優勝は新横綱・照ノ富士か、1敗差の前頭十枚目・妙義龍か。混戦はスッキリするも大関の存在感薄し【相撲こそ我が人生 68歳スー女の9月場所観戦記】

9月26日(日)14時15分 婦人公論.jp

2021年9月12日、東京・両国国技館で開幕した大相撲九月場所は、白鵬照ノ富士両横綱の対決が期待されましたが、宮城野部屋から新型コロナウイルスの感染者が出たため全員休場。新横綱の照ノ富士は無事白星でスタートを切りました。『婦人公論』愛読者で相撲をこよなく愛する「しろぼしマーサ」が今場所もテレビ観戦記を綴ります

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前回「中日を終え、横綱相撲で進む照ノ富士、予想不能の正代、とにかく勝ってほしい貴景勝」はこちら

照ノ富士の独走を確信するも、2敗


大相撲9月場所は、千秋楽を前に新横綱・照ノ富士は2敗、それを34歳、ベテランの前頭十枚目・妙義龍が3敗で追っている。照ノ富士の優勝への独走を確信していたファンは、まさかの2敗ショックから立ちあがり、「優勝してくれ」の念力を土俵に送っていると思う。

14日目、照ノ富士は、いつも以上に顔も真っ赤、体も真っ赤の気合いで、カド番を脱した大関・貴景勝を上手投げの連続で投げ切った。土俵に転がった貴景勝の体で押され、立行司の式守伊之助が土俵から落ちてしまった。すぐに軍配を手に土俵に上がり、何事もなかったかのように勝ち名乗りを上げたのは、さすが立行司だと思った。これぞ「不動心」。

照ノ富士と貴景勝は、これまで勝ったり負けたりで、優勝決定戦もして熱戦を見せていたが、今場所の貴景勝はここまできたのが精一杯の感じである。

照ノ富士の2敗は悔やまれる。9日目に横綱に土をつけた前頭四枚目・大栄翔は、今年の初場所優勝でみせた押しの突進力を披露。12日目に対戦した関脇・明生は照ノ富士に勝ったことがないことが、かえって不気味だった。明生のぶつかり強く、下手投げ早く。

しかし、相手に相撲を取らせて勝負をする「横綱相撲」の照ノ富士が2敗したことで、人間味を感じてしまい、さらに優勝してほしいと願うようになった。

今場所後半は、平幕力士の活躍で混戦となり、13日目に照ノ富士2敗で、前頭六枚目・阿武咲、妙義龍、前頭十一枚目・遠藤が3敗となるまで、照ノ富士を追う力士とその勝敗の予想に頭を使い、頭痛までしてきたが、確実に脳の老化を防ぐのに役立った。

「どっちが大関かわからない」


14日目、テレビを見ながら「あらら」の声を2回発した。3敗で照ノ富士を追っていた二人が敗退して4敗に。まず遠藤が小結・逸ノ城に突き落としで敗れ、次に阿武咲が関脇・明生に立合い叩かれて、一瞬にして負けた。混戦はスッキリしたが、面白さは半減。私は遠藤の初優勝も考えていた。

これで3敗の妙義龍が大関・正代に負け、照ノ富士の優勝だ、とは思えなかった。土俵下の妙義龍は引き締まって集中そのものの顔つき。一方の正代は「不動心」というような大それた顔つきではなく、「平常心」というものでもない普通の顔。

妙義龍は正代の前褌(まえみつ)を取り、土俵を走り一気に寄り切り。解説の陸奥親方(元大関・霧島)が「どっちが大関かわからない」と言っていたが、その発言に納得する相撲だった。

カド番の大関・貴景勝は初日から3連敗し、大関陥落の覚悟を決めたかと思ったら、気持ちも相撲も切り替え、勝つときの顔である怒ったような子供顔が復活し、引かなくなった。12日目に勝ち越した時、おかゆ好きの私は、赤飯の代わりにレトルトパウチの小豆がゆを電子レンジでチンして食べて祝った。

大関は白星二桁が当然と言われ、9勝6敗で終わる大関を「貫禄大関」の皮肉として「九六大関(くんろくおおぜき)」と言うが、二人とも8勝6敗で「九六大関」にもなれないのは悲しい。

照ノ富士は新横綱として土俵入りはあるし、今場所は長い相撲が多くて、疲労がたまり、膝にも負担がかかっていると思う。しかし、強い力士には底力がある。

優勝杯を手にするのは、照ノ富士か1敗の差の妙義龍か。

照ノ富士が優勝すると思い、お祝いのレトルトパウチの小豆がゆを用意した。しかし、妙義龍優勝となったら、何を食べたらいいのだ?
「番付をくつがえすベテラン強し。参りました」と言いながら同じものを食べよう。

※「しろぼしマーサ」誕生のきっかけとなった読者体験手記「初代若乃花に魅せられ相撲ファン歴60年。来世こそ男に生まれ変わって大横綱になりたい」はこちら

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