“クズ芸人”はなぜウケる? 岡野陽一に山添寛ら、借金まみれの芸人を「憎めない理由」

9月28日(火)17時0分 週刊女性PRIME

(左から)岡野陽一、『相席スタート』山添寛、『空気階段』鈴木もぐら、『ザ・マミィ』酒井貴士(山添以外の写真はそれぞれのTwitterから)

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「“木曜日の人権がいらない”って言って、債権者の方に木曜日を差し出している」

(岡野陽一/'21年3月3日放送、フジテレビ系『ホンマでっか!?TV』にて)

「借金のこと『絆』って呼んでる」

(『相席スタート』・山添寛/'20年12月5日放送、フジテレビ系『さんまのお笑い向上委員会』にて)

「借金とはコツコツ返すものではない 一発当てて返すものである」

(『空気階段』・鈴木もぐら/AbemaTV『しくじり先生 俺みたいになるな!!』にて)

「お金を借りるためなら、僕はクツをなめられるんですけど、岡野さんはクツを食べられる」

(『ザ・マミィ』・酒井貴士/'21年3月3日放送、フジテレビ系『ホンマでっか!?TV』にて)

 “飲む・打つ・買う”——これが芸人としての“華”を生むと考えられていた時代があった。昭和に生まれ、それを見て憧れて芸人の世界に飛び込み、“いいメシ食って、いいトコ住んで、かわいい女性と付き合って……”という理想を掲げて芸を磨いた者たちは少なくなかった。



 しかし、時代は変わって令和。“苦痛を笑いのネタにする番組”がBPO(放送倫理・番組向上機構)において審議入りするなど、これまで笑いを誘ってきた行為、表現、エピソードの披露がしづらくなり、“コンプライアンス”ありきで番組作りが始まるような時代になってきている。それは人として、そして時代として真っ当と言える。

 そんな時代にあって、“旧世代”の芸人を地で行く、そしてそれを武器に現代のバラエティーに乗り込んでいく芸人が今、増えている。

■“クズ芸人”という売り方



 冒頭は、そう呼ばれる代表的な芸人である、岡野陽一、『相席スタート』の山添寛、『空気階段』の鈴木もぐら、『ザ・マミィ』の酒井貴士が番組で残した“名(迷)言”だ。彼らは自身の“クズ”エピソードを悪びれることなく披露し、それで笑いを取っている。

「特に岡野さんや鈴木もぐらが当てはまりますが、芸人さんたちはYou Tubeでの活動が非常に大きくなっています。彼らは賞レースでも一定の人気を獲得してきているものの、知名度や露出がそれほどあったわけではない。そんな彼らが“クズ”として注目を浴びたのが芸人さんたちが近頃、非常に頑張っているYouTubeの世界。

 宮迫博之さんや中田敦彦さんのような、さまざまな理由で事務所を辞め、YouTubeに主戦場を移した芸人さんたちのようなチャンネルではなく、今も事務所に所属している仲のいい先輩芸人のチャンネルに出演し、その“クズ”っぷりをイジられ、それが視聴者に評価されることで徐々に露出が増えていった印象です」(テレビ誌ライター)



 彼らの人気は、YouTubeだけにとどまらず民放番組(ゴールデン)でも取り上げられることが増えている。

『ダウンタウンDX』そこまでするか!ラクして楽しく生きるクズ芸人の処世術!('21年4月29日放送、日本テレビ系)

『さんまのお笑い向上委員会』芸人界の借金王岡野&相席山添がザ・マミィを救済!('21年9月18日放送、フジテレビ系)

カンニング竹山の土曜The NIGHT』#139〜クズ芸人新スターを探せ〜(AbemaTV)



■クズ芸人“ならでは”の強み



 ネット・民放問わず、今彼らクズ芸人にキャスティングが集まっている。それはなぜか。

「単純に彼らが面白いからでしょう。また、自分のことをクズと言っている自虐芸なので、他人を傷つけているわけではない、というのも強みです」

 そう話すのはお笑い評論家のラリー遠田氏。

 クズ芸人ブームの前の“芸人ブーム”は、第7世代ブームがそれに当たる。霜降り明星、EXIT、フワちゃんら今ではテレビで見ない日がないほどの人気芸人たち。彼ら第7世代のブームと現在のクズ芸人ブーム、両者に関連や違いがあるのだろうか。

「第7世代の若手芸人は、どちらかというと真面目で品がある人が多いので、それに対する反動としてクズ芸人が注目されている部分はあるかもしれません」(ラリー氏、以下同)

 昨今の地上波バラエティーはコンプライアンスがキツくなっている状況。その意味で、最近脚光を浴びているクズ芸人が今後、地上波で起用しづらくなることはあるのだろうか。

「彼らは他人の悪口を言っているわけではないので、コンプライアンスに引っかかるようなことはあまりないでしょう」

 今現在、クズ芸人は“自分のクズエピソード”トークで笑いを取る形がほとんど。彼らが今後も活躍し続けるために必要なものとは——

「クズ芸人というのは1つのキャラクターにすぎないので、それで注目されて名前が知られてからは、本来の実力が試されるのだと思います」

 “クズ”を貫き、さらに人気者になるか。はたまたクズを捨てるか——クズの先にあるものは……。

週刊女性PRIME

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