二次がんのリスク 早期発見には遺伝子検査などが有効か

9月11日(水)16時0分 NEWSポストセブン

遺伝子検査も有効だ

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 がん治療を乗り越え、新たな人生の門出を迎えた頃に「二次がん」が発覚——。転移や再発ではない「新たながん」の研究が近年進んでいる。遺伝子レベルでの体質や環境要因など、さまざまな条件で起こるという「二次がん」の本当のリスクとは…。


 がんになった人が、数か月や数十年経って新たに別のがんになった場合、2つ目のがんのことを「二次がん」という。だからこそ、近年、小児がん経験者や、AYA世代といわれる15〜30才前後の若年がんの経験者へのフォローの在り方に注目が集まっている。


 がんの治療を終えて日常生活に戻った後に、進学や結婚、就職を迎えるがんサバイバーを支援しようとする動きだ。今年8月、小児がん患者の二次がんの早期発見や治療などを目的とする信州大学付属病院の「HOPEFUL外来」新設もそうした動きを後押しするものだといえる。


 信州大学医学部教授で小児医学教室の中沢洋三さんは、小児がんの患者と向き合う中で、HOPEFUL外来の必要性を感じてスタートさせた。


「きっかけは20年前、私が最初に担当した小児がんの患者さんです。すっかり治ったと思っていたら、10年ぶりに再会した際に、別のがんになったと言うのです。成人して間もない頃に二次がんになり、就職に大きな影響が及んでいました。その時、がんは治療するだけでなく、素因を診なければならないと感じました」(中沢さん・以下同)


◆二次がんが治っても3度、4度とがんになることも


 小児がんの場合、治療の影響で身長が伸びない患者や、学校にうまく戻れなかったり、就労問題に直面することもある。


 こうした患者へのフォローアップはほかの病院でも行われつつあるが、HOPEFUL外来では、遺伝子検査で二次がんリスクを調べており、この取り組みは全国でも類を見ない。


「これまでも、治療に使用した抗がん剤の種類や量、放射線治療から、二次がんのリスクを検討し、アドバイスをしていました。ですが遺伝子の変異を調べることによって、どういったがんになりやすいのか、よりはっきりと予測できる可能性があります」


 小児がんになった人の約7%が、もともとがんになりやすい遺伝子の変異を持っているという調査もある。


「大腸がんのように、早期発見できれば9割以上治るがんはたくさんあります。ただ若い人はあまりがんにならないので、検診を受ける機会も少なく、発見が遅れがちです。そこで、リスクが高い人には事前に遺伝子情報を提供して、自分で気をつけていく。自分がどの部位のがんにかかりやすいか知っていれば、積極的に検診を受け、生活習慣に気をつけて、早期発見につなげることができます」


 しかしその半面、いつ、がんになるのか——といった精神的な不安に悩む可能性がある。遺伝子情報が結婚や出産のハードルになる可能性もある。最終的な決断は、本人や家族に委ねられると中沢さんは言う。


「遺伝カウンセラーや医師から知ることで得られるメリット、デメリットを詳しく説明し、それでも受けたいという場合に検査をします。20才前後の小児がん経験者に声をかけたところ、約7割が説明を聞きたいと回答しました」


 がんになりやすい体質ならば、二次がんが治っても、3度、4度とがんになる可能性はある。その事実を受け止め、いかにして生活の中でがんのリスクを軽減するか、対策を立てていくことが重要だ。


※女性セブン2019年9月19日号

NEWSポストセブン

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