SNSいじめ対策、親子でやるべき証拠収集と教師との連携

9月11日(水)16時0分 NEWSポストセブン

SNSでのいじめには早期対処が肝心

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 最近の子供達の“いじめ”はリアルの場からSNSやLINEに移っている面もあるという。最近のSNSいじめの場合、加害者がうまく証拠を隠すので、はたから見ると、それが本当にいじめかどうかわかりにくい。しかし、被害者が“つらい”“悲しい”と感じていたら、もうそれはいじめと断言していい。


 証拠が消される前に先手を打つにはどうすればいいか。わが子がSNSを通じて苦痛を受けていたら、まずすべきことは証拠の確保だ。


 アップされたメッセージや動画は前述の通り、消される可能性が高いので、見たらすぐか、あるいは24時間以内に、「スクリーンショット(通称スクショ)」機能で画面ごとに撮影して保存しておこう。詳しい方法は以下の通りだ。


【1】「スクリーンショット」で該当画面を撮影して保存

 スクリーンショットとは、スマホやPCの“画面”を撮影できる機能。機種により撮り方は若干異なるが、本体の電源ボタンと音量の「下」ボタンを同時に押す方法が主流だ。ポイントは、投稿された日付や時間が入るように撮ることと、問題となる投稿だけでなくその前後の流れも撮ること。画像はPCや親のスマホなどに送信して複数の機器に保存しておくと安心。


【2】画像が撮れなかったらメモも有効

 証拠画像が撮れなかった場合は、「いつ・誰に・どこで・どんなことを言われ・どんな気分になったか」を時系列にしてメモに残そう。これもちゃんと証拠になる。


 そしてその後は必ず、学校に相談してほしいと、国立大学附属中学校の校長で、いじめ問題を研究する千葉大学教育学部教授の藤川大祐さんは話す。


「基本的に学校は、証拠がなくても相談があれば対応してくれます。ただ、証拠がないと、いくら学校が加害者に事実関係を確認しても、シラを切り通されます。そうなると、手の打ちようがない。ですから証拠を集めていただくことは、大切なんです」(藤川さん・以下同)


 はたから見たら悪口とはとれない文章でも、必ずすべての画面を撮影し保存することを子供にも教えておこう。なかには心配をかけまいと、いじめられていることを隠す子もいる。そんな時は、「もしあなたの友達がつらい思いをしていたら、こういう方法があると教えてあげて」など、日頃から証拠を撮る方法を教えておくのがおすすめ。


 また、子供がスマホを紛失した時に備え、証拠画面を親のスマホに送ってもらおう。あるいは子供の許可を得て、前後の流れがわかるように該当画面を動画や写真に収めるのも手だ。


 学校に相談する際、保護者は証拠を準備するだけでなく、冷静に対応することも大切だ。


「“なんで学校はうちの子を見ていてくれなかったんだ!”などと感情的になって臨むと、解決まで難航するケースが多いんです。むしろ学校への協力姿勢を見せつつ、“担任の先生だけではなく、学年主任の先生や教頭先生も一緒に話を聞いていただけませんか”などと大勢を巻き込み、組織で動いてもらえるようお願いするのがおすすめです。さらに、“次はいつ連絡をいただけますか”と確認し、うやむやに終わらせない姿勢を見せることも大切です」


 とはいえ、きちんと対応してくれない学校があるのも事実だという。


「その場合は、いじめ防止対策推進法のコピーを持っていき、“申し出があれば学校は調査することを法律で決められていますよね”と言うのも手。それでも動いてくれなければ、弁護士に相談、あるいは転校も有効な手段です」


 しかし転校ともなると大きな決断となる。もし迷ったら、次のことを判断基準にしよう。


「“お子さんはつらい思いをしましたね。一緒に解決しましょうね”など、子供の苦痛を受け止め、共感してくれる先生がいるかを見極めましょう。責任逃れをしたり、迷惑そうな態度を取る先生がいる学校は問題外です」


 いじめは起きないに越したことはない。しかし万が一に備え、親子で一度対処法を話し合っておくのもおすすめだ。対処法として、アプリを利用するのも一つの手だ。


◆いじめを報告できるアプリ「ストップイット」


 被害者や第三者が、親や教師を通さずに匿名でいじめを教育委員会に報告できるアプリ「ストップイット」が今、千葉県の中学校を皮切りに全国314校で使われている。このアプリは、学校がシステムを導入することで使えるため、まだの学校には、保護者から自治体などへ進言してみるのもおすすめだ。


 導入している学校では、授業でアプリの使い方を教えるという。担当者とメールでやり取りをするのだが、証拠画像も添付できる。


 報告を受けた教育委員会は、その後、該当する学校と連携を取りながら調査を進める。アプリ導入後は、いじめの相談件数が10倍に増えた学校もあった。


イラスト/飛鳥幸子


※女性セブン2019年9月19日号

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