突如開始「岸田すごい報道」 読売も産経も安倍から逃げ出す

8月18日(金)16時0分 NEWSポストセブン

岸田氏がポスト安倍の一番手?(写真・時事通信フォト)

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 政権の先行きが見えた時、周囲はいち早く、次の政権に食い込もうと《先物買い》に動く。メディアの論調にはっきりと変化が見えてきた。


 安倍晋三・首相に国会答弁で「私の考えは読売新聞を熟読していただきたい」と“機関紙認定”された読売は、内閣改造翌日の紙面で〈ポスト安倍 岸田氏先行〉の見出しを掲げて岸田文雄・自民党政調会長を持ち上げた。


〈外相を務めた岸田文雄氏が、3日の内閣改造・自民党役員人事で、希望していた政調会長に就任した。安倍首相の後継をうかがう「ポスト安倍」レースでも一歩抜け出した形で、早くも存在感を発揮している〉(8月4日付)


 それだけでは持ち上げ方が足りないと考えたのか、続いてこう書いた。


〈ライバル視されている石破茂・元地方創生相は今回も閣外のままで、埋没感が強まっている〉


 歩調を合わせるかのように産経新聞も岸田氏にスポットライトを当て始めた。岸田氏がTBS系『ひるおび!』に出演(8月9日)すると、翌日の紙面で〈ポスト安倍、明暗 メディアへ露出増 岸田氏〉と大きく取り上げた。


〈番組内で「首相に一番近い男」と持ち上げられると、岸田氏は表情を緩めた。外相を4年7カ月も務めたが、党要職の経験不足が指摘されていた岸田派領袖の岸田氏にとって政調会長就任は、首相を目指す上で「肝心のピースが埋まった」(岸田派若手)という意識があるからだ〉


 一方のポスト安倍の有力者・石破氏について〈自民党が大敗した東京都議選前後はテレビ出演が相次いでいたが、改造後は潮が引くように出演機会が減った〉と「埋没」を報じた点まで読売とそっくりだった。


 しかし、両紙ともつい最近まで「安倍一強」による長期政権を信じて疑わない書きぶりだった。次の記事と比べるとよくわかる。


 産経は6月13日付の「安倍政権考」と題する記事で、〈(安倍首相は)来年の自民党総裁選で3選すれば、平成33年9月までの在任が可能となり、在職2886日の桂太郎元首相を抜いて歴代最長政権も見据えている〉と書き、“政権の強さ”をこう解説した。


〈今国会では、森友学園や加計学園をめぐって野党から攻勢を受けるが、今年5月の支持率は56.1%で全く崩れていない。それどころか、第2次政権発足時以上の水準となっている。高支持率を維持できるのは、高い危機管理能力がある。(中略)政権への致命傷となりかねない閣僚の失言・不祥事への対応も早い〉


 その1か月後には稲田朋美・元防衛相らが失言・失態を繰り返し、官邸が対応に右往左往した結果、選挙も惨敗して政権がガタガタになるとは夢にも思っていなかったのだろう。


 読売も、総裁任期が「3期9年まで」に正式変更された自民党大会翌日(3月6日付)の社説で〈歴代1位の長期政権が視野に入る〉と指摘し、こんな分析を加えていた。


〈「ポスト安倍」の候補とされる岸田外相、石破茂・前地方創生相らは、来年の総裁選出馬の是非を含め、戦略見直しを迫られる。現下の「安倍1強」は、後継者不足の裏返しでもある〉


 そんな“後継者不足”の状況だったはずなのに、いまや嘘のように両紙とも岸田氏の存在感を強調しているのだ。


※週刊ポスト2017年9月1日号

NEWSポストセブン

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