ヒロシ ひとりキャンプ始めたきっかけは「自由になりたい」

9月26日(土)7時5分 NEWSポストセブン

ソロキャンパーとして人気になったヒロシ

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 芸人として一世を風靡したヒロシ(48才)がいま、登録者数93万人を超える大人気YouTuberとして再ブレークしている。配信内容はひとりでキャンプを楽しむ“ソロキャンプ”。コロナ禍で人に会えないことに不自由を感じたり、孤独を感じたりする人が増えている中、「好きなことをするのに“ひとりはダメ”ってことはない」と語る。そんな“ヒロシ流”の、ひとりを楽しむ極意とは──。


 少年時代からキャンプなどの“冒険”が好きだったヒロシが、お笑い芸人になりたいという思いを募らせたのは学生時代のこと。大学を卒業して就職したが、夢をあきらめ切れず、会社を辞めて福岡で芸人デビューした。


「テレビを見て、“おれの方がおもしろい”なんて思う人生を送りたくなかったんです。人のやることに文句をつけるくらいなら、自分で挑戦しないとカッコ悪い。でもぼくの地元では当時、芸人になるということは、人の道から外れることに近かった。

親にも反対されました。それでも、“芸人やっときゃよかった”と思って死にたくはなかったんです」(ヒロシ・以下同)


 しかし、なかなか芽は出なかった。26才で心機一転し、上京。アルバイトやホスト業で食いつなぎながら、芸人への挑戦をあきらめなかった。そして2003年、『エンタの神様』(日本テレビ系)で、「ヒロシです。」と語った後、自虐的なせりふでオチをつけるおなじみのネタで注目されるようになり、その後2年で大ブレークを果たす。


 お笑い芸人として売れるまでは、少年時代に夢中だったキャンプからも離れていた。


「売れていなかった頃はお金もないし、キャンプはやりませんでした。ネタを作るか、アルバイトをするか、どうしたら売れるのかしか、頭になかったですね」


 30才を過ぎ、念願の売れっ子になったものの、別の苦労が待っていた。


「テレビで売れて、たくさんの人が近寄ってきました。でも、自分はもともと極度の人見知り。芸人仲間に誘われても、集団の中でどう振る舞っていいかわからず、ひとりで所在なく過ごしていました。テレビ局のエレベーターは特に苦痛。著名人と一緒になろうものなら、緊張のあまり何も話せず、気まずい雰囲気を作ってしまうんです」


 そういった事情を知らない人に誤解され、「天狗になっている」などの悪口がささやかれるように……。そのうち、収録の前日は眠れず、テレビ局に近づくと体が震え出すなど、精神的に追い詰められていった。そしてついには、自宅マンションのベランダから飛び降りようとしてしまう。幸い踏みとどまれたが、パニック障害の診断を受けた。


ひとり用のテーブルに出合ったのが転機に


 ブレークしてから、キャンプを再開するも、それすら楽しめなかった。


「芸人として売れて、お金が入ってから、またキャンプをするようになったんです。いい道具を一式そろえて、大人数で出かけるんですが、心から楽しめなかった。子供のときは気が合う友達とだけ遊んでいればよかったけれど、大人になるとそうもいかない。キャンプは“食”と“住”を共にするもの。だから、人間関係が濃密になるんです。当然、合う人、合わない人が出てきて、人づきあいの苦手な自分には苦痛でした」


 疲れた心を癒すためのキャンプでますます疲れるのでは、本末転倒だ。そんなとき、あるアウトドアショップでキャンプ道具を品定めしていたところ、ひとり用の小さなテーブルが目に留まった。


「蛇腹のような構造で、広げると雑誌くらいの大きさになる。そんな小さいテーブルは大人数では使えない。そのとき、“ひとりで行けばいいじゃないか”と気づいたんです」


 幼い頃のキャンプが楽しかったのは、人づきあいに気を回すことなく、好きな火熾しやサバイバル体験に没頭できたから。つまり、そこには自由があったのだ。それが“みんなで一緒のキャンプ”となると、自由はなくなり、円滑な人間関係こそが大切になる。──自由になりたい。それがひとりでキャンプを始める1つのきっかけとなった。


【プロフィール】ひろし/1972年1月23日生まれ。熊本県出身。1995年からお笑い芸人として活動を始め、2004年頃、「ヒロシです。」のネタでブレーク。2015年にYouTubeに「ヒロシちゃんねる」を立ち上げ、ソロキャンプの動画をあげるように。主な著書に『ヒロシのソロキャンプ〜自分で見つけるキャンプの流儀〜』(学研プラス)など。10月6日からBS-TBSで『ヒロシのぼっちキャンプ Season2』が放送開始。


※女性セブン2020年10月8日号

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