三代目とDA PUMPの違いは“表情”? 男子ダンスグループのカラーを考える——近田春夫の考えるヒット

9月16日(月)17時0分 文春オンライン

『SCARLET』(三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBE)/『P.A.R.T.Y.〜ユニバース・フェスティバル〜』(DA PUMP)




絵=安斎 肇


 事務所(芸能プロダクション)とは、音楽表現で身を立てようとする者にとって、如何な意味があるのだろうか?


 私は20代に——まだ今ほど絶大な権勢を誇るには至っていなかった頃の——アミューズに机ひとつ置かせてもらい、一時期自身の会社を営んでいたことのあったぐらいが関の山で、いわゆる大手にちゃんとスケジュールを預けた経験もない身ゆえ、業界内部事情にはかなり疎い方だと思うのだが、いずれにせよこの歳までやりたい放題いいたい放題やってきて、どうにか干されもせず潰されたりもせず、生き永らえてこられたのは、ラッキーだったのやもしれぬ。あれっ、ひょっとして実力? おっと、口がすべってしまいましたァ(笑)。失礼失礼。


 さて今週届けられた2枚は、三代目 J SOUL BROTHERSにDA PUMPである。この二組、マーケット的に競合する(どちらもジャニーズ勢に拮抗する、ダンスと歌が売り物の複数男性からなるユニット)関係だが、あっちとこっちといえるほどに新譜の方向性が違っていたのが面白かった。


 ひとことで申すならば「陰と陽」? とかなんとか考えながら双方の動画を観ているうち、気づいたことがあった。



SCARLET/三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBE(エイベックス)GiorgioTuinfortなど、海外の実力あるプロデューサーが参加した。


 そういえば、今回に限らずLDH関連の特典映像は、ふざけて見せても、メンバーが顔を崩したような印象のものは、ゼロではないかも知れないが、あまり覚えがない。


 その点、DA PUMPというかISSAの表情はいつもバラエティに富んでいて、今回などでも、なかなかカジュアルな笑顔を見せてくれている。


 そんなことから思ったのだが、たとえば“殴り込み”じゃないですけど、EXILE一家総出演のイベントみたいなところに、DA PUMPがゲストで乗り込む的な企画があったとしたらどうなんだろう? やっぱ気配が違うってか浮くよねぇ……。舞台を想像したらばちょっと共演を見てみたくなっちゃった。まさに両者、“似て非なる”の極致って感じの眺めになりそうなんで。


 てな訳で話は戻るが、そうしたカラーの違いは、やはり所属事務所のありようと決して無関係ではないだろう。ではそれはどこから来るものなのか。辿っていくと、結局統帥者の存在にぶち当たる。なかでもソロよりはグループの方に、その哲学/イズムは色濃く反映されるのかも知れないが、そのあたりをあれこれ知ったかぶって語るのも、芸能界ウォッチャーにとっては、愉しみどころのひとつになるんじゃないですかね?



P.A.R.T.Y.〜ユニバース・フェスティバル〜/DA PUMP(エイベックス)『U.S.A.』のダンスに続いて、今回は「バイーン」ダンスとか。


 そういった諸々の観点からもなんとか実現して欲しいのが、かつての日劇ウエスタンカーニバルよろしく、ジャニーズ以下色んな事務所の“男子ダンス”のグループが一堂に会す催しだ。たしか女子アイドルの方は、もうそういうのやってるみたいだからさぁ。ここは男子達も是非! ネ。


 ところで音のことなのだが、『SCARLET』の突然鳴り響くEDM風のシンセがやたら刺激的だ。この部分素直にかっこよかったっす!




ちかだはるお/1951年東京都生まれ。ミュージシャン。現在、バンド「活躍中」や、DJのOMBとのユニット「LUNASUN」で活動中。近著に『考えるヒット テーマはジャニーズ』(スモール出版)。近作にソロアルバム『超冗談だから』、ベストアルバム『近田春夫ベスト〜世界で一番いけない男』(ともにビクター)がある。




(近田 春夫/週刊文春 2019年9月5日号)

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