【中日】もう真っ赤には染めさせない 「ナゴヤドーム集客アップ」に必要なこと

9月23日(土)11時0分 文春オンライン

屈辱の真っ赤に染まったナゴヤドーム


 ナゴヤドームが開場してかれこれ今年で20年。遡れば中日ファンとなって中日球場、ナゴヤ球場の時代から通い詰めて45年経ったのだが、これほど屈辱的な思いをしたのは初めてだった。


 9月10日の対広島戦。日本全国からカープファンが大挙集結し、なんと観客席の半分以上が真っ赤に染まり、ドラゴンズファンの聖域である一塁側内野席にも真紅のジャージを着て応援するカープファンが現れ、一触即発の場面に数多く遭遇したものだった。裏を返せば、ドラゴンズファンがチケットを入手しなかったわけである。いくらチーム成績が振るわないとはいえ、敵チームのファンに本拠地を占拠されるっていうのは本当に情けなく、選手たちへすまないことをしてしまった思いが強く残っている。



9月10日、カープファンで真っ赤に染まったナゴヤドーム ©竹内茂喜


#ナゴヤドーム集客アップ大作戦


 大手スポーツ紙のネットニュースでも取り上げられたナゴヤドーム不入り問題。今季もユニホーム配布デー以外は集客に苦しみ、どうすればお客が戻ってくるのだろうと苦悩する営業担当のコメントが記されていた。何故多くの野球ファンがナゴヤドームから足を遠ざけてしまったのか? またどうすれば客足は戻るのか? モノは試しとばかりツイッターで「#ナゴヤドーム集客アップ大作戦」なるハッシュタグで呟いたところ、最寄の交通機関の改善、チケット料金値下げ、ドーム内飲食の抜本的見直し等、ファン感覚からすれば納得するばかりの提案がわんさかと投稿された。


 ツイートを見て、ドラゴンズファンは今まで随分ガマンもし、耐えてきたんだなと実感。でもドラゴンズが好きだから、ドームに来ちゃうのよ! 応援しちゃうのよ! という無言の嘆きも同時に聞こえてきたように感じたものだった。


 私は思う。ドラゴンズファン、球団、そして選手皆が理想とする姿に向かってベクトルを向け合うこと。すなわちドラゴンズ愛をもっての行動が一致すればチームは必ずや強竜軍団へ復活を遂げ、ファンもドームへ足を運ぶはずだと。その手法が問題なのだ。ドームの真下に地下鉄を引っ張る、入場料を半額にする、飲食系を総取替えして名古屋メシを充実させるなんていうのはあくまで理想であって、実現するのはなかなか難しい。真っ白なハンカチにスポイトの中に入っているブルーの液体を一滴一滴垂らし、少しずつ少しずつドラゴンズブルーに染めていく、気が遠くなりそうな話だが、新規ファンを一人増やす、そして縁遠くなったファンを一人戻す、その知恵を働かすべきではないか。



集客のヒントは横浜の街に


 今年の盆休みに横浜へ足を運んだ時、そのヒントは街中に溢れていた。まずJR関内駅に降り立った時、目の前に現れたのはベイスターズ主力の大ポスター。また中華街を散策した時に感心したのは至る所に吊るされた選手バナー。つまりは自治体や公共機関がしっかりスクラムを組んでチームをバックアップしているのだ。


 ドーム周辺ではドラゴンズ色に染まったポスターやバナー掲示はあるものの、残念ながら名古屋の街ではドラゴンズを感じることはなかなか難しい。80年も名古屋の地でプロ野球興行を行ってきた老舗の驕りが客足を遠ざけてしまっているのだろうか。



中華街で吊るされていた筒香嘉智の選手バナー ©竹内茂喜


オリジナルアイディアでファンを取り戻す


 ここ数年、ドラゴンズでも他チームで成功している例をアレンジしながら真似てみるとか実際多くのアイディアを取り入れていることはファンも理解している。ただそこからどれだけステップアップするかに今後の客足の伸びがかかっている気がする。たとえば、ナゴヤドーム前矢田や大曽根といった最寄駅の発車メロディを「燃えよドラゴンズ!」に代えてみる。名古屋の主要部を走る国道19号線や41号線を吉見ロード、浅尾ロードと別名をつける。名古屋テレビ塔をドラゴンズが勝利した夜はブルーに染めるなんて、野球と関係ないちょっとしたところからドラゴンズと街を一体化させてしまうのも面白い。また親会社が新聞社だけに愛知・三重・岐阜に点在する新聞専売店を利用し、地域密着路線でファン拡大作戦を展開! 選手一人一人を市町村の代表として任命。おらが町のヒーローとして身近な存在にするなんて考えただけでも面白いと思うんだけどなぁ。私が住む街にゲレーロが野球大使となってやって来て、子どもたちとキャッチボールしてくれるなんて、考えただけでも夢心地になってしまうぞ。


 選手は持てる力を十二分に発揮して一戦一戦勝利を目指して戦って欲しい。とにかく勝つことがファンサービス。それを一時たりとも忘れずに精進して欲しい。球団は寝ても醒めてもファンが喜ぶことを追求してもらいたい。今以上に色々な方面へ目を配り、耳を傾ける努力を。そしてチームは親会社のモノだけではなく、ファンのモノでもあると行動に表した時、その思いを察してファンは自然と足をナゴヤドームへ向けるはずだ。厳しい言い方になるが、全てのファンは中日ではなくドラゴンズを愛していると思って頂いて結構。それだけ生活に密着し、ドラゴンズが存在しなければ生きていけないという、もう立派な“文化”なのだということを肝に銘じてもらいたい。ドラゴンズファンは世界で一番シビアだが、一番熱烈で温かいってことはご理解頂いていることだと思いますが(笑)。


 そして誓う! もう二度とナゴヤドームを赤に、いやオレンジや黄色や緑、そしてややこしいけどベイブルーには染めさせはしない! 今度はわれらファンが頑張る番だ! 声を嗄らして応援しようではないか。来年こそはシーズン終了までハラハラドキドキする優勝争いが繰り広げられるよう選手たちに期待し、球団関係者の方々にはファンの喜ぶ姿を四六時中追い続けてもらい、選手・球団・ファンが一体となって一年間戦っていこうじゃないか! 気付けばナゴヤドームは連日満員になっているはずだ。ドラゴンズブルーに染まるスタンドを今から楽しみに待っている。


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(竹内 茂喜)

文春オンライン

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