『コード・ブルー3』の2大戦犯とされる「ピアノ」と「イワナ」、そんなに酷かった?

9月20日(水)19時40分 messy

フジテレビ『コード・ブルー』公式サイトより

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 9月18日、月9枠連続ドラマ『コード・ブルー‐ドクターヘリ緊急救命‐THE THIRD SEASON』(フジテレビ系)がついに第10話(最終回)の放送を終えた。視聴率は全話平均で14.6%と大ヒット(ビデオリサーチ調べ、関東地区)。低迷続きだった月9ドラマの復活を予感させる見事な成功を収めたと言える。フジとしてはわざわざ人気コンテンツを復活させた甲斐があっただろう。

 一方で、脚本家の変更による登場人物やドラマの雰囲気の激変は賛否を呼んだ。サードシーズンで脚本を担当することになった安達奈緒子氏はこれまでに『リッチマン、プアウーマン』『失恋ショコラティエ』(ともにフジテレビ系)など恋愛劇の脚本で定評を得ており、『コード・ブルー』にも恋愛要素が投入されたことで一部のドラマファンが怒りの声を表明。特に戸田恵梨香演じる緋山と、“イワナ男”こと入院患者の緒方(丸山智己)の恋には「蛇足では」との疑問が多かった。

 緒方は第3話以降、最終話まで登場し続け、最初は緋山が緒方に恋をする、緒方は妻帯者だと発覚するも離婚することが決定、緋山といい感じになるも「やっぱり付き合えない」と緒方が言い出す、しかしやっぱり最終回では付き合う流れに…… と、本筋とは関係の薄いエピソードなのに二転三転もした。また、緋山が指導するフェロー・名取(有岡大貴)が、彼女への恋心をほのめかし三角関係を予感させるシーンも盛り込まれたが、最終的には師弟愛ということで落ち着いたようだった。

 もう一つ、視聴者から「余計では」と指摘が相次いだのは、藍沢(山下智久)のウジウジモードだ。



 脳に腫瘍を抱えた天才ピアニスト天野奏(田鍋梨々花)がクールな脳外科医・藍沢に懐く少女として登場。彼女のピアノにかける想いを理解する藍沢は、後遺症を恐れて手術を避ける彼女に「絶対治す」と約束して手術(ここまでで3話分またいでいる)。しかし後遺症で満足にピアノが弾けなくなった少女は藍沢を恨み、藍沢は最終回までずっと天野を気にかけ、念願のトロント留学を断念しようとまで気に病む。こちらも緊急救命という本筋とズレるエピソードであり、また藍沢の心象が満足に描かれないため、結果的に大したカタルシスもなくふわっと終わってしまった。

 この2つのサブエピソードは最終回で回収されたものの、「結局イワナとピアノはなんだったのか」「イワナとピアノという戦犯」「最後までイワナとピアノの必要性が感じられなかった」と疑問の声は止まず、消化不良を起こした感は否めない。サードシーズンでは、前シーズンからのキャラたちに加え、灰谷(成田凌)や横峯(新木優子)、名取などの新人フェローにもスポットが当てられ、それぞれの活躍シーンを十分に描くには時間的に限りがあった。そのため余計にサブエピソードが邪魔のように感じられた節もある。過剰に詰め込みすぎた印象だ。

 ただ、“医療ドラマ”として『コード・ブルー』を見ていた視聴者にとっては邪魔だったかもしれないサブエピソードも、“人間ドラマ”として見ていた視聴者にとっては楽しめるものだっただろう。藍沢や緋山のように既に医者として技術は完璧に近いキャラを成長させる上で取られた手法が、術後の患者を心配して悩む藍沢と、恋愛に悩む緋山だったのではないだろうか。

 『コード・ブルー』第3シーズンは、新人フェローはもちろん、藍沢、緋山をはじめ、白石(新垣結衣)も藤川(浅利陽介)も橘(椎名桔平)でさえも人間としての成長を見せた。メインキャラを増やした群像劇にも関わらず、よくまとまったと言えるだろう。特に、看護師の冴島(比嘉愛未)には妊娠、流産、藤川の大怪我など全話通して次から次へと困難が襲いかかり、気の毒になるほど感情移入した視聴者は多かったのではないだろうか。冴島が藤川に「危険な任務から離脱すべく、ヘリを下りて欲しい」と要望することに、「冴島さんはそんなこと言わない」と批判殺到もしたが、様々な困難に遭い揺らぐ冴島の普通さ、完璧ではない姿を描いたと考えれば、納得できなくはない。

 最終回後には映画化が発表された。公式Twitterには「脚本家を戻して」とのリプライが多数送られているが、脚本家の一存でストーリーが決定しているわけでもあるまい。映画ではどのような展開が用意されているのか、結局のところ『コード・ブルー』ファンは震えて待つしかないのだ。

(ゼップ)

messy

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