“体当たり”は「当たり前」 柳ゆり菜、グラビアイメージ払拭の覚悟

9月21日(金)10時0分 AbemaTIMES

 9月22日公開の映画『純平、考え直せ』でヒロイン・加奈を演じる、女優・柳ゆり菜の覚悟はすさまじい。ラブシーン、映画『Vフォー・ヴェンデッタ』のナタリー・ポートマンもかすむ地毛断髪場面。女優が一糸まとわぬ姿や大胆な演技でキャラクターを表現しようとすると、すぐに“体当たり”という言葉でくくられてしまうが、柳はその言葉を否定する。「作品に必要な要素ならば女優としてやるのは当たり前のこと。女優冥利に尽きるシーンが沢山あり、“やっときたか!”という気持ち。体当たりという特別な気持ちはありません」と作品への覚悟と意欲を語る。


 直木賞作家・奥田英朗による同名原作を映画化。新宿歌舞伎町のチンピラ・純平(野村周平)に恋したOL・加奈(柳)の3日の激情を描く。地毛断髪、チンピラに恋する蓮っ葉なキャラクター。グラビア出身で天真爛漫イメージの強い柳からは程遠い役どころだが「お話を頂いたのが、これまでの自分自身にフラストレーションがたまっていて、発散できずにどうしていいのかわからず途方に暮れていた時期。脚本を読んだ瞬間、役者を目指して良かったと思えたし、私が今までに演じたいと思っていたものがそこにあった」と運命的な出会いを感じている。

 そもそも柳が芸能界入りしたのは、女優を目指していたから。しかし本人の意志とは別に豊満なボディと童顔がグラビアという需要に応えた。女優として与えられる役も、“天真爛漫な柳ゆり菜”を下敷きにしたものが多かった。やりたいことと求められることの乖離。その狭間で悩んだ時期は長い。「自分の女優としての技術が未熟だったという事もあるけれど、撮影現場では“女優”ではなく“グラビアの子”という見られ方。そこにコンプレックスがありました。だから加奈と出会ったとき、自分の両手には何もないので、怖いものもないという心境でした」と不退転の構えだ。


 日本での女優に対する“脱ぎ”は、恰好の下世話な話題となる。そこばかりが注目され、レッテルとなり、演じた女優のリスクに変わる。ゆえに柳も「ラブシーンがある」と聞かされた時は一抹の不安を覚えたそうだが「脚本を読み終わったら、不安も懸念も消えていました。逆にそういった場面がないと2人の愛が絵空事になると思ったので、特別感も抱きませんでした。作品に必要だから女優として当たり前にやるだけ」と作品に惚れて心境も変化した。


 背中を押したのは、数々の作品で新境地を切り開くハリウッド女優シャーリーズ・セロンの雄姿。「日本は脱ぐとなるとすぐにマイナスに捉えられて、体当たりと言われるけれど、海外では当たり前のこと。役によって太ったり、髪の毛を切ったり、歯をガタガタにしたり、そこまで本物を求めてやろうというのは作る側、演じる側の気持ちのレベルが高いということ。脱ぐことばかりにフォーカスを当てるのはおかしい」と疑問を呈する。

 グラビアイメージをぶっ壊したいというのも、覚悟を決めた理由の一つ。「芸能人生が順調に行っていたらわからなかった悔しさも知っているので、順風満帆に走っている人に比べて私は強い。周りをギャフンと言わせたいという気持ちの表れでもあるし、悔しさと怒りは自分の中にしまい込んで、お芝居で爆発させたつもりです」。思うようにいかなかった時間をバネに変えて前を向く。


 でも過去に後悔もない。グラビアは今にたどり着く上での必要不可欠なピースだったから。「服がないとか布面積が少ないとか、グラビアは最初から何かを失っている状態。何もないからこそ“どこからでもどうぞ!”という度胸がついた。寒い中での水着撮影など過酷なことも多かったので、どんな状況でもどっしりと構えていられる。身一つで飛び込んでいける覚悟を持てたのは、グラビアをやっていたおかげ」と女優の仕事に還元されることも少なくない。


 加奈との出会いで「女優・柳ゆり菜として、やっと呼吸ができた気がする。ここから始まる、ここがスタートだ」と実感している柳は「女優としての信頼を高めていきたい。ポスターに名前が載っていたら観たいと思われるような、芝居に説得力を持たせることのできる女優になりたい。シャーリーズ・セロン?もちろん近づきたい!」と満たされたような笑顔を浮かべた。

テキスト:石井隼人

写真:You Ishii

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