奥川、佐々木がもったいない……U-18野球W杯、惨敗の原因は監督の“迷采配”

9月15日(日)5時30分 文春オンライン

 優勝を期してU-18野球W杯に臨んだ日本代表は、5位という惨敗に終わった。


 奥川恭伸(星稜)が18三振を奪ったカナダ戦の7回裏。2対1とリードした攻撃中、飯塚脩人(習志野)がブルペンで投球練習していた佐々木朗希(大船渡)に歩み寄り、こう告げた。


「この回、点数が入ったらオレだって」



韓国戦の初回、佐々木に声をかける永田監督(右) ©共同通信社


 つまり最少失点差のままなら佐々木、点差に余裕が生まれれば飯塚というのが、永田裕治監督の指示だった。幾度もベンチとブルペンを行き来していた令和の怪物は、飯塚の言葉を聞くなり、パイプ椅子に深く腰を下ろした。


「投げるつもりで準備していた。(5対1となったから登板がなかった?)はい、そうだと思います」(佐々木)


 疑問に思ったのは決勝進出に向け、最も重要な韓国戦の先発が予想された佐々木を、その前日にブルペンで待機させる必要があったのか、ということだ。


 100球近い球数を投げた結果、血マメの再発という最悪の事態を招いてしまう。佐々木は韓国戦に先発するも、わずか1回、19球でマウンドを降りた。


 こうした場当たり的な投手起用のみならず、日本の敗因は挙げたらキリがない。


 無死で走者が出れば、ワンパターンに送りバントを試み拙攻を繰り返す。台湾戦では先発が予想できたエース左腕に対し左打者を6人も並べ、5回降雨コールドとはいえヒットはわずか2本、1対3で敗れた。



「まだ1試合残っていますので。残っているんですよね?」


 20名の代表選手に遊撃が専門の選手を6人も集め、1塁と2塁を本職とする選手はゼロ。韓国戦も豪州戦も、日本の失点にはことごとく内野のミスが絡んだ。外野手は2年生の2人。そのうち鵜沼魁斗(東海大相模)は、俊足強打の貴重な右打者ながら、チャンスを満足に与えられなかった。


 選手選考に関する疑問の声は当初から挙がっていたが、監督は「最高の20人を(高野連の技術・振興委員に)選んでいただいた」と、選考への関与を否定するような発言を繰り返していた。


 筆者は豪州に敗れ、3位決定戦進出の可能性が消えた直後、監督に訊ねた。


——代表選手は監督の主導で選んだのではないのか。


「私は選手を選ぶ(技術・振興委員の)ただの一員ですから。私が主導で選ぶならもうちょっと……それは言わんほうがいいでしょう」


 監督の“迷言”の極めつけは、終戦となった豪州戦後のテレビインタビュー。


「まだ1試合残っていますので。残っているんですよね?」


 大会規定を理解していない監督の下で世界一を目指した高校日本代表。佐々木、奥川といった“日本の宝”も持ち腐れとなってしまった。



(柳川 悠二/週刊文春)

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