K-POPの戦略、世界を目指すハイレベルな競争・教育・待遇

8月14日(金)16時5分 NEWSポストセブン

BTSはYouTubeでの動画配信をフル活用してグローバルな存在に(写真/GettyImages)

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 オーディション番組『Nizi Project』から誕生したガールズグループ・NiziUが大ブレイクしている。そのプロデューサーを務めるのは、TWICEを送り出したJYPエンターテインメントの創業者であるパク・ジニョン(J.Y.Park)だ。


 パク・ジニョンは、『Nizi Project』の中で、K-POPアーティストを夢見る日本人の少女たちに、「ぼくは歌手という仕事が世界中の仕事の中でいちばん特別な仕事じゃないかと思っています」と声をかけた。


 外出自粛中、『Nizi Project』にどハマりしたという50代の女性はこう話す。


「どのチャンネルも新型コロナの深刻な問題ばかり報じる中、10代の女の子たちが夢に向かって努力する姿は本当に励まされました。パクさんの温かい言葉に思わず涙が出ることもありました」


 朝の情報番組『スッキリ』(日本テレビ系)の1コーナーとして放送されたオーディションの様子は回を重ねるごとに大反響を呼び、デビューした「NiziU」の初MV(ミュージックビデオ)は、YouTube公開からわずか1か月で約7000万回もの再生数を叩き出した。「日本人」のアーティストとしては驚異の再生回数だが、K-POPでは当然の結果ともいえる。「スポーツソウル」日本版編集長を務める慎武宏さんはこう話す。


「韓国は市場が小さいこともあり、芸能事務所はつねに世界を意識してきました。最初はSMエンターテインメントが日本の市場をターゲットにしてBoAや東方神起を送り出していましたが、EXOでアジア圏まで広げた。その後、アメリカを意識したYGエンターテインメントは、PSYの『江南スタイル』で、2か月で1億回再生という成功をおさめました。K-POPは早い時期からすべての楽曲をYouTubeで配信し、世界中にファンを増やす努力をしてきた結果です」


 その後、2018年にはアメリカで最も権威のある音楽ランキング「ビルボード200」で、BTSのアルバムが2作連続1位という快挙を遂げた。


 今年6月には、トランプ米大統領の選挙集会をK-POPファンたちが協力して妨害したという報道もあった。真偽は不明だが、「K-POP」がそれほど世界に広まり、影響力を持つ存在になっているとも受け取れる。さらに、日本の10〜20代の間では、J-POPよりK-POPの方が好きというのが一般的だという。


「若い子は新しいものが好きなので、次々に新しいグループが出てくるK-POPへの興味は尽きることがありません。しかも、最近の若者の憧れはTWICEやBLACKPINK、IZ*ONEのような『カッコよくて、おしゃれ』な女性。キャピキャピした日本のアイドルは憧れの対象になりにくい」(女性ファッション誌の編集者)


『Nizi Project』で初めてK-POPに触れた人は、デビュー前の練習生たちにもかかわらず、あまりに本格的なダンスや歌唱力に驚いたはずだ。ヨン様ブームの時代から韓流を追いかけ続ける「韓国ウオッチャー」の児玉愛子さんは言う。


「韓国での“成功”は、世界に名前が知られることです。1位でなければ生き残れない。だから歌もダンスも本気度が違います」


 デビューどころか、大手の事務所では練習生になることすら狭き門だという。ただし、練習生になれれば、環境は恵まれている。慎さんが話す。


「K-POPの練習生には宿舎があり、食事もちゃんと食べられるのはもちろん、一流のボーカルやダンスレッスンに加え、語学の修得も基本。英語、日本語、中国語は必須です。2019年にデビューし、英語と日本語が完璧だと注目されたTOMORROW X TOGETHERは練習生時代にそれらを学んでいました。


 超学歴社会である韓国では、1980年代あたりまでは芸能人を『タンタラ』という、見下した表現で呼ぶ風潮があった。しかしいまの芸能人たちは進んで寄付活動や啓蒙活動を行い、社会的なロールモデルになっている。彼らを『タンタラ』と呼ぶ人はもういません」


※女性セブン2020年8月20・27日号

NEWSポストセブン

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