小泉今日子の男前っぷりに惚れる! 女優キョンキョン『食べる女』への軌跡

9月11日(火)7時45分 シネマカフェ

『食べる女』(C)2018「食べる女」倶楽部

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斬新かつ奇抜なアイディアで世の中をあっと言わせたり、聞いているこちらがアタフタしてしまうような本音をぶっちゃけたり…。芸能界の既成概念を打ち破り、独自路線を歩んできたキョンキョンこと小泉今日子。彼女の最新映画『食べる女』では、古書店を営む雑文筆家を好演。悩める女性たちにおいしい料理をふるまう女主人・敦子(トン子)を体現している。

敦子は複雑な女心を肯定し、自分なりの価値観を持って自立している素敵な女性。そのカッコイイ生き様は、仕事や人生において自分流を貫いてきた小泉さんをほうふつとさせる。そこで今回は、アイドルから実力派女優へと見事なステップアップを遂げた小泉さんの軌跡をふり返ってみる。

歌に、演技に、CMに…ジャンルの垣根を越えた活躍で時代の寵児に
1966年生まれ、現在52歳の小泉さんは、1982年に「私の16才」で歌手デビュー。松本伊代シブがき隊中森明菜らと共に“花の82年組”としてアイドル活動をスタートする。そして83年「艶姿ナミダ娘」、84年「渚のはいから人魚」「ヤマトナデシコ七変化」とオリコンチャートをにぎわせる大ヒットを連発し、第35回NHK紅白歌合戦に初出場を果たしたことで一躍、国民的アイドルに。

またその活躍は演技でも。初主演の連続TVドラマ「少女に何が起こったか」(1985年)では、自分の出生の秘密を探るため、ピアニストを志す少女・野川雪役を熱演。そして陣内孝則主演のテレビドラマ「愛しあってるかい!」(1989年)では高校教師・椎名吹雪役で出演し、エンディングに使用された彼女のシングル「学園天国」も大ヒット!


一方、映画においても初主演作『生徒諸君!』(1984年)で主人公のナッキーとその双子の姉妹マールの2役という難役に挑むとともに、主題歌「The Stardust Memory」も担当。続く主演2作目『ボクの女に手を出すな』(1986年)でも主題歌の「木枯しに抱かれて」を、そして真田広之と共演した主演3作目『快盗ルビイ』(1988年)ではとびきりチャーミングな女怪盗を演じるとともに主題歌「快盗ルビイ」を提供するなど。“演技”と“歌”両軸で作品の顔となることも多かった。

加えてコイズミ旋風はCM界にも吹き荒れた。武田薬品工業「ベンザエース」や味の素「クノール カップスープ」、CMガールを務めたカネボウ化粧品「アクアルージュ」ではイメージソング「水のルージュ」も提供。また「ジャンジャカジャーン」のフレーズがキュートだったJR東日本のCMでは1990年〜94年にかけてイメージガールも務めている。当時「小泉今日子を起用すれば、売上が2割伸びる」という説がまことしやかにささやかれ、小泉さんは<CMの女王>として君臨する。


2000年以降は女優を主軸に活躍〜NHK朝ドラでは劇中歌も大ヒット!
1995年には俳優・永瀬正敏と結婚し、少しずつアイドルから女優としての比重を高めていった小泉さん。2000年に入っても女優業を主軸に変わらぬ人気を維持していたが、そんな折、ターニングポイントとなった映画との出会いが訪れる。それは故・相米慎二監督がメガホンをとったロードムービー『風花』(2001年)。この作品で、北海道の実家で暮らす娘に会うため、謹慎中のエリート官僚・澤城(浅野忠信)と共に5年ぶりに帰郷する風俗嬢・レモン役を見事に演じきった彼女は、第25回日本アカデミー賞(主演女優賞)にノミネートされ、実力派女優としての一歩を踏み出すのだ。


その後も第61回カンヌ国際映画祭(ある視点部門・審査員賞)受賞作である黒沢清監督の人間ドラマ『トウキョウソナタ』(2008年)で演じた、それぞれに秘密を抱えた一家の母親役が高く評価され、西原理恵子の人気コミックを実写化した『毎日かあさん』(2011年)では、2004年に離婚した永瀬さんと夫婦役を演じ、ぴったりと息のあった演技を披露している。そしてその翌年に放映された中井貴一とW主演を務めたTVドラマ「最後から二番目の恋」(2012年)では、仕事に恋に奮闘するテレビプロデューサー・吉野千明役をのびのびと体現。千明の本音満載のセリフが30〜40代の女性たちから熱い支持を受けたこのドラマは、2014年の続編放映へとつながっていく。

一方、日本中に大ブームを巻き起こしたNHK連続テレビ小説「あまちゃん」(2013年)では主人公・アキの母親・天野春子を演じ、春子名義でリリースされた劇中映画の主題歌「潮騒のメモリー」はオリコンランキング入りの快挙に。そして二階堂ふみと演技合戦を繰り広げた『ふきげんな過去』(2016年)では、死亡したと思われていたワケありの主人公・未来子を飄々と怪演。そのお茶目ながらも一筋縄ではいかない強烈なキャラクターは、小泉さんが演じたからこその不穏な気配を漂わせる佇まいが印象的だった。


小泉今日子の男前っぷりに惚れる! 最新映画『食べる女』とは?
2000年以降は女優を主軸に活躍〜NHK朝ドラでは劇中歌も大ヒット! 小泉さんが出演する最新映画『食べる女』が、いよいよ9月21日(金)に公開される。『失楽園』や『不機嫌な果実』ほか、女性の生き様とエロスに鋭く切り込んできた脚本家・筒井ともみの小説を原作に、小泉さんほか沢尻エリカ、前田敦子、広瀬アリス、山田優、壇蜜、シャーロット・ケイト・フォックス、鈴木京香ら、いまをときめく豪華女優陣が競演する人間ドラマだ。


年齢も職業も価値観も異なる8人の女たち。それぞれに違う幸せを模索する彼女たちが、信頼を寄せ、悩みを打ち明けるのは、小泉さん扮する古書店“モチの家”の女主人であり雑文筆家の敦子だ。「“おいしいゴハン”と“愛しいセックス”が、争い事を遠ざける!」がモットーの敦子は、悩める女たちに今日も趣向を凝らした愛情いっぱいの手料理をふるまう。

本作では様々な境遇の女たちの「食欲」や「性欲」がセキララに語られるが、敦子はその複雑な想いを肯定し、温かく見守ってくれる。「食に、仕事に、恋に。もっともっと欲張って、“おいしい女”になれ!」と、背中をそっと押してくれる。そんな頼れるキャラクターを、小泉さんは自身の肝っ玉系イメージにかすかな淋しさをにじませながら、等身大の演技で見事に演じ切っている。


デビュー以来、色あせることなく“カッコイイ”存在であり続ける小泉さん。マイナス・イメージが敬遠される芸能界で、自分の気持ちに正直に生きようとする姿に共感する者もいるだろう。最近はなにかとプライベートで話題が絶えない彼女だが、時が満ちればまたどこかで本心をぶっちゃけてくれるはず。

食べることを通じて、自分の気持ちに正直に生きる大切さを描いた『食べる女』。波乱万丈の人生を歩みながらも、常に前向きに生きようとするバイタリティあふれる小泉今日子の男前っぷりも堪能して欲しい。

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