“役立たず”評のJアラート、格安スマホだと鳴らなくて…

9月4日(月)7時0分 NEWSポストセブン

格安スマホだとJアラートは鳴らないケースも

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〈役立たずの典型。こんなのに税金が100億円かかったのか?〉──元フジテレビアナウンサーの長谷川豊氏は、自身の公式コラムでこう綴った。


〈マジでこんなんで起こすなクソ〉と辛辣な言葉をツイッターで呟いたのは“ホリエモン”こと実業家の堀江貴文氏。


 この2人がケチョンケチョンにけなしているのがJアラートだ。8月29日の早朝、北朝鮮が発射したミサイルが、北海道の上空を通過し襟裳岬沖の太平洋に落下。その際、Jアラートは“警報”の役割を果たした。


 これは、米軍の早期警戒衛星がキャッチしたミサイル発射情報などをもとに、総務省が各自治体や携帯電話会社に送るシステム。防災無線などによるアナウンスとともに、携帯電話(スマホ)に緊急速報メールが入ることで国民に情報が伝わる仕組みで、100億円以上の税金が投入されている。


 そんな国家的な設備が酷評される理由とは何か。今回は北海道や東北など12道県の計617市町村がJアラートの対象地域となった。その地域在住で、危機管理が専門の青森中央学院大学教授の大泉光一氏が、問題点を指摘する。


「私はあの日の午前6時頃、携帯電話の緊急速報メールの受信音で目が覚めました。横で寝ていた女房に慌てて起こされ、寝ぼけ眼のままリビングのテレビをつけると“北朝鮮がミサイルを発射した”という。


 驚いて携帯のメールを確認すると、こちらにも“ミサイル発射”と書かれていた。後から知ったところでは、その情報を知った時にはミサイルはもう北海道の上空を通過して海に落下していたようです」


 北朝鮮がミサイルを発射したのは午前5時58分。6時2分にJアラートが発令され、6時12分に襟裳岬東約1180km沖の太平洋上に落下していた。


「北海道上空を通過したのは、おそらく6時5〜6分頃。メールを見てから取れる行動は皆無に等しかったことでしょう」(同前)


 今回、携帯画面に〈頑丈な建物や地下に避難してください〉との避難呼びかけがされたが、近くにそんな建物も場所もない地域では、パニックになる人が大勢いたという。マニュアル的な避難指示が、混乱に拍車をかけた面もある。


◆格安スマホは鳴らない


 長谷川氏が書いたように〈役立たずの典型〉だと言われるのは、鳴らなかった地域もあったからだ。今回、約40の自治体で防災無線や携帯メールが届かなかったという。“不発”に終わった理由は様々なようだが、想定以上に多かったのが、携帯電話が対応していなかったというもの。


 いま利用者が急増中の格安スマホには、Jアラートに対応していない機種も少なくない。そのため「楽天モバイル」などの格安スマホ各社は自社ホームページに〈防災情報アプリをインストールすることでJアラートの受信が可能〉などといった注意喚起を行なっている。


 大手キャリアでも「2007年12月以前に販売された機種はJアラートに未対応」(NTTドコモ)、「2012年1月販売以前の機種は原則として未対応」(au)など、機種の古さが原因というケースもあるようだ。


 さらに「その時に通話中だったり、電波の状態が悪くても携帯が鳴らないことがある」(大手キャリア社員)という。


※週刊ポスト2017年9月15日号

NEWSポストセブン

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