ボイメン辻本達規が語るドラゴンズ愛——他人のために泣けない僕を変えた親友・柳裕也投手

9月23日(月)11時0分 文春オンライン

 文春野球をお読みのみなさま、はじめまして! BOYS AND MENの赤担当、辻本達規です! BOYS AND MENは名古屋を中心に活動しているエンターテイメント集団で、今年1月にはナゴヤドームで単独公演をさせていただきました。


 僕は子どもの頃から野球が大好きすぎて、ナゴヤドーム公演が終わってから草野球を解禁したのですが、今は6つのチームに所属しています。草野球関係の掲示板で参加できそうなチームを探したんですよ。チームの方に「まさかボイメンが来るとは思わなかった」と言われました(笑)。これからもスケジュールが許す限り、絶対に草野球には行きます!



BOYS AND MENの赤担当、辻本達規です! ©カルロス矢吹


 僕は岐阜県出身ですが、祖父も父も熱狂的な巨人ファンでした。僕の「たつのり」という名前は巨人の原辰徳監督からとられたものです。少年の頃は——僕も巨人ファンでした。「川上憲伸、強ぇえなー」と思いながら中継があるドラゴンズ戦を観ていました。


 その後、成長するにつれて自分の野球が忙しくなってプロ野球観戦から遠ざかり、ボイメンの活動が始まってからもなかなか観られなかったのですが、しばらく経った頃から、またプロ野球を観るようになりました。


 僕がドラゴンズファンになったのは、ドラゴンズの選手との交流がきっかけです。選手との交流が僕の心を揺さぶって、ドラゴンズの応援にどんどんのめりこんでいくようになりました。今では心の底からドラゴンズを応援していますし、ドラゴンズが負けるとものすごく落ち込みます。


 最初に交流した現役選手は、柳裕也選手です。番組のロケで会ったのですが、「プロ野球選手なのに、こんな風に接してくれるんだ!」と驚きました。プロ野球選手とメディアの間にあった壁を、柳くんがぶっ壊してくれたんです。


 柳選手はこれまで所属してきた全チームでキャプテンを務めてきたという経歴を持っています。投手としては珍しいムードメーカーなんです。明るくて、気さくで、気も使えて、でも、どこか天真爛漫で。彼のことを嫌いになるような人なんていないだろうな、と思います。高校、大学で投手にキャプテンを任せることはなかなかないのですが、彼に任せたくなるような人間としての魅力があるんです。僕のほうから「友達になりたい」と思ったので、恋愛みたいにこちらからアプローチしました(笑)。今は親友だと思っています。


 初めて食事に行ったとき、プライベートだから野球の話題は避けたほうがいいのかな、と思ったら、「僕、野球少年なんで、野球の話、めっちゃしたいっす」と言われたんです。ごはん食べながらスマホいじってるな、と思ったら中継を見ていたりして。めちゃくちゃ野球好きじゃん! って(笑)。


 今シーズンが始まる頃、「巨人では誰が投げづらい?」と聞いたら、「巨人はヤバいっすよ」と言ってました(笑)。でも、「初球でカーブを投げれば、いけると思うんですよね」とも言っていたんです。「初球でカーブは待っていないじゃないですか」って。


 僕は柳選手の登板は全試合観ていますが、たしかに初球でカーブから入っていくと、強打者ほど見逃してストライクが取れる。「言ったとおりだ!」って。序盤はすごくスムーズに勝ちを重ねていきました。



「俺、柳のことをこんなに想っていたんだ」


 ところが、オールスター明けぐらいから初球のカーブが狙われるようになりました。プロだからデータに基づいて研究されたのでしょうね。初球を痛打されるようになってから、少しずつ苦しくなっていきました。


 6月に番組で対談したときは、リーグトップの9勝していたので、10勝なんて軽く突破すると思っていましたし、僕は「最多勝も行ける!」と思っていたのですが、なかなか勝てない。


 夏場は遠征が多くて、あまり会えなかったのですが、登板のたびにLINEしていました。「今日見てるよ、頑張ってね」って。でも、勝てない。だんだん僕も悩むようになりました。LINEを送ったほうがいいのか、プレッシャーになるから送らないほうがいいのか、そもそも僕のことなんて気にしていないのか……。たった一言を、考えて、考えて、送っていました。


 本人は一生懸命やっている。でも、相手だって死ぬ気でやっているから、その一生懸命が報われない。そのことを思うと苦しくて仕方なかった。だから、9月7日に柳選手が10勝したとき……泣いちゃったんですよね、僕。


 10勝した試合後にベンチでインタビューをさせていただいたのですが、インタビュー中はまだこらえていたんです。でも、柳選手が帰っていくのを見送った後、ベンチの裏で号泣してしまいました。たくさんの人がいる中で、えげつないぐらい泣いてしまって……。「気持ち悪いな、俺」と思いながら、気持ちがあふれてこらえきれませんでした。


 僕、悔しくて泣くことはありますけど、それ以外のことでは泣かないんです。ボイメンのナゴヤドーム公演が成功したときも泣きませんでした。他人に対して「よかったね」と思って泣いたことも一度もありません。自分が中心なので、他人のことでは泣けないんです。チームが勝っても、自分がふがいない結果だったら喜べない。そんな人間でした。


 そんな僕が、柳選手のことでこんなにボロボロ泣いてしまうなんて……。正直、自分でも驚いています。


「俺、柳のことをこんなに想っていたんだ」


 自分で思っていたより、自分の中でドラゴンズと柳選手が占める割合がずっと大きかったんですね。他人を応援することに、こんなに深く入り込んでいたのは生まれて初めてだったかもしれません。僕はこんな人間になれていたんだ、という新たな発見でした。



ドラゴンズには未来しかない



 この前は石川翔選手と偶然会いました。実はメンバーの田村(侑久)と行きつけの店が同じらしいんです。田村は野球にまったく興味がない男なので、野球選手と知らずに仲良くなっていました。僕が休みの日にジャズドリーム長島に買い物に行ったら、田村と翔くんがタピオカを飲んでいて(笑)。そのまま3人で1時間ぐらい話し込みました。


 僕は高校野球が大好きなので、石川翔選手がドラゴンズに入ってきたときはすごく嬉しかったです。今は復帰に向けて頑張っているので「待っているから!」と伝えましたが、翔くんは僕にずっと芸能の話を聞いていました(笑)。本当に少年のようで、明るくて面白い子ですね。


 ただ、ちょっとおバカで心配なんです。「俺、もう投げれると思うから投げたいんスよね!」と言うから「絶対やめたほうがいい」と強めに言っておきました(笑)。僕も肩と肘を壊しているので……。


 僕はもうすぐドラゴンズの黄金期が来ると本気で思っています。最近の試合ぶりを見ていても、手がつけられないほど強いと感じる試合が増えていて、しかも若手選手が活躍していますよね。ずっと期待していた選手と、くすぶっていた選手と、若手選手が一緒に活躍している姿なんて、なかなか見られませんよ。チームが変わっていく瞬間に立ち会うことができて、すごく幸せですね。


 今のドラゴンズには希望しかないし、期待しかないし、未来しかないです。僕はリアルタイムで優勝を経験していないので、ぜひみなさんと一緒に喜びを味わいたいですね!



構成/大山くまお



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(辻本 達規)

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