時代劇役者としての滝沢秀明 「経験と人脈」が今後の武器に

9月23日(日)16時0分 NEWSポストセブン

タッキーのプロデューサーとしての活動に注目が集まる

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タッキー&翼」の解散、そしてタレント活動からの年内引退を発表した滝沢秀明(36才)。今後はプロデュース業に専念するという。これまで俳優として多くの作品に出演してきたタッキーは、NHK大河ドラマ『義経』など時代劇への出演が実は多い。時代劇役者としての活動を振り返るとともに、それが今後のプロデュース業にどう活きてくるのか、時代劇研究家でコラムニストのペリー荻野さんが考察する。


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 滝沢秀明引退については、ジャニーズ事務所の後輩の育成に専念する覚悟だとか、後継者に指名されたとか、いろいろ言われているが、私は正しい選択だったと思う。

 

 時代劇好きとしては、時代劇主演作も多い俳優の引退は正直残念だが、その芸能活動を見てみると、エンタメ作品の製作者には向いていることがわかる。一番の強みは「人脈を呼ぶ男」ということだ。

 

 滝沢は、赤穂浪士の討ち入事件として有名な忠臣蔵をテーマにした1999年のNHK大河ドラマ『元禄繚乱』に吉良義周役で出演している。義周は、吉良上野介(石坂浩二)の養子で吉良家の跡取り。いわば主役の敵方だ。赤穂浪士に討ち入られたときには18歳で、そのシーンでは、赤穂方の最年少メンバー矢頭右衛門七と戦っている。その右衛門七役は、今井翼。このドラマでは「タッキー&翼」が、「タッキーVS翼」になっていたのだ。そしてこのドラマの主人公・大石内蔵助が、今は亡き中村勘三郎(当時は中村勘九郎)。歌舞伎界の超人気者と10代で出会っているのである。


 その後、滝沢は、2005年には、大河ドラマ『義経』に主演している。1年間放送される大河ドラマに主演するということは、NHKの気鋭の演出家、脚本家とも深い縁ができるということである。脚本は金子成人、メイン演出家が黛りんたろう。共演には、義経に仕える武蔵坊弁慶の松平健、源頼朝の中井貴一、平清盛に渡哲也、藤原秀衡に高橋英樹など主役クラスがずらり。さらに義経の師匠のような存在の鞍馬山の修験者・鬼一法眼が美輪明宏! もう怖いものはありません!! こんな面々が当時史上最年少の22歳で主演したタッキーを支えたのである。最強の人脈ができたはずだ。


 舞台公演『滝沢歌舞伎』は、この作品をきっかけに滝沢自らの発案で始まったという。20代前半でプロデュース能力を発揮、多くの先輩、後輩がこの公演に参加している。



 また、これまで源平の戦場面や武勇伝などが中心になることが多かった『義経』で、舞や光の使い方などで独自の美しいシーンを作り出した演出家・黛りんたろうと滝沢は、NHK連続ドラマ『鼠、江戸を疾る』シリーズでもタッグを組む。


 この作品については、このコラムでも取り上げたが、江戸の人気者、義賊の鼠小僧役の滝沢は、ポニーテールで顔の下半分を黒い布で覆い、ほとんど目だけしか見せない怪盗スタイル。わざわざ「隠す」ことで美形ぶりをアピールし、真夜中の屋根の上に月を背景にすらりと立ってみせるのだ。美しく撮りたい監督とそれに応える主役。こうした演出を肌で感じた経験が今後に活かされることは間違いない。そういえば、『鼠』シリーズには、レギュラーでジャニーズJr.の京本大我が出演。Hey!Say!JUMPの高木雄也がゲストになったこともある。


 滝沢はこのシリーズで、傾斜もあり、滑りやすい屋根瓦の上を高速で走る技を会得している。引退後、この高速走り技も後輩に伝授するのか。演技の面での滝沢の「後継者」が早くも気になってくる。そして、ジャニー喜多川氏のようにマスコミに一切顔を出さない方針になるのか、演出家・プロデューサーとしてどんどんメディアに出てくるのか。滝沢の今後の露出方針も気になるところではある。

NEWSポストセブン

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