美術家・会田誠「つい出ちゃった本性なのかも」 自身の“女の子の絵”について語る

8月31日(土)19時0分 TOKYO FM+

放送作家の高須光聖が、世の中をもっと面白くするためにゲストと空想し、勝手に企画を提案していくTOKYO FMの番組「空想メディア」。8月18日(日)の放送では、美術家の会田誠さんが登場しました。


左から高須光聖、会田誠さん



松本人志が絵を諦めた理由は……?

高須:僕が小さいころ、絵がうまい子は周りにもたくさんいたんですけれど、それを“一生やっていく”って言ってた子は、見たことないんですよね。

同級生で仕事仲間でもある松本人志(ダウンタウン)っていうのがいるんですけど、彼は絵とかマンガがうまかったんですよ。だから昔、バラエティ番組「お笑いマンガ道場」に出たりしてたんです。でも、彼いわく「俺の絵は動いているように見えへん」って。マンガを描きたかったんだけど、「動いているように見えへんから、俺には無理やわ」って止めたんですけど。

会田さんは小さいとき、どうだったんですか?

会田:今の僕が、時間をかけてしっかりと描くときの絵の特徴とあまり変わらないですね。ちゃんと写実的に描こうと思えばできるんだけれども、僕(の絵に)も動きはあまりない。僕も漫画家になりたかったときはあったけど、言われてみれば動きとかが描けなかった。

美術大学に入るために試験でデッサンするのも、基本的に動きのない絵なんですよね。石膏像とかをそっくりそのまま描ければいいみたいな。そういうのは子どものころから得意だったんだけど、それが“いい絵を描くやつ”かどうかは微妙で。

子どものころから冷たい絵の描き方だったかもしれないですね。クールな。子どもらしい、のびのびとした絵ではなく、科学的っていうのかな(笑)? でも写実画っていうのは光と影ですから、科学的に分析したもののほうが写実的になるんですよ。

のびのびと感性に任せて……っていう絵と、ざっくり2つに分けるんだとしたら、冷たいほうの絵でしたね。

◆アイディアを思いつく“勝利の方程式”はない

高須:作品の構想とかアイディアは、どんなときに考えてはるんですか?

会田:さりげないときに、ふと出るとしか言いようがなくて。お酒飲んでリラックスしているときが確率的には一番多いんですけれど、冷静に考えると酒が高確率でいいアイディアを出してくれているわけではないんです。ほかには、普通の昼間のぼやっとしているときとか。

“こういうとき、この条件がそろえばいいアイディアが出る”とか、そういう勝利の方程式みたいなものはないですね。予想不能で。しょうがないので、なるべく自然体で暮らしているほうがマシかなって。

うんうん唸って、眉間にしわ寄せてやってもダメなことがすごく多かったんで、そっち方向はあまり期待しないでおこうと。でも期日までにアイディアを出せってときは仕方なく、“ウオーッ!”って叫んでひねり出すんですけれど、結果としてイマイチなものになることが多い(笑)。それが避けられないときはありますけれどもね。

◆“女の子”のイメージは「僕のミス」

会田:僕の作品と言えば “女の子”と言われてもいるんですけれど、実際に調べていただいたら、女の子がモチーフになってる僕の作品って多くないんですね。それも若いときの作品が多くて、年を取ったら自然と減ってきて。それは、自然な内面の変化でもあるんですけれど。

僕がデビューしたころ、美術業界の周りを見渡すと、今より業界全体がもっと真面目で、抽象画が尊敬されていたころだったんです。そのとき、僕は美術大学を出るころで、“なんでみんなこんなに禁欲的で真面目なんだろう”と。

1980年代で、日本もバブルで浮かれてた時代じゃないですか。美術業界と外側があまりに違って、“みんな嘘ついてるんじゃないかな”って思いもあって。“みんなもうちょっと正直になろうよ”ってこともあって、女の子、あるいは美少女アイドルとか美少女が出るマンガとか、そうした世に氾濫しているものに男性はお世話になっているじゃないかみたいな(笑)。そんな思いで描いてる。

(中略)

今でもネットで嫌われてる、“会田が嫌い”って人が真っ先にあげる「犬」って作品があるんですけど。

高須:えっ、どんな作品ですか?

会田:女の子が足を切られて、包帯巻かれているやつですね。あれは学生時代からの作品なので、89年が最初なんですけれど。僕はやっぱりバランスを取りたいんですよね。癖みたいなものなんですけれど、例えば性的なものとか、女の子があまりに意図的に排除されてたら、入れたいと思うんです。

でも僕は、一生女の子を描く画家になりたかったわけではなかったので。富士山をひたすら描くとか、そういう人がいてもいいとは思うんですけどね。僕はそうではなくて、コンセプチュアルを目指していて。コンセプチュアルであるならば、できれば“目指せ世の神羅万象”みたいな、全部をバランスよくやりたいつもり。

でも今のところ女の子が多めなのは、僕のミスで。あるいは、つい出ちゃった本性なのかもしれませんけど、本当は自分の本性を見せたいわけじゃなくて。社会的な題材とか歴史的な題材が多いつもりなんですけれどもね。

<番組概要>
タイトル:空想メディア
放送日時:毎週日曜 25:00〜25:30
パーソナリティ:高須光聖
番組Webサイト:https://www.facebook.com/QUUSOOMEDIA/

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