稜高校(石川県)のキャプテンとして甲子園出場を果たした経験がある。



河内「今でも活きている星稜高校時代の教えって何ですか?」


島内選手「人間力野球です。心が変われば性格が変わるということですね。技術だけではなくてハートの部分を強くしようと思って毎日毎日練習していました。あの頃は結構走り込みもして、心身ともに強くなりました」


河内「山下智茂名誉監督から学んだことは?」


島内選手「キャプテンをやらせてもらったんですが、元々そういうタイプじゃなかったですし、うまく出来ないこともありましたが、思いやる言葉だったり態度だったり厳しく教えていただきました。教えていただいた言葉はありすぎてすぐにパッと出てこないです(笑)」


 島内選手は「おにぎりおじさん!」などと、自分に対してもよく声をかけてくれる。何気ない言葉が無茶苦茶うれしい。きっと短い言葉の中にも「島内愛」が詰まっているのだ。いつも自然体な島内選手。そういう一言を先輩や後輩にかけてチームのムードを高めてくれているのだろうと感じた。



河内「以前、星稜のキャプテンはトイレの便器を手で掃除すると聞いたのですが?」


島内選手「そうですね。トイレは常にキレイに掃除していました。次に使う人の気持ちを考えたりとかしていました」


「マジっすか!?」と、インタビュー中に思わず大きな声が出てしまうほど驚いてしまったのは、島内選手の思いやりである。高校時代にやらされていたという発想ではなく、常にキレイにして、次の人の事を思いやるという気持ち。簡単なようでなかなか出来ることではない。


河内「星稜高校時代の忘れられない試合を1試合あげるなら?」


島内選手「高校2年、秋の地区大会での準決勝。日本文理(新潟)との試合です。この試合に勝てば甲子園(センバツ)出場だったのですが、7—0で勝っていたのに、最後はサヨナラホームランで負けた試合です。あの負けた惜しさがあったからこそ、次の年に3年の夏の大会で甲子園に行けたので」


 そして最後に、「まだ星稜高校は甲子園での全国制覇がないので是非、全国制覇を目指して頑張ってほしいです」と後輩のみなさんにエールを送ってくれた。


 どのプロ野球選手にも高校時代があり、高校時代があったから今のプロ野球人生がある。それぞれが経験したことが繋がってそれぞれのドラマがある。だからこそそのドラマを聞きたくなる。今年の夏の甲子園でも未来のプロ野球選手が沢山躍動してくれることだろう。


 そして今シーズン、パシフィック・リーグで戦う選手の熱さも負けてはいない。高校球児の様にみなぎるパワーを勝手に感じている。だからこそ、この正念場の8月に一戦必勝の思いでイーグルス魂を焦がして応援していきたい!


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(河内 一朗)

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