「ゴリラのように活躍したい」3年目の捕手・谷川原健太の魅力

9月25日(火)11時0分 文春オンライン

 ウホッ! “鷹の新ゴリラ”参上です!


 豊橋中央高校時代、“ゴリラ”の愛称でも親しまれた3年目の谷川原健太捕手が、9月22日にプロ初の1軍昇格を果たしました。特にバッティングが持ち味で、強肩、俊足と三拍子揃った捕手として、将来が楽しみな選手です。


“鷹の新ゴリラ”谷川原健太


 ゴリラの由来は……高校時代、174cm79kgと身体はそれほど大きくないものの、背筋力200kgを計測するパワーがあったり、バント処理の動きが「ケモノのように速い」ことから、豊橋中央高校の萩本コーチが呼び始めたのがキッカケだそうです。今回の1軍昇格の知らせを聞いて、同コーチからはLINEで「ウホッ」と祝砲が届いたと笑っていました。誕生日には母からゴリラのぬいぐるみが届いたこともあったそうです(笑)。



誕生日に母から届いたゴリラのぬいぐるみ


 初めての1軍に緊張しつつもウホウホ、失礼。ウキウキしていた谷川原捕手は「ゴリラみたいに暴れます」と意気込んでいました。


 もともと若手捕手では1歳年上の栗原陵矢捕手が8月10日から1軍に帯同していました。しかし、先の柳田悠岐選手や今宮健太選手のアクシデントもあり、チームは攻撃力アップを目論んで捕手2人制となり、9月19日に栗原選手は登録を抹消されたのです。


 ただ、“絶対に負けられない”戦いが続く中で、20日の日本ハム戦では試合中盤の6回に早くも甲斐捕手に代打を起用するなどギリギリの選手起用も見られました。そこで谷川原選手にチャンスが巡ってきたのです。


 ただ、実は以前から、吉鶴バッテリーコーチは谷川原捕手の1軍昇格を示唆していました。


「1軍でその雰囲気を感じることも大切だけど、2軍で試合に出て実戦経験を積んでいく必要もあるからね」


 先に昇格したのはタイミングの関係で栗原捕手でしたが、その後は交代で谷川原捕手にも1軍の経験を踏ませる考えがあると話していたのです。


「この終盤の1軍の雰囲気の中で少しでも何か感じ取って欲しい」


 今季2軍で1番多くマスクを被ってきた谷川原捕手に、今度は貴重な経験の場を与えました。




負けたくないライバルの存在


 2軍で頑張っていた時期に「いつでも1軍は狙っています」と目をギラつかせていた谷川原捕手。今年はキャンプ終盤でA組に合流し、オープン戦にも出場しながら開幕1軍を逃してしまいました。自分の実力不足を痛感しましたが、2軍で摂津投手や中田投手といったベテラン投手とバッテリーを組む中で日々学び、成長を続けてきたのです。


 その先輩投手たちも谷川原捕手の成長を実感しています。


 中田投手は「タニはちゃんと自分の考えを持ってリードしてるし、毎試合毎試合勉強して進化してるよ」と話していましたし、攝津投手には「この配球はよかったね」と声を掛けてもらったこともあったそうです。


 そして、谷川原捕手が「負けたくない」と強くライバル視しているのは、やっぱり年齢の近い栗原捕手です。


「くりさんに負けたくないんです。くりさんより早い打席数で初ヒット打ってみせます」


 栗原選手は9月6日のロッテ戦で、プロ6打席目で初安打をマークしました。2人は“打てる捕手”として切磋琢磨するチームもファンも熱く期待を寄せる20代前半の若手捕手。他にも彼らに共通するのが“いじられキャラ”なところです。おしゃべりな栗原捕手と、口数はそんなに多くない谷川原捕手とでタイプは違うんですが、共に周りを和ませる能力の持ち主。


 事情通なチームスタッフの証言によると、栗原捕手は盛り上げようと張り切るけど、スベって笑いを呼ぶタイプ。対する谷川原捕手は天然タイプ。谷川原捕手は初昇格の日に試合前の円陣で声出しを任されました。本人はいたって真面目に普通のことを言っているのに、その輪からはなぜか笑いが起きたそうです。彼らがいるだけでベンチの中がパッと明るくなるような気がします。




家族で立てた目標


 また、プロ野球選手として成功する選手たちはどこか強運を持っています。


 1軍に初昇格した当日は、たまたま父・啓将さんが愛知から福岡へ息子の応援に訪れる日だったのです。ただ当初の予定通り、昼間はタマスタ筑後で2軍戦を観戦して(息子さんはいないのに・笑)、夜はヤフオクドームへハシゴ観戦。息子の初の1軍には「今年はもう無理かなと思っていたけど、こんな大事な時期に上げてもらって……」と感慨深そうでした。


「3年以内に1軍に上がろう」


 それが家族で立てた目標だったそうです。3年目の終盤、見事にその目標を果たすことが出来ました。次の目標は「4年目に1軍に定着」すること。


 家族の応援にも力をもらい、この貴重な経験も糧に更なるステップアップを目指します。



 ちなみに“鷹のゴリラ”と言えば、城島健司さん。福岡ダイエーホークス時代、ゴリラをモチーフにした城島選手のグッズもありました。名実ともにチームの顔だった城島さんのように“打てる捕手”を目指して、これからたくさん経験を積んで欲しいです。タニゴリグッズの発売にも期待しています。


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(上杉 あずさ)

文春オンライン

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