蓮舫氏「未だにちゃんづけされる嬉しさってないよね(苦笑)」

8月29日(月)7時0分 NEWSポストセブン

蓮舫氏が語る“女性の息苦しさ”

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 都会の雑踏の中で無表情でたたずむ女性、ひたすらコピーを取り続ける女性、会議終了後に全員のコーヒーカップを片づける女性、職場の椅子に座って不安気にお腹をさする妊婦——女性たちに笑顔はなく、一様に疲れきっている。そしてメッセージが流れる。


《この国は、女性にとって発展途上国だ。限られたチャンス、立ちはだかるアンフェア。かつての常識はただのしがらみになっている。それが私には不自由だ》


 これは化粧品会社『ポーラ』が、店舗販売員のリクルート用に制作したCMのキャッチコピーで、その後全国放送となった。現在CMは放送終了となったが、YouTubeにアップされたこの動画は、毎日再生回数が増えている。


 CMを制作したポーラは女性社員が約6割で、女性管理職も多い。2児の母でもあるポーラ宣伝部の担当者は「CMに出てくるような女性は、会社にはいない」と言うが、ではなぜあのCMを作ったのか。


「広く周りを見渡すと、“本当の意味で女性が活躍できる社会になっているのだろうか”という疑問が生じました。女性が自分らしく働ける世界、足枷のない世界がある。ポーラではそういう働き方ができると伝えたかったので、ああいう鋭い切り口のCMになっています」


 この言葉にザワついたのは一般社会で働く女性だけではない。参議院議員の蓮舫氏(48才)は、「“日本の女性の今”を表している」と指摘する。


「あのCMには女性の息苦しさが全部出ている。共鳴とか共感じゃなくて、“あ、わかる。この酸素不足の感じ”と思います。私はあんまり息苦しいとか思うキャラクターでも立場でもありませんが、ものすごく“今だよね”と感じます」(蓮舫氏)


 東京都知事選では小池百合子氏(64才)の対抗馬といわれながら、「私の“ガラスの天井”は国政にある」と言って不出馬。早速、民進党の代表選に名乗りを上げた蓮舫氏だが、自身の置かれている状況については、「ガラスの天井どころか、床もガラスです。安全バーもなくて、ストンと落ちるから、不安は常に感じている」とも言う。


“ガラスの天井”とは、もともとヒラリー・クリントン氏(68)が使った言葉で、資質や成果があるのに、女性が昇進できない“目に見えない壁”のことだ。東京都知事の小池氏も、何度もこの言葉に触れている。


 男性社会の政界では、いくらキャリアを積んでも、性差が常につきまとうのだ。


「例えば、同じ大臣でも男性と女性で扱いが違う。男性は“大臣、こちらへ”と呼ばれても、女性は “あっ、○○ちゃん”と呼ばれる。いまだにちゃんづけされるうれしさってないよね(苦笑)」(蓮舫氏)


 本誌で防衛大臣(当時、自民党政調会長)の稲田朋美氏(57才)と対談した衆議院議員の山尾志桜里氏(42才)も、政調会長になって気づいたのは、理屈を積み上げて相手を追及しても「かみついた」となるということを明かしていた。これに稲田氏も同意し、「それがエキセントリックなイメージで伝えられる」と続けた。


 日本の女性議員の数は、他のOECD加盟国と比べて最低レベルだ。衆議院の女性議員は475人中44人で1割に満たず、実はこの数字、奇しくも70年前に初めて女性に参政権が与えられた時とほとんど変わらない。


 蓮舫氏がテレビに出始めたのは25年ほど前。その頃も今も、変わらず女性の地位は低いと指摘する。



「キャスターを始めたときは“スカートをはけ”と当たり前のようにプロデューサーに言われたり、“女性はただ隣で笑ってろ”と言われたりしました。今でも、女性はやっぱりお茶を入れさせられるし、いつまでたってもちゃんづけだし、会合では“きみ、お送りして差し上げて”と言われる。“なんで私が、エレベーターまで送るの?”と思います」


 こういった伝統的な“女らしさ”を巡って、今インターネット上で大炎上している記事がある。女性が食事の席で、上司や彼に料理を取り分けるマナーを記したものだが、「時代錯誤」だと非難が殺到しているのだ。


《なんで『女の子』が取り分けないといけなくて、そんなにあれこれ気を使わないと恥ずかしいよという呪文をかけられるのか》

《女はこんなことをやるために存在してるわけではないと大声で叫びたくなった記事》

《なんで女だからってやらなきゃいけないの? 男だってやれば良い。ってか自分で取れ》


 女性が社会進出したといわれて久しい。実際、仕事で重要な役割を任されたりするなど女性が活躍する機会が増えた。しかし、いまだに見えざる女の役割があって、雑事から解放されていない。


「女性が何かやろうとすると、女性はお茶を入れるもの、子育ては女性といった“伝統的文化”が残像のように出てきて、“あ、まだ私は原点にいるんだ”って気づく。だからみんな息苦しいんでしょうね」(蓮舫氏)


 アベノミクスが成長戦略の一つの柱として掲げる「女性が輝く社会」。少子高齢化が進むなか、多様な働き方ができる社会を実現すると言いながら、いまだに育児や介護を担うのは女性という考えが根強い。社会制度の枠組みが次々にできているものの、蓮舫氏が言うように、女性は“伝統的文化”に縛られているのだ。


「経団連や労働組合のトップにまだ女性がいないのが実情です。選択的夫婦別姓も実現していません。なぜ旧姓を使用したい人が自分の名前を使い続けることができないのでしょうか。銀行口座を開設したり、パスポートなどの公的証書を作ったりできないのでしょうか。


 ガラスの天井を打ち破りたいと思っても、そこにたどり着くまでに迷路がいっぱいあって、まだこの迷い道を抜け出すこともできない状況です」(蓮舫氏)


※女性セブン2016年9月8日号

NEWSポストセブン

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