阪神「幻の犠飛」は誰のミスだったのか 元巨人・鈴木尚広氏がプレー分析

9月3日(月)19時29分 J-CASTニュース

鈴木尚広氏

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プロ野球・阪神−ヤクルト戦で起きた「幻の犠牲フライ」。

絶好の同点機をフイにしたあの珍プレーは、二走・梅野隆太郎の暴走だったのか。それとも、三走・鳥谷敬に気の緩みがあったのか。はたまた、ランナーコーチらの指示が不足していたのか。



ファンの間で未だに議論が尽きない一連のプレーを、「走塁のスペシャリスト」として活躍した元巨人の鈴木尚広氏(40)はどう見たのだろうか。



金本監督も「見たことない」プレー



クライマックスシリーズ(CS)進出を争う両軍がぶつかった2018年8月30日の阪神−ヤクルト戦(甲子園)。1点を追う5回、阪神は一死満塁の絶好機を迎える。この場面で、1番・糸原健斗が打ち上げた打球はセンターへ飛んだ。



左中間寄りの深いフライ。中堅手の青木宣親のキャッチを見て、三走・鳥谷はタッチアップでホームへ。飛距離十分の犠牲フライで同点——と思われたが、同時にスタートを切ってサードへ向かった二走・梅野がタッチアウトに。



犠飛での得点を確信した様子の鳥谷は、途中でスピードを緩めて悠々とホームへ向かっていた。そのため、鳥谷のホーム生還よりも先に梅野がアウトとなり、得点は認められず。スコアボードに「0」が表示されると、スタンドの虎党からは大きなため息が漏れた。



まさかのプレーで好機を逸した阪神は、1-3でこの試合に敗れた。スポーツ各紙の報道によれば、試合後に金本知憲監督は「信じられない」「ちょっと俺も見たことがない」と、どこか呆然とした様子で話したという。



なぜ、こうしたミスが起きてしまったのか。試合から数日が経った今でも、ファンの間で激しい議論が続いているこのプレー。9月1日放送の「せやねん!」(MBS系、関西ローカル)では、この一場面を詳細に解説する特集を組んだ程だ。



そこでJ-CASTニュースは3日、代走での通算盗塁数132の日本記録を持ち、「走塁のスペシャリスト」として知られる元巨人の鈴木尚広氏に見解を尋ねた。



鈴木氏が苦言を呈した「動き」は



「誰が悪かったとかの責任論ではなく、僕の走塁観であのプレーを振り返りたい」。そう切り出した鈴木氏によると、二走・梅野と三走・鳥谷それぞれの動きは分けて見ていくべきだという。



まず、左中間寄りのフライで三塁へ向かった梅野の判断について。



「次の塁を狙う姿勢自体はいいと思います。ただ、フライの飛んだ位置と自分(梅野)の脚力を純粋に比較してみた場合、今回の判断ははたしてどうだったのでしょうか。



仮にランナーが1、2塁の状況であっても、同じようにタッチアップをしたのか。鳥谷選手の動きにつられて、自分も思わず動いてしまった部分はなかったか。実際のところ、本人がどう感じていたのかは分かりませんが、気になる部分ではあります」


続けて、鳥谷の走塁に対しては、「ああいった位置に飛んだフライだと、ランナーは(ボールが)ホームには帰ってこないだろうと思ってしまう」。その上で、



「もちろんプレー中は全力疾走が基本なのですが、やはりどうしても走塁が緩んでしまう状況はあります。『怠慢』というより、自然にそうなってしまう部分もあるんですよね」


と同情する。



ただ鈴木氏は、次打者としてホームベース付近にいた北條史也の動きについては、



「あの場面は、彼が一番グラウンドの状況を見ることができていました。鳥谷選手は後ろで何が起きているか分からないですし。なのに、なぜ何のジェスチャーもしなかったのでしょうか。本塁のランナーコーチとしての役割ができていなかった」


と厳しく見る。



「チーム全体としてのスキが出た」



では、鳥谷の生還が遅れたのは北條の責任と言えるのか。この点について聞くと、鈴木氏は「いえ、指導面も含めたチームの問題だと思います」ときっぱり否定する。



「僕の考え方として、ミスはチームのものとして見るべきだと思っています」。そう続けた鈴木氏は、今回の一連のプレーについて、改めて次のような見方を示した。



「今回のプレーは、色々な面において油断やスキが生まれやすい状況でした。梅野選手の判断、鳥谷選手の走塁、北條選手の指示のすべて合わせて、チーム全体としてのスキが表に出てしまったと思います」

J-CASTニュース

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