成田凌、演じる責任と誇りを胸に邁進「星の数ほどいる役者の中から選んでもらうから」

9月12日(木)11時0分 AbemaTIMES

 俳優として、『MEN'S NON-NO』モデルとして飛躍際立つ成田凌。ここ最近の映画出演作を抜粋してみると、『愛がなんだ』のダメ男マモちゃん、『チワワちゃん』のモテダメ男ヨシダ、『ここは退屈迎えに来て』の元モテダメ男椎名と、成田にしか醸し出せない気だるさや小ずるさ、色気を放つ通称「ダメ男」役が目立った。

 しかしながら、最新出演作『人間失格 太宰治と3人の女たち』では、主人公・太宰治役の小栗旬が言うならば「ダメ男」側。成田は正反対の立ち位置にもあたる、太宰の才能に惚れ込みながらも同時に強い反発心も覚えている固い編集者・佐倉潤一となり、巧みな演技力を発揮した。

 同作は蜷川実花監督による、太宰治と彼を取り巻く3人の女性の目線から太宰を描いた、実話を基にしたオリジナル作品。正妻・津島美知子(宮沢りえ)がいながら、2人の愛人・太田静子(沢尻エリカ)、山崎富栄(二階堂ふみ)と関係を持ち、彼女たちからインスピレーションを受けながらベストセラー作品を連発している太宰。乱れた女性関係、数回にわたる自殺未遂、大酒飲みと自堕落な生活を送る太宰が、妻の叱咤激励を受け小説「人間失格」を執筆していく過程を蜷川監督ならではの映像美で綴っていく。
 インタビューでは、劇中、シーンの多かった小栗に受けた刺激や初めての蜷川組の想いについて、成田に語ってもらった。さらに、今の彼の活躍の一端がちらりと覗けるような、これまでのオーディションエピソードも必読。
 
「太宰を演じた小栗さんを近くで見られたことが、本当に財産」

——佐倉を演じてみて、共感するような部分はどこかありましたか?

成田: 佐倉自身は、すごく真面目に生きてきた人間だろうと思うんです。だから、不真面目な、危険なにおいのする太宰という男に、ちょっとした憧れはあるのかな、というのは気持ちとしてはわかります。何をしても才能がかってしまう人を、どうしても愛してしまうというか。佐倉が「心の底から軽蔑します」と、太宰にかなり強いことを言うセリフがあるんですけど、何よりも結果、才能に惚れてしまったゆえ、好きでいざるを得ないんですよね。ダメなところがあっても何にも勝る才能を目の当たりにすると…という、その気持ちは、すごくわかります。

——佐倉は唯一の映画オリジナルキャラクターなんですよね。

成田: そうです。唯一、実在しない人間だったので、自由にやってよかったことが面白かったです。もともと、太宰の編集者はふたりいたそうで、掛け合わせたキャラクターが佐倉ということで。ふたりとも、太宰の文句をすっごい書いていたそうなんですけど(笑)、「その才能に惚れてしまった自分も嫌い」くらいな感じで。今のご時世、太宰みたいな人がいたら生きていけないと思うけど、ちょっとした危険なにおいがしないと、面白くも何ともないと思っちゃいます。

——危ういところが魅力であったりもする?

成田: そうですね。わかっちゃいるけど…みたいな。そこに足を踏み入れたくなってしまうのは、女性も男性も同じだと思うんです。そこは佐倉としてすごくわかるな、と思いました。
 

『人間失格 太宰治と3人の女たち』場面写真
——太宰を演じる小栗さんから受けた刺激もありましたか?

成田: もちろんです。表現が難しいんですけど、この太宰を演じた小栗さんを近くで見られたことが、本当に財産になりました。役への向き合い方、現場の居方、どれも素晴らしくて。役としてもそうですが役以外、小栗さんからも学ぶことがたくさんありました。

——小栗さんが演じたことによって、作品を通して太宰へのイメージが変わったり、発見したことはありましたか?

