河合優実「当時の自分に伝えたらビックリするだろう」『ナミビアの砂漠』山中瑶子監督と念願の相思相愛タッグ

2024年8月23日(金)19時0分 シネマカフェ

『ナミビアの砂漠』ジャパンプレミア  ©2024『ナミビアの砂漠』製作委員会

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山中瑶子監督と河合優実、才能あふれる2人の夢のタッグが実現した『ナミビアの砂漠』。国際映画批評家連盟賞を受賞したカンヌ国際映画祭でのワールドプレミア、上海国際映画祭でのアジアプレミアでの絶賛を経て、ついにジャパンプレミアを迎え、カンヌを沸かせた主演の河合が共演の金子大地、寛一郎、山中監督とともに登壇した。

浮遊するように東京で生きる21歳のカナを演じた河合は、満員御礼の会場を前に「本当に本当に皆さんにこの映画を見てもらえることが楽しみで待ちきれない作品でした。この日を無事に迎えられて、お一人お一人に作品を届けられることに嬉しい気持ちがあります」と感慨無量の様子で挨拶した。

これまで日本人監督だけでも、青山真治監督、黒沢清監督、濱口竜介監督ら錚々たる面々が受賞してきた国際映画批評家連盟賞。山中監督は「映画が好きで監督を目指していた時に見て影響を受けたり圧倒されたりした映画たちが受賞してきているので…受賞以来ずっとピンときていないです。でも今日こうして多くの方々に作品を見てもらえれば実感できると思います」と照れ笑い。

登壇メンバー全員が映画祭に参加した。寛一郎は「受賞の際はグループLINEに大量のメッセージが飛び交っていた。時差があったから僕は眠かった」と笑わせつつ「でも非常に素晴らしい事です」と祝福。

河合は「カンヌにみんなで行けたことで、撮影前よりも仲が深まったと思う。上映も観客の皆さんの反応がダイレクトに伝わってきたので、自分たちが面白いと思って作った作品が海を越えても伝わるんだと驚いたし嬉しかった」と喜色満面。

海外映画祭初参加という金子は「もう最高でした!海外の映画祭は初めてだったので贅沢だなと。僕は完全に浮かれていました」とハイテンションだった。

■河合優実「良かったです、相思相愛で」
高校時代、河合は映画館で観た山中監督の『あみこ』に感銘を受け、女優になることやキャスティングして欲しい旨をしたためた手紙を山中監督に渡していたという。

そんな念願の初タッグに河合は「そこから5年くらい山中監督とは一度もお会いすることはなかったけれど、今回一緒に映画が作れることになって…。当時の自分に伝えたらビックリするだろうと思います」としみじみ。

山中監督も「この5年間で河合さんのことを映画などで見かけるようになって、あの約束はまだ効いているのかなと。かなりお待たせしてしまいましたが、脚本を書く前の段階から河合さんの存在には背中を押されていたので、“感無量”という言葉を今初めて使いたい気持ちです」と相思相愛を表すと、河合も「良かったです、どちらかが忘れているとかではなくて相思相愛で」とはにかんでいた。

カナの恋人でクリエイターのハヤシを演じた金子。役柄について聞かれると「自分がどの役を演じるのかわからない段階で台本を読んでいたときは、勝手に退屈な男・ホンダをやるものだと思っていました。人間味があるというか共感できたから」と打ち明ける。

すると、カナの同棲相手・ホンダを演じた寛一郎は「映画をご覧になる前だとわからないと思いますが、映画を見終わった後に彼の言った『共感できる』という発言が面白いことだとわかるはず」と予告。

そんな寛一郎は、自身が演じたホンダについて「ホンダの退屈な男という設定は僕から来たのではないかと思います。ホンダから退屈さが出た所以は僕にあると思う」と共感を寄せた。

■河合優実「人の話をたまに聞いていない」ところが役柄に反映
一方、河合は演じたカナについて「人の話を聞いていないところ」に共感したと明かすと、山中監督は「脚本を書く前にヒントを得たくて河合さんに『自分の嫌なところはありますか?』と聞いたら『人の話をたまに聞いていない』と言われた」と、河合のパーソナルな部分を役柄に反映させたと告白。

山中監督から「でも河合さんが聞いていないとは周りの人は気づかないはず」と指摘された河合は、「そうですね…。聞いているかのような顔をしてたまに聞いていないところがあります」と恥ずかしがりながら認めていた。

さらに、自分自身にキャッチコピーをつけるというフリップトークのコーナーで、河合は「プロクラスティネーター」と聞き慣れない横文字で発表。「最近家族に教えてもらった言葉で、先延ばし癖のある人のことをそう呼ぶそうです。横文字なのでキャッチコピー風にしちゃいました」と解説する。

これに寛一郎と金子が「だったら俺もプロクラスティネーターだ」と自らの属性も同じだと主張すると、山中監督も「私が一番そうかもしれない。だってずっと脚本を待たせていたわけですからね」と言い、全員がプロクラスティネーターを自称する展開となった。

笑いの絶えない舞台挨拶もあっと言う間に終了の時刻に。最後に河合は「私にとって『ナミビアの砂漠』は思い入れのある作品で、スタッフ・キャスト全員も作品への愛が強くてみんなで楽しく自由に作りました」とコメント。

「そんな作品を多くの皆さんに見ていただけるのは幸運なことだと思います。皆さんには心をまっさらにしてもらって、それぞれの楽しみ方で見ていただければ、ビックリしていただけると思います。上映を楽しんでください」と上映を待ち望んでいる観客に向けて呼び掛けていた。

『ナミビアの砂漠』は9月6日(金)よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国にて公開。

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