ヒットし過ぎて放送禁止に!? 中国エンタメの“今”を物語る時代劇ドラマとは?

8月16日(金)12時30分 クランクイン!

2018年No.1ヒットとなった中国時代劇ドラマ 『瓔珞(エイラク)~紫禁城に燃ゆる逆襲の王妃~』(C)2018 Dongyanghuanyu Film & Television Culture Co., Ltd. All Rights Reserved

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 近年、日本でリリースされる中国時代劇ドラマの本数は、韓流時代劇に反比例して増加していることをご存じだろうか? 中国では国策により時代劇ドラマが制限されて一時期よりも本数は減少しているが、巨額の製作費で豪華絢爛な歴史絵巻を見せる中国ドラマに対する関心は、日本のみならず世界中で高まり続けている。そんな中、ヒットし過ぎて中国で放送が見送られたといわれる1本の時代劇ドラマに世界の関心が寄せられている。 その時代劇ドラマが、2018年にGoogleで「世界で最も検索されたTVドラマ」となった大ヒット作『瓔珞(エイラク)〜紫禁城に燃ゆる逆襲の王妃〜』だ。規制により通常中国からはアクセスできないGoogleで選ばれていることから、本作がどれほど世界中で支持されているかおかわりいただけるのではないだろうか。さらに、本作は、世界90ヵ国に輸出され、米Variety誌が選ぶ「ベスト海外ドラマ」に選出されるなど、中国ドラマとしては異例の高い評価を獲得している。

 これには中国時代劇ドラマが今や世界に影響をもたらすほどハイクオリティな作品を生み出し、成長を遂げている背景があると言える。とくに、『瓔珞(エイラク)』に関しては、これまでの時代劇ドラマとは一線を画すその設定や演出にも大きな注目が集まった。

 『瓔珞(エイラク)』は、清朝・乾隆(けんりゅう)帝時代を描いた宮廷ドラマで、主人公の瓔珞は女官から乾隆帝の妃となり死後には孝儀純(こうぎじゅん)皇后の称号を得た実在の人物がモデル。作中、瓔珞は封建的なルールに反旗を翻す現代的な女性として描かれており、身分の高い相手に対しても決してひるまず、自分の信念を貫き“やられたらやり返す”。その姿は、中国でも大人気となった日本ドラマ『半沢直樹』を彷彿とさせる。

 弱きを助け悪を挫く正義感あふれる彼女の姿は、視聴者から「スカッとする」「痛快!」ともてはやされ、彼女が後宮で出世していくサクセスストーリーも大きな支持を得た。いわば時代劇でありながら現代社会にも通じる人物設定やストーリー展開が人々の共感を集めたといえる。 また、『瓔珞(エイラク)』に関しては、インターネット配信だけの“Webドラマ”だったことも特筆すべきことだろう。中国では今、若い世代を中心に動画配信サービスでドラマを観る習慣が根付いてきており、バジェットが大きくクオリティも高いWebドラマが続々ヒットを飛ばしているのだ。

 こうしたWebドラマのヒット作はさらなる需要を見込まれて後からTV局が放送に乗り出すこともある。本作もSNSでのコメント閲覧数が134億を超え、各メディアが特集を組む社会現象となるほどの大ヒットを受けてTV放送の予定があったにも関わらず、放送が見送られた。

 理由としては、封建時代の皇族の美化などが挙げられていたが、うがった見方をすれば、特定の作品がこれほどまでに大きな社会的影響力を持ったこと自体が、警戒されたといえるかもしれない。それでも、国内で累計再生数が180億を超えて2018年のWebドラマ「No.1ヒット」となった。

 中国では近年、若い視聴者向けにマーケティングされたファンタジー時代劇も増えているが、本作は全世代、国内外の視聴者が楽しんで観られる普遍的な娯楽作であることが、ここまで大きな成功を収めることができた理由だろう。

 ここ数年の日本の海外ドラマ市場での時代劇ドラマの状況を見てみても、トルコ制作の『オスマン帝国外伝〜愛と欲望のハレム〜』やロシア制作の『エカテリーナ』などヨーロッパ各国で大ヒットを飛ばしたドラマが上陸して評判を呼んでおり、こと時代劇のジャンルに関してはコンテンツのグローバル化が進んでいる感がある。

 そういう意味でも、日本で中国時代劇ドラマの視聴者層がさらに広がっていくポテンシャルは十分。これまで、中国時代劇ドラマを観たことがない人にも『瓔珞(エイラク)』をおすすめしたい。中国時代劇ドラマに対するイメージが変わるはずだ。

 『瓔珞(エイラク)〜紫禁城に燃ゆる逆襲の王妃〜』DVD‐SET1 & レンタル DVD Vol.1〜5、リリース中。DVD‐SET2 & レンタル DVD Vol.6〜10、9月3日(火)リリース。

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