『ひとよ』白石和彌監督、佐藤健の起用に自信「誰よりも“熱いもの”を持っている」

映画『ひとよ』映画サイト連合レビュアー試写会が30日、都内・一ツ橋ホールにて行われ、監督の白石和彌が登壇した。

『凶悪』『孤狼の血』などで知られる白石和彌が監督を務める本作。15年前、ある家族に起こった一夜の事件。それは、母とその子どもたち三兄妹の運命を大きく狂わせた。一家はその晩の出来事に囚われたまま別々の人生を歩み、15年後に再会。葛藤と戸惑いの中で、一度崩壊した絆を取り戻そうともがき続ける。

15年前の事件に縛られ家族と距離をおき、東京でうだつのあがらないフリーライターとして働く稲村家の次男・雄二役の佐藤健をはじめ、鈴木亮平、松岡茉優、田中裕子、佐々木蔵之介、音尾琢真らが出演する。

白石和彌監督、佐藤健の起用に自信「誰よりも熱いものを持っている」

白石監督が“血縁ある家族”のドラマを描いた本作。物語の軸となる次男・雄二を演じた佐藤健の起用について、「一番ツンツンしているんですが、めくってみたら母親のやったことに一番囚われていて、母親のことが一番大好きで、家族のことを一番よく考えていて…そのツンデレな感じが、健くん普段はクールでカッコよく、油断すると美しい顔になってしまう（笑）映画のこと・お芝居のことに誰よりも熱いものを持っていると思っていて、そのキャラクターがどこか雄二とシンクロしてくれないかと期待を込めていました。単純にお仕事してみたかった。このタイミングで佐藤健くんとお仕事ができて本当によかったなと思いますね」と明かした。

また、母親・こはる役の田中裕子について「この企画をやり始めた時から田中裕子さんにお願いしたいというのが第一にあった。結構ラブコールを送りましたね。半年くらいかけて他の仕事を入れずに美しい白い髪を伸ばしてくれたり…その感じがすごい嬉しくて、本当にお願いしてよかったなと思います」と感慨深い様子だった。

「本当の兄弟のよう」佐藤健・鈴木亮平・松岡茉優に“魔法をかけられた”

佐藤健・鈴木亮平・松岡茉優の3兄弟について、MCから「本当に兄弟のように見える。白石監督が魔法をかけたんですか？」と聞かれると、「キャスティングがすごく難しかった。似てるか似てないかで言ったら（外見は）そんなに似てない。最初は不安だったんですが、衣装合わせのときに鈴木亮平くんがムキムキで『兄弟に見えますかね？健と…』と言っていて（笑）」と裏話を明かす。

続けて、「最初に（鈴木・松岡の）あるシーンを撮ったときに、2人の関係性が、松岡茉優ちゃんのアドリブもあって、すごくいい感じの兄弟に思えた。これは佐藤健くんが混ざっても大丈夫だと確信があった。むしろ僕が魔法の粉をかけたわけではなく、3人が魔法の粉を掛け合った感じ。役者ってやっぱりすごいんだなと思いましたね」と太鼓判を押した。

音尾琢真との9度目のタッグに「非常に心強かった」

今回で9度目のタッグとなった音尾琢真について、MCが「今までの白石監督作で一番いい人を演じていた」と評すると、白石監督は「何かを期待されてた方には申し訳ないのですが（笑）」と笑みをこぼす。続けて、「（佐藤健・鈴木亮平・松岡茉優が演じる）兄弟の“いとこ”にあたる役。血縁といえば血縁だが、ガチの家族と言ったらそうではない中間に位置している“いとこ”は、肝心な要になっている位置付け。そこに音尾くんがいてくれたのは非常に心強かった」と信頼関係をのぞかせた。

白石和彌監督、ドSな一面明かす「登場人物の感情が高ぶると笑える」

イベントでは、会場に集まった映画ファンとのティーチインが行われた。白石監督が「ゲラゲラ笑った」というお気に入りのシーンについて聞かれると、白石監督は「登場人物の感情が高ぶると笑えるんですよね（笑）僕がこの映画で一番笑っちゃったのは、佐々木蔵之介さんが息子とタクシーに乗ってて、ハンドルを叩きながら泣いていたシーン。蔵之介さんには申し訳ないのですが、すごい悲しいものを見れば見るほど笑けてきちゃって（笑）ちょっとかわいそうだなぁと思えると笑えてきちゃって」と、白石監督のドSな一面が垣間見られた。

他にも「健くん本当に運転が上手いんですよ（笑）」「ちょっとでもエンターテインメントとして楽しんでいただけるような仕掛けを意識しました」と明かすなど、イベントは大盛り上がりのうちに幕を閉じた。

映画『ひとよ』は11月8日（金）より全国ロードショー

(C)2019「ひとよ」製作委員会

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