『名探偵ポアロ:ベネチアの亡霊』スタッフらが明かす、監督・主演ケネス・ブラナーの“ポアロ級”のこだわり

2023年9月20日(水)16時0分 シネマカフェ

『名探偵ポアロ:ベネチアの亡霊』 Ⓒ2023 20th Century Studios. All Rights Reserved.

写真を拡大

『名探偵ポアロ:ベネチアの亡霊』で監督と主演を務めているケネス・ブラナーの、本シリーズにおけるこだわりについて、ケネス自身やスタッフが明かしている。

ケネス・ブラナーは、ポアロ役に初挑戦した『オリエント急行殺人事件』で、共演者に「彼はカメラが回った瞬間にポアロに切り替わる」と言われるほどの名演技を魅せてきた。

『ナイル殺人事件』ではケネス自身も「この役は監督の仕事に刺激を与える」と語っていたが、本作では製作陣も「彼の異常なこだわりはまるでポアロ」と、カメラが回っていない時にさえポアロらしさが滲み出ているといい、演じる度にケネスの“ポアロ化”が加速しているようだ。

アガサ・クリスティが作り出した「名探偵ポアロ」は、自身を“世界一有名な探偵”と称するほどの自信家であり、容疑者の感情の機微も見逃さず、数々の難事件を華麗に解決してきた名探偵。推理外でも細やかなところに目が行き届く観察眼で、衣装の乱れにも人一倍敏感、曲がっているものがあればまっすぐに直さずにはいられないという性格の持ち主でもある。

そんなポアロを演じるケネスについて、『オリエント急行殺人事件』で共演したデレコ・ジャコビは「彼は、とてつもない能力を持っていて、監督もやっているのにカメラが回った瞬間にポアロ役に切り替わることができるんだ」と語っていたが、“サー”の称号を持つシェイクスピア俳優として知られるケネスは、アカデミー賞に6度のノミネート歴を誇るその演技力をいかんなく発揮し“世界一の名探偵”を演じ上げた。

2作目の『ナイル殺人事件』では、ケネス自身が「容疑者を尋問する時にポアロは、真実を引き出すために普段とは違う側面を見せるが、監督という仕事もまた役者に合わせて、様々な側面を見せて指示を出すので私との共通点でもあり、この役は仕事にも刺激を与えてくれる」とポアロを演じることが自身の監督業にも影響を与え始めていることを明かしていた。

プロダクション・デザイナーのジョン・ポール・ケリーはケネスについて「本作のストーリーテリングや、この特殊な設定への彼のこだわりが信じられないほど細やかなのです」と語る。さらに「非常に興味深いと思うのは、ポアロというキャラクターもまた同様に、テーブルの上のカトラリーの位置に異常にこだわるように自分の世界を、細部にわたってとことん観察しています」と、ケネスのポアロらしさが製作現場などあらゆる部分に及んでいたと解説。

ケネス自身も「アートワーク、壁の処理、水による影響、ミステリアスなボートハウス、ゴンドラ、仮面、マント、衣装などすべてにおいて、我々は極めて強烈なテイストに合わせて作っていくのを楽しんでいました。まさに“神は細部に宿る”というわけです」と、ベネチアの街を訪れ、細部まで徹底的に観察したと語っている。

美しくも、事件の始まりを予感させる不穏な雰囲気が立ち込める水上都市を見事に映し出し、ケネスの“ポアロ級”のこだわりが詰まった映像美も必見だ。

『名探偵ポアロ:ベネチアの亡霊』は全国にて公開中。

シネマカフェ

「監督」をもっと詳しく

「監督」のニュース

「監督」のニュース

トピックス

x
BIGLOBE
トップへ