世界的建築家が交わした妻との親密な手紙のやりとり切り取る『アアルト』本予告
2023年8月22日(火)14時0分 シネマカフェ
“フィンランドのアカデミー賞”と称されるユッシ賞にて音楽賞、編集賞を受賞した本作は、アルヴァ・アアルト(1898-1976)が2023年に生誕125年を迎えたことを記念して公開されるドキュメンタリー。優れたデザインと数々の名建築を生み出した彼のデザイナーとしての人生を突き動かした妻アイノとの濃密な愛の物語として、アアルト夫妻が世界中を股にかけながら物を創造していく過程をまるで観客が映像ツアーに参加しているかのように映し出す。
本作の監督を務めたフィンランドの新鋭女性監督ヴィルピ・スータリは、長年アルヴァ・アアルトの映画を撮りたいと考えていたという。「幼い頃、アアルトが設計した図書館で過ごし、彼の建築の虜になった」。そんな彼女が、アルヴァの最初の妻、アイノとの手紙のやりとり、同世代を生きた建築家や、友人たちなどの証言を盛り込みながら、アアルトの知られざる素顔を躍動感あふれるタッチで描き出す。
この度解禁された予告編は、アイノとアルヴァ、2人で交わした親密な手紙のやりとりとともに、彼らがともに過ごした空間や、生み出された数々の傑作群を映し出したもの。
アアルトが世界的に名をあげるきっかけになったフィンランドのヴィープリの図書館、客員教授としてアアルトも教鞭を取っていたMIT(マサチューセッツ工科大学)の“波打つ外観”が特徴的な学生寮のほか、2人で多くの時間を過ごしたアトリエの様子など、未だ多くの人々を魅了し続ける美しいデザインとともに、夫婦がやりとりしたそれぞれへの想い、過ごした濃密な時間が切り取られている。
また、本作の公開を記念し、ヒューマントラストシネマ有楽町にて9月22日(金)から9月28日(木)までの期間 “映画で旅するフィンランド特集”の開催が決定。
世界中で愛されるムーミンを生み出したアーティスト、トーベ・ヤンソンの人生を映し出した『TOVE/トーベ』(2021)、世界が忘れかけている“当たり前”の人間性を、辛辣なユーモアと優しさを持って描いたアキ・カウリスマキ監督による『希望のかなた』(2017)の2作品が上映される。
『アアルト』は10月13日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、UPLINK 吉祥寺、10月28日(土)より東京都写真美術館ホールほか全国にて順次公開。