【広島】助っ人の家族を支える「編成部国際業務課」のお仕事

8月30日(水)11時0分 文春オンライン

※文春野球コラムは“代打制度”を導入しました。今回、広島東洋カープの筆者は大井智保子に替わりまして代打・尾関高文です。


【大井智保子からの推薦文】

M 18とラストスパートのカープを盛り上げていただくのは、身長は助っ人外国人なみの、ザ・ギースの尾関さんです! 真夏のツイッター炎上も華麗にさばく尾関さんに、代打の神として登場していただきます!!


【プロフィール】

尾関高文/おぜき・たかふみ

お笑いコンビ、ザ・ギース。2008年2015年キングオブコントファイナリスト。アメトーーク「カープ芸人」出演。カープのチケットが取れない日はスタジアムに歓声だけを聞きに行く。


◆ ◆ ◆


優良すぎるカープの助っ人外国人


「カープの助っ人外国人はよく当たる」。プロ野球ファンならば誰もが聞いたことのある言葉だろう。古くはホプキンス、シェーン、ギャレット、ライトルから始まり、近年はロペス、ラロッカ、シーツ、サファテ、エルドレッドなどカープの優良助っ人をあげればきりがない。そこにはもちろんスカウトの多大な力がある。フィーバー平山さん、シュールストロームさん、マクレーンさん……素晴らしいスカウトのみなさまに、もはや私は足を向けて寝ることはできない。


 しかし助っ人外国人が日本で活躍するためにはこの異国の環境で、ベストな精神状態でプレイできるのかが非常に重要になってくる。とりわけ「助っ人の家族が日本で楽しく幸せに過ごせているかどうか」は選手の精神に多大な影響を与えるだろう。人生の根源とも言える「家族」。助っ人がその能力をいかんなく発揮できるようファミリーをケアする、それが広島東洋カープの「編成部国際業務課」だ。


カープ独自のシステム「編成部国際業務課」とは


 助っ人外国人のご家族がなに不自由なく、笑顔で生活できるようにサポートする編成部国際業務課。現在の担当は有吉舞さん。優しい笑顔がとても素敵な女性だ。有吉さんがこちらの部署に配属されたのは2009年。当時の思い出を有吉さんはこう語る。


「英語がある程度できたということもあり、こちらの部署に配属されました。広島生まれなのでカープはもちろん好きでしたが、助っ人外国人まで事細かに知っているわけではなかったので、当初は助っ人が誰が誰だか見分けがつきませんでした(笑)」


 当時の監督はブラウン。今のようにマツダスタジアムが常に満員というわけではなく、空席も目立った時代である。


「2009年はコルビー・ルイス、フィリップス、シュルツなどがいた時ですね。フィリップスは今まで私が見た助っ人の中で1番ハンサムでした(笑)。当時カープ女子は少なかったですが、フィリップスは女性ファンがとても多かったのを覚えています」


 さすがカープ史上最高の伊達男といわれるフィリップス。コルビー・ルイスがベンチで叩きつけたヘルメットの破片が顔に当たり、痛みをこらえるフィリップスをふと思い出す。


 そんな助っ人外国人のご家族へのサポートとは具体的にどのようなお仕事なのだろうか。



助っ人外国人家族への細かなサポート


「基本的にはご家族がしたいことや、困ったことがあれば何でも対応します。家族でいける美味しいレストランを探したり、病気になれば病院に付き添うこともあります。旅行に行く時は全ての手配、ご家族が来日されれば東京へ迎えに行きますね。一昨年カープにいたザガースキーの奥様は日本で出産したのですが、一緒に産婦人科に通い出産にも立ち会うという素晴らしい経験もしました。去年いたプライディの奥様も妊娠されていて、お腹のお子さんが男の子だということを病院で一緒に聞いたのもいい思い出ですね。」


 不安もあるこの異国の地で、24時間常に親身になってサポートしてくれる有吉さんの存在はとてつもなく大きい。さらにそれだけではない。有吉さんは助っ人のご家族を幸せにするお手伝いもされているのだ。


「ご家族が父の日にエルドレッドにプレゼントをしたい、とのことで一緒に探したことがありました。今でもプレゼントのナンバー『55』が入ったベルトを、エルドレッドがつけてくれているのを見ると私まで嬉しくなってしまいます。今年の父の日も一緒に試合を観戦しました。お子さんがエルドレッドのようにアゴにヒゲを描いてパパを応援してましたね(笑)」


 もはや家族である。有吉さんのお人柄もあるのだろうが、ご家族が全幅の信頼を寄せていることが窺える。そんな有吉さんには宝物がある。


来日6年目のエルドレッド ©文藝春秋

「たしかトレーシーの娘さんだったと思うのですが、手作りのブレスレットをプレゼントしてもらいました。あれは嬉しかったですね。あと一年の終わりにみなさんからサンキューカード(今年一年ありがとう、みたいなものが書いてあるカード)をもらうのですが、全部大事にとってあります」


 今でも母国へ帰った助っ人の皆様の近況をSNSでみたり、連絡をとったりするという有吉さん。助っ人のお子様の成長を我が子のように見守っているとのこと。有吉さんはご自身のお仕事をこう語る。


「ご家族には常に平和で幸せな気持ちでいて欲しいんです。そして少しでも日本を、広島を好きになってくれたら、って。いつか母国へ帰った後もまた広島に行きたいと思ってもらえるよう、いい思い出を作りたいですね」


 他球団では通訳の方が全てを担っており、「家族を専門にサポートする」担当がいると聞いたことは無いという有吉さん。昔からカープに存在するこの独自のシステムこそ広島カープという球団の、助っ人外国人に対する「誠意」であり「愛情」なのである。この球団の想いが、助っ人外国人の活躍できる環境を作っているのだ。「カープの助っ人外国人はよく当たる」のは偶然ではなく必然であった。


 いつかカープで出会った助っ人のご家族に会いに行くのが夢、と語る有吉さん。助っ人の家族は間違いなく、大きな喜びとともに手厚く有吉さんを迎える事だろう。まるで本当の家族が帰ってきたように。


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(尾関 高文)

文春オンライン

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