BTSのリーダーRMから学ぶ“不器用な自分を愛する”ということ

9月12日(木)15時59分 モデルプレス

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【モデルプレス=2019/09/12】9月12日はBTS防弾少年団)のリーダー・RM(25)の誕生日。世界的スターグループを率いる1人の青年のリアルとは。彼が向き合い続ける「LOVE YOURSELF(自分自身を愛する)」の意味とは。

◆BTSのリーダー・RM

世界中を虜にする大スター・BTS。そのリーダーを務めあげるのがRM(本名:キム・ナムジュン)だ。ほとんどの曲の作詞・作曲に参加するグループのブレーンである彼。IQ148を誇り、グループで唯一流ちょうな英語を話すこともできる。昨年は、国連本部でのスピーチも成功させ、一部のファンからは「大統領になって」という発言も飛び出すほど頼もしい存在だ。

しかし一方で、何でもかんでも物をすぐに壊してしまったり、ヨーロッパでパスポートを紛失したり、落ち着きのなさ、不器用さでメンバーを困らせる一面も。また、もともと経験者ではなかったダンスでは、あまり目立たない端のポジションが彼のおなじみの位置だ。

歴史的な成功を収めつつも、BTSのRM、そしてキム・ナムジュンというアイデンティティを見つめ、自身の欠点と向き合い続ける。自分とうまく付き合っていく方法を探ることは、彼のテーマであり、そのままBTSのテーマにもつながるように感じる。

◆少年キム・ナムジュンがBTSのRMになるまで

1994年、ソウル郊外の素朴な街・イルサンに生まれたRM。国連のスピーチでも、彼は自身の幼少期について「ただ平凡な男の子でした。夜空を見上げて思いを巡らせたり、少年らしい夢を見たり」と、イルサンで穏やかに育ったことを明かしている。そして彼は後に、クラスで1、2位は当たり前、全国模試で上位1.3%の成績を誇る秀才となった。小さい頃から勤勉な少年だったのだろう。そんな彼が、髪をモヒカンにし、サングラスをかけ、ゴツいアクセサリーをいくつもつけるようなHIPHOPの申し子となったきっかけは何だったのだろうか。

同スピーチでRMは、1stミニアルバム『O!RUL8,2?』で自身が歌うイントロの「9歳か10歳の時、僕の心臓は止まった」という歌詞を引用した。そして「その頃から他人が自分をどう思っているのかを気にし始め、人々の視線を通して自分自身を見るようになった」「他人が作った型の中に、自分自身を押し込めようとした」と回想した。小学生の頃から、自我の解放と社会適応のギャップに葛藤し、自分を押し殺すことに悩んでいた少年。そんな彼を救ったのは、音楽だった。彼にとって音楽は唯一持っていた“聖域”だったという。

幼馴染の親友の影響で、HIPHOPを聞くようになったというRM。彼は一時期 “詩人”を志していたこともあり、リズムに乗せ、韻を踏み、人生や社会についての主張を吐き出すラップというジャンルに強く惹かれたのだろう。中学生の頃から自ら作詞を始め、ソウルのアンダーグラウンドで活動し始める。

そんな中、企画会社のオーディションを探していたRMを、男性デュオ・アンタッチャブルのSleepy(スリーピー)が見つけ、関係者に紹介したことから現事務所のBig Hitエンターテインメントに所属。当初事務所は、彼を含め、歌って踊るアイドルグループではなくHIPHOPユニットのデビューを準備していた。

だがデビューに向け、グループの形はアイドルに方向転換。辞めていく仲間たちもおり、混乱は多かっただろう。しかしBTSの中心メンバーとして事務所がRMの才能にかける部分も大きく、結局は“アイドルグループのラッパー”というポジションで音楽を続けることとなる。当時ダンスが嫌いだったというRM。もちろん葛藤もあったはずだが、過去のインタビューで彼は「ある意味僕が選んだことですね」と冷静に話している。

◆アイドルかアーティストか…頼もしいリーダーか悩める青年か…RMが向き合う自身の二重性

しかし、アイドルラッパーへのHIPHOP界からの風当たりは予想以上に強かった。デビュー後、RMは世間が自分たちに浴びせる批判を受け止めながら、ある面ではアイドルグループのリーダーとして、ある面ではHIPHOPの世界で生きてきたアーティストとして、またあるいは、20歳そこそこの多感な年齢の青年として、生きていくこととなる。頭がよく論理的に物事を考えられるからこそ、RMが自分の境遇と向き合う上での苦悶は、人一倍大きかったはずだ。デビュー当時、RMがエゴサーチをしては悩んでいたことをメンバーたちも証言している。

