公務員の年金 事実上「4階建て」の手厚い仕組みに

9月14日(木)16時0分 NEWSポストセブン

役人は給料だけでなく年金も優遇

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 政府は国と自治体合わせて約330万人いる公務員に「65歳完全定年制」を導入する方針を打ち出した。安倍政権下での役人天国の野放し振りが目につく。公務員の共済年金は「役得年金」と呼ばれる。厚生年金が基礎年金と報酬比例部分の“2階建て”なのに対し、公務員の年金には「職域加算」という3階部分があったからだ。


 その共済年金は2015年に厚生年金と統合され、役得は消滅すると思われていた。しかし、統合にあたって役人の年金積立金を財務省が独自に運用し、「年金払い退職給付」という“新3階”を作ったのだ。経済ジャーナリストの荻原博子氏が指摘する。


「公務員年金は厚生年金に比べて保険料が低く、給付は多かった。しかし、公務員の定数削減の時代にそんな制度が続けられるはずがない。ついに支えきれなくなって厚生年金と一元化した。いわば破綻が見えてきたから民間サラリーマンに尻ぬぐいさせたわけです。それなら蓄えた年金積立金は全額厚生年金に渡すのが筋なのに、積立金の一部を温存して新たな3階部分の役得年金をつくったのです」


 やりたい放題ではないか。それだけではなかった。今年1月の年金改革により、それまで対象外だった専業主婦と公務員が「確定拠出年金(個人型)」に加入できることになった。これは掛け金を自分で負担する個人年金だが、節税効果が非常に高い。


「収入がほとんどない専業主婦が確定拠出年金を掛けても節税のメリットは期待できない。狙いは最初から公務員に門戸を開くことでした。平均年収が高い公務員なら大きな節税ができます。この改正で公務員の年金は3階部分の『年金払い退職給付』の上に『確定拠出年金』を重ねた事実上4階建ての手厚い仕組みになったのです」(荻原氏)


 年金改革で国民が知らない間に役人が焼け太っていたのである。政治家も役人も「一億総活躍」「働き方改革」を掲げ、民間サラリーマンには“年金の財源が足りないから75歳まで元気で働け”とハッパをかける。さらに内閣府の有識者会議は年金の「75歳選択受給」を議論して高齢者の年金受給開始年齢を遅らせる仕組みを作ろうとしている。国民には75歳までせっせと税金を納めさせようというのだ。


 その裏で役人たちは公務員の定年延長で「老後の安心」を確保し、国民が75歳まで働いて納める税金で自分たちの給料アップをはかる準備をしたたかに始めた。国民の社会保障の充実は「財源がない」と突っぱね、年金カットなど損することは「民」にやらせ、定年延長など儲かることはまず「官」から始める。これが「役人天国」ニッポンの姿なのだ。


※週刊ポスト2017年9月22日号

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