成田: イメージというか、写真でしか見たことがなかったんです。知的で、落ち着いた、暗い人かなと思っていましたが、そうではないんだと。本当にスター性のある人なんでしょうね。『人間失格』と言っていますけど、理性が少しないだけで、すごく人間味がある人なんですよね。ちゃんと後悔もするし、自己嫌悪に陥るときもあるけど、感情の赴くまま作品のために動いている人間だったんだと思いました。新解釈の『人間失格』や太宰について、という映画だと思っています。

——映像作品では蜷川監督と初めてご一緒されました。どんなことを感じましたか?

成田: 現場には当然、実花さんは監督としているんですけど、「蜷川実花」なので、強い存在感で華やかになるんです。いつでも明るく笑い声が響き渡るような現場でした。監督自身、すごくかわいらしくて、「大事なシーンなのにドレス着てきちゃった」みたいなことを言う方なんです。そういう雰囲気があると、グッと上がるんですよ。めっちゃ忙しいと思うんですけどタフだし、本当に男の気持ち、女の気持ち、人の気持ちをわかる方で、そんな女性である実花さんだからこそ撮れた太宰と3人の女性の関係は、絶対にあると思います。


星の数ほどいる役者の中で“成田凌”が役をやる意味
 

——本作においても、ほかの作品でも、役を自分のものにするために意識していることはありますか?

成田: 何だろう…。僕は自分から役に行くというか、引き寄せるほうが多いのかなと思います。それがオリジナリティを作っていくというか、いけたらいいな、くらいの気持ちなんです。「らしさ」みたいなものは、まだ自分の中で見つけられてはいない部分なので、見つけていけたらなと思っています。

キャスティングでオファーされている段階や、作品が終わった後にもふと考えちゃうのは「この役、自分じゃなかったら誰なんだろう?」とかですね。星の数ほどいる役者の中からせっかく選んでもらっているので、「本当に自分でできるのか?」と自問自答するときもあったりします。

——オーディションを受けられる事があるんですね。

成田: 去年もオーディションを受けました。オーディションの時点で、「俺だ、俺しかできない!」みたいな気持ちで臨んではいます。横並びで(候補者と)いるとき「絶対勝ち獲ってやる!」くらいの気持ちでずっとやって、受かったりしていました。

——割とメラメラしている。「過去の悔しいオーディション経験がばねに…」みたいな気持ちもありますか?

成田: それが…あまり落ちないんです。いや、覚えていないだけかもしれません(笑)。落ちることもありました。ただ、「よし!」と思って行くオーディションは、落ちないんです。昔は特に、オーディションで受かるたびに、めちゃくちゃ漲っていましたね。やっぱり、受かると、めっちゃくちゃうれしいんですよ!例えば、「監督が“成田君にしてよかったな”と言っていたらしいよ」とか聞くのも、すごいうれしいんです。

——また聞きというのが、ポイント高いですね。

成田: そうなんです。端から聞くとうれしいんです。直接言ってもらえるのも、もちろんありがたいんですけど、「“よかった”と言ってたよ」みたいなことを聞くとすごいうれしい。力になりますね。


成田が今、憧れる人とは…?

——最後に。佐倉は太宰に反発しながらも強い憧れを抱くわけですが、成田さん自身が憧れている人はいますか?

成田: 憧れは父親です。うちの父親は、すごく放っておいてくれるんですけど、見守ってくれているのはわかるんです。父は大工なので、家のものを頼んだらすぐに作ってくれますし、小さい頃、自転車で転んでちょっと血が出ていたら、口からいく!くらいで(笑)、すごく愛情があるんですよ。愛はあるけど放っておいてくれるって、もし自分が父親になったら、そうなりたいけど…絶対に口うるさく言っちゃうと思う(笑)。今の時点で、すでに姪っ子とかにも怒っちゃうから(笑)。

——いつかお父さんになる成田さんが楽しみです。業界内などで憧れの人もいますか?

成田: 「この人のこの部分が好き」と思うことは、すごくあります。近い人で「憧れの人」は、なんか言いたくないというか。むしろ自分は自分、あの人はあの人、で。憧れられるように頑張りたいと思います。
 

『人間失格 太宰治と3人の女たち』は9月13日(金)より全国公開
公式サイト:http://ningenshikkaku-movie.com/

取材・文:赤山恭子
撮影:You Ishii

ヘアメイク:宮本愛(yosine.)、スタイリスト:伊藤省吾(sitor)  
 

AbemaTIMES

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