朝ドラのナレーターは“憧れの仕事”「女優冥利に尽きます」風吹ジュン(楡野廉子・語り)【「半分、青い。」インタビュー】

9月19日(水)8時30分 エンタメOVO

楡野廉子役・語りの風吹ジュン

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 鈴愛(永野芽郁)のおばあちゃんとして登場するも、あっけなく天に召されて視聴者を驚かせたが、以降は“語り”として鈴愛たちの人生を見守り続ける廉子さんを演じた風吹ジュン。憧れだったというナレーターを務めた感想や、収録時のエピソード、また、ヒロイン役の永野への思いを語ってくれた。



−廉子さんの本音が時々漏れる、優しくて楽しいナレーションが本作の見どころの一つでもありますが、役としてナレーターを務めることはいかがでしたか。

 普通のナレーターとして詩を朗読するように淡々と伝えたり、空気を盛り上げる補助の役割もあったりしますが、おばあちゃんとして話すときは、生きている廉子さんがベースにあるので、感情が入りやすく、表現の幅が広がりました。秋風羽織(豊川悦司)さんが出てきたときに、廉子さんとしてのベクトルがピッと上がって、直接声を掛けてしまうところは他の作品ではできないですよね。朝ドラの長いスパンの中で遊びの部分は、やりがいがあって楽しかったです。

−オファーを受けた時の率直な感想は?

 滑舌が非常に悪いので、事務所は驚いたでしょうね(笑)。だから、まずは声に出して録って、自分で聴いてみることを自主トレとしてやりました。それから、何を伝えたいかを考えながら練習したのも今までにない努力でした。演じるときのワンシーンの中で、自分がどうあるべきかを考えるイメトレとは違い、状況や空気なども含めたドラマ全体の流れを考えなければいけないことは、女優とは全然違うモードでした。

−ナレーションを吹き込む過程を教えてください。

 まずは台本を読んで仮ナレを入れ、映像ができてからその一部を見て本ナレを入れます。仮ナレの一発で決まればいいですけど、台本を見て自分の自由な解釈で読むのと、役者の動きや、声が付いた映像を見てからでは微妙にニュアンスが変わるんです。それによってこちらの心も動かされて、泣きが入ったり、怒りが入ったり…。役者の力は大きいんだなぁと改めて感じました。

−結構時間がかかるのですね。

 収録は週に1回、2時間ぐらいかかりますけど、疲れるというより、元気を頂いています。演出家が妥協せずにどんどん言ってくださるときは、私の中でもいろんな発見があるのでうれしいです。

−朝ドラ出演は4作目ですが、初体験のナレーターはいかがでしたか。

 とってもいいお仕事で、いい経験になりました。女優冥利(みょうり)に尽きます。すてきな方々のナレーションを聞いて、いずれはそこもクリアしたいと思っていた憧れの仕事だったので光栄です。

中村雅俊さん演じる祖父・仙吉さんも亡くなってからは天の声となって再登場し、“仙吉さんロス”を免れたファンも多いのですが、中村さんの印象は?

 ドラマの中では鈴愛が柱だけど、楡野家の大黒柱は仙吉さん。彼の歌やギターで何度も救われたし、それは、70年代から築き上げてきた中村さん自身の存在感や、画になる格好良さによるものでもあると思います。現場は、中村さんがいらっしゃるかどうかで空気感が違います。ある意味、自己チューですけど、気遣いもあるので、とても居心地がいいです。よくネタがあるなぁと感心するほど、どんなときでもしゃべっていて、私たちは聞くことから始まり、ふられたら話す感じです(笑)。

−永野さんについてはどう思われましたか。

 これまでの映画などを見ていて、自由で色の付いていない女優だと思っていました。でも今回見事に演じられて、鈴愛の色が付きましたが、才能がある方なので、これに終わらず、まだまだ変身を遂げてほしいです。世の中の人は見たいし、作り手も使いたいから、忙しくなっちゃうけど、消耗品にならないで、一つ一つ丁寧に頑張って、いろんな芽郁ちゃんを見せてください。拍手喝采。素晴らしかったです。

−いよいよ終盤を迎え、ラストが気になるのですが…。

 言っておきたいのは、今年の夏の暑さを誰が予想しましたか? それと同じで、このドラマは読めないです。だから安心するな! えっ、こんなことが!?ということが起こります。それは北川(悦吏子)さんが命を削って書いていらっしゃるから。生まれた故郷をベースに、自分をむき出しにして勝負に出ているとはそういうことですよね。だから、まぁ見ていてごらんなさいよ(笑)。

(取材・文/錦怜那)

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