禁断過ぎる“近親相姦&近親不倫”全篇ヤリっぱなしのR-18映画『火口のふたり』

8月23日(金)17時31分 まいじつ


映画評論家・秋本鉄次のシネマ道『火口のふたり』


配給/ファントムフィルム 新宿武蔵野館ほかにて公開

監督/荒井晴彦

出演/瀧内公美柄本佑柄本明(声)ほか


まだ〝全国区〟じゃないかもしれないが、瀧内公美という女優に注目してほしい。この新作できっと〝全国区〟の顔になると信じたい。それほどにインパクトがある逸材である。すでに『彼女の人生は間違いじゃない』(17年)で、被災地・福島から渋谷にデリヘル嬢として通うヒロインを演じ、賞にも輝いたりしたので、知っている人は知っている、知らない人は覚えてね。前回は「R−15」だったが、今回は威風堂々の「R−18」作品。〝出演〟を見ても分かる通り、彼女と相手役の柄本佑の2人が出ずっぱりで、誤解を恐れず言えば〝全篇ヤリっぱなし〟の映画でもある。


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10日後に自衛官との結婚を控えた直子(瀧内公美)は、挙式に呼んだ昔の恋人でいとこの賢治(柄本佑)と久々に再会する。彼らは若き日に、ただ欲望のままに体を重ね合った仲であった。婚約者が不在の5日間限定ということで、2人は「あのころに戻る」が…。


 


淫猥にして崇高「観音様」の領域


とにもかくにも、この映画の瀧内公美はスゴイ! 実際は着衣シーンも少なくないのだが、全篇ほとんど服なんか着ていないんじゃないか、と見紛うほど。ヘアも辞さず、潔く全裸で貫き通し、作品に寄与している姿が清々しかった。その裸には後光が差していた。彼女にインタビューしたのだが、「セックス・シーンで裸にならないなんて作品への冒涜ですよ」と断じる姿はあっぱれの一語だった。


相手役の柄本佑も負けじと〝全篇全裸〟の心意気。公開中の『アルキメデスの大戦』では硬派一本ヤリの海軍軍人を演じていたが、ここではハダカで突撃一番! その硬軟自在に往還する姿は〝ザ・役者〟だねえ。設定的には「準・近親相姦&準・不倫」のアンチモラルだし、あられもない姿の連続で、後半は意外な〝天変地異〟まで用意されている一筋縄ではいかない、凄絶でエロス極まる話だが、モラルも天変地異も気にしない諦念、諦観の果てに訪れる爽快感は特上だ。白石一文の原作も素晴らしいが、ドンピシャの生身の俳優が演じて、血肉が注がれるサマは感動的ですらある。それほどに瀧内公美、柄本佑との相性の良さは最高。いわゆる〝肌が合う〟ってヤツ。この2人のカラミをいつまでも見ていたい、とすら思うね。


なまじ再会したら、もうスパークするしかない男女の肌感覚が2人の肉体からほとばしる。背の高い同士だけに濃密なカラミはド迫力! 荒井晴彦監督は、男女の話になると実に巧みだ。結局、迷える男を女が導く、というわけか。〝人類最後を迎えても男女はこうありたい〟としみじみ思わせるヒロイン直子=瀧内公美は、もはや「観音様」の領域ではないか。淫猥にして崇高なお話である。


 


【画像】


Galina Tcivina / Shutterstock


まいじつ

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