「複雑だからこそ美しい」ムーランが唯一無二のディズニーヒロインである理由とは?

2020年9月3日(木)16時0分 シネマカフェ

『ムーラン』(C) 2020 Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved.

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先日、クリスティーナ・アギレラによる「リフレクション」のMVが公開されたばかりの『ムーラン』。実写映画として新たに描かれるムーランの“物語”に迫った。



「リフレクション」は“自分らしくありたい”と思う一方で、愛する家族や故郷のために自分を男性と偽り、兵士になることを決意する主人公ムーランの心情と葛藤が表現されている。

そんな名曲が奏でられ、人気となった1998年公開のディズニー・アニメーション『ムーラン』の物語は、『美女と野獣』や『シンデレラ』『アラジン』とはまた違った魅力を持っている。

王子様との恋を夢見て、最後は愛する人と結ばれ幸せに暮らす…という定石の物語ではなく、愛する父のために自ら戦地に向かうという、それまでのディズニーヒロインでは想像しえなかった、まさに画期的なストーリーだ。そこで1998年に発表されたアニメーション版のストーリーをふり返りつつ、新たに生まれ変わった“実写版”『ムーラン』の魅力を探ってみたい。

周囲が望む“理想の女性”になれないことに悩むムーラン

由緒あるファ家のひとり娘ムーランは、古いしきたりに縛られない自由な心を持つ元気な少女。結婚をするために女性としてのマナーを学ぼうとするが、活発な彼女は、おしとやかで落ち着いた周りが求めるような女性像に近づくことができず、複雑な気持ちを抱えていた。

彼女の父親は失敗ばかり繰り返すムーランに忠告しながらも、人とは違う娘の個性を愛していた。しかしそんな中、ムーランが住む国へ敵のフン族が攻め込み、持病を持つ父親が戦地に駆り出されることに。

愛する父のため、自ら戦地へ

しかし、ムーランは病気の父のため、“女性”の象徴ともいえる“髪”をばっさり切り、男装して戦地へ向かうことを決心する。この髪を切るシーンで流れるのが「リフレクション」、歴代のディズニーの楽曲の中でも屈指の人気を誇るゆえんだ。

一人戦地へ向かったムーランは、自分以外全て男性の練習場で、女性であることを隠し、訓練を重ねながら仲間との絆を育んでいく。練習を重ねていくうちにやがて彼女は、チームの隊長のリー・シャンへ淡い憧れと恋心を持つようになる。敵のフン族に雪山で攻撃されるも、ムーランの奇策によって勝利を治めるが、その際に負った怪我の治療のせいで、ムーランは“女性”であることがばれてしまう。

闘いの末、彼女が手にしたものとは?

女性であることが分かり、軍から追放されたムーランだったが、諦めて故郷へ戻ろうとする際に、フン族が都へと攻め込み皇帝を捕らえたことを知る。ムーランは再び戻り、シャン隊長や戦友とともに死闘を繰り広げた結果、見事皇帝を救出。ムーランは女性でありながら勇敢に戦ったことを褒めたたえられる。こうして、大功を挙げたムーランは帰郷し、父に誇りと愛情をもって迎え入れられるのだった。

新しく生まれかわった『ムーラン』に描かれる壮大な物語

“実写版”として新しく生まれ変わった本作では、長年愛されてきたムーランの強さと愛情深いキャラクターの魅力を決して失うことなく、“実写”だからこその臨場感とムーランを演じるリウ・イーフェイの圧倒的な演技力が光った作品となった。

リウは伝説的なディズニーのヒロイン、ムーランを演じるにあたって「ムーランは確かに英雄だから、そういう側面も引き出さなければいけないけど、人間って誰だって複雑なものだし、複雑だからこそ美しいんだと私は思う。ムーランのエネルギーもその複雑さにあると思う」とコメントしている。

ムーランは、優れた身体能力や武術の才能だけでなく、周囲が望むような女性になれないことや男性と偽って戦いに赴くことなど、本当の自分を受け入れられない“複雑な心境”を持っていながらも前に突き進む精神的な“強さ”も兼ね備えているからこそ、ディズニーの唯一無二のヒロインとして長年愛されているのだ。

『ムーラン』は9月4日(金)よりディズニープラス会員、プレミアアクセスにて独占配信(※追加支払いが必要)。

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