2つの「京都芸術大学」訴訟バトル 造形芸術大学長は息巻く

9月13日(金)16時0分 NEWSポストセブン

京都市立芸術大学は1880年に設立された

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 京大といえば京都大学の略だが、では「京芸」といえば? 正解は2つあるようだ。


 秋元康氏が副学長を務める(2007〜2013年)など、1991年の開校以来キャッチーな話題を振りまいてきた私立・京都造形芸術大学がこの7月、来年4月から「京都芸術大学」に改名することを発表。これに対し、公立の名門校「京都市立芸術大学」が待ったをかけ、大阪地方裁判所に名称使用差し止めを求める訴訟を起こしたのだ。


 京都市立芸術大学の広報担当は、柔らかな口調で静かに訴える。


「本学は1880年に設立された日本最古の芸大で、来年140周年を迎えます。もともと『京芸』『京都芸大』とは、本学のことを指す言葉です。それが造形大学さんのほうが名称変更されると混乱を来すことが懸念されます。市役所から連絡があって急なことに戸惑いましたが、事態を重く見て対策を協議し、裁判に訴えることにしました。造形大学さんが使用を止めるといえば協議に応じますが、妥協は全く考えておりません」


 対する京都造形芸術大学は尾池和夫学長(元京都大学総長)が取材に応じ、こう息巻いた。


「30年前に京都造形芸術大学ができたときは造形分野しかなかったが、いまや芸術大学と名乗れるだけの学科を揃えているから名称変更することになった。市立大学のほうはある意味、恐ろしく狭い了見で芸術を見ていて、それに偉いプライドを持っていらっしゃるのでしょう。


 公立の大学と私立大学で同じ名前なんて、日本にいくらでもあります。法的に問題はないと話しても市立大学は訴訟を止めてくれないんです。ここまで来たら、訴訟は受けて立ちますが、向こうは負けたらどうするんですかね」


 両校の学生たちは何を思うのか。キャンパス付近で話を聞くと、


「あまり話題になってないけど、受験生は混乱するかも。京都芸大落ちて、京都芸大受かったとか(笑い)」(市立大学の女子学生)


「より京都ブランドに乗ろうということかな、でも名前だけでなにか変わるものでもないだろうし」(造形大学の男子学生)


 冷めた学生たちを余所に両校のバトルは近々法廷へ。京都において「先の戦争」といえば“応仁の乱”を指すといわれるが、さて“京芸の乱”の勝敗は──。


※週刊ポスト2019年9月20・27日号

NEWSポストセブン

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