彼が2015年3月に発表した自身初のミックステープ(オンラインで無料配信される作品集)『RM』はまさに、彼自身をつかさどる作品だ。歌詞はアイドルラッパーとして生きる彼の“自分らしさとの葛藤”“アンチへの訴え”が主な主題となり、強く棘のある言葉で主張が吐き出されていく。ジャケット写真は彼の顔の半分が、黒く塗りつぶされたもの。彼自身も、これは自分が二重的であることを表したものだと語っている。

同ミックステープ収録の「覚醒」には「アイドルなのかアーティストなのか、そんなの重要じゃないだろ」という歌詞が登場する。昨年発表されたBTSのヒット曲「IDOL」も、「アーティストと呼んだってアイドルと呼んだって、ほかの呼び方だっていい。僕は気にしない」というRMのパートで始まるが、これは彼がBTSとしてデビューしてから、そしてこれからもずっと対面し続ける自問自答なのかもしれない。

◆自分自身と向き合い生まれる葛藤 RMの抱えるものとは

7人とも驚くほど仲の良いBTSだが、RMは普段から美術館に行ったり自然の中を散歩したり、他のメンバーとは少し離れ、自分自身の世界に浸るというストレス解消法を持っている一面がある。楽曲を作る時も外に出かけ、漢江(ハンガン)のほとりや公園で物思いにふけることが多いそうだ。

そうしてできた曲の中で、彼が「この曲ほど自分らしい曲はない」と打ち明けた曲がある。昨年10月に突然発表されたプレイリスト『mono.』の中の「forever rain」だ。この曲で語られるのは、「一日中雨が降ればいい。そうすれば人々が僕を見なくて済むから、傘が悲しさを隠してくれるから…」「僕の疲れた体をどう受け止めてくれるのか。どうか何も聞かないで、そのまま永遠に降ってくれ…」と、ある意味自分自身の闇に寄り添うような内容だ。

この曲が「一番自分らしい」と打ち明けるのがRMなのだ。偉業を成し遂げながらも、一人の普通の青年として人一倍、自分のアイデンティティの葛藤、悩みや短所と向き合ってきたのがRMだ。

なかなかブレイクできず、アンチの声もある中で、聞いてくれる人がどれだけいるか分からない曲たちを作り続けるしかなかったデビュー初期。ダンスの才能を誇るメンバーが揃う中、彼らと一緒に一糸乱れぬパフォーマンスを披露しなければいけない負担もあっただろう。2016年頃から急速に成功の道を辿ったBTSだが、栄光を手にしてからも、RMは自分に対する誇らしさと、自分に対する不安や不満、両方と向き合いつづけている。

2016年のアルバム『WINGS』に収録されたRMのソロ曲「Reflection」は、「I wish I could love myself(自分自身を愛せたらいいのに)」と繰り返される歌詞が印象的だ。その「自分自身を愛する」というフレーズこそ、その後BTSが世界中に伝えるメッセージとなった。

◆BTS・RMが伝える「LOVE YOURSELF」の意義

2017年から始まった、BTSの「LOVE YOURSELF」をテーマにした一連のプロジェクト。このプロジェクトで彼らは、「LOVE YOURSELF」を表題に『起』『承』『転』『結』と4つの作品(映像・アルバム)をリリースし、“自分自身を愛すること”に向き合った。これはファンにとっても、BTSとともに自分を愛することについて考える機会となった。

アルバムリリースに続いて「LOVE YOURSELF」の名前で大規模なワールドツアーを行い、世界中を巡ったBTS。彼らが「LOVE YOURSELF」の一貫で伝えたのは、自分を愛する方法そのものというわけではなく、自分を愛する方法を探しながら、少しずつその方法を見つけながら生きていこう、という呼びかけのように感じる。数ヶ月に渡るのツアーの中で、RMは「LOVE YOURSELF」というテーマと向き合った結果として、様々な言葉を残している。その一つが国連でのスピーチでのこの言葉だ。

『僕はキム・ナムジュン、そしてBTSのRMです。韓国の小さな街で生まれたアイドルであり、アーティストです。僕も他の人々と同じように、人生で沢山の失敗をして来ました。僕には沢山の欠点があって、沢山の恐れもあります。でも僕は出来るだけ強く、自分自身を抱きしめようと思います。そして僕は段々と、少しずつ自分自身を愛し始めています』

どんな人間にも、多様な面がある。自分の置かれた環境に対する葛藤も、自分のことなのに受け入れられられないような短所、失敗も。ワールドスターにでさも、不器用な一面が絶対にある。

自分の中の暗く不格好な部分も認めたうえで、自分を愛すということ。それは、輝かしいステージに立ち続ける一方で、彼がずっと向き合い続けていることであり、未だに難しいと頭を悩ませていることだ。しかしその方法を、悩みながらでも少しずつ、自分なりに見つけていくという姿勢こそ、彼から学ぶことなのかもしれない。(modelpress編集部)

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