高田文夫氏 放送もビールもライブも落語もすべて生が好き

10月2日(金)7時5分 NEWSポストセブン

楽しい日も少しずつ戻ってきた

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 放送作家、タレント、演芸評論家で立川流の「立川藤志楼」として高座にもあがる高田文夫氏が『週刊ポスト』で連載するエッセイ「笑刊ポスト」。今回は、半年ぶりにライブ、鼎談、落語と「生」に触れた日々についてお届けする。


 * * *

“生麦・生米・生放送”。私は放送もビールもすべて生が好き。半年ぶりにゆっくりとだが、ライブやら舞台、そして生の人間に触れる日々だったので、今回は永井荷風の『断腸亭日乗』を気取って私は「談笑亭日常」と参りましょう。


 9月12日。明治座も半年ぶりに1か月公演で8月28日からスタートした氷川きよしの恒例、芝居とコンサートの二本立て公演の中日(なかび)。

客席は勿論半分の制限だが、マスクをしててもおばさま達の期待度は2倍3倍。氷川きよしと座付き司会者の西寄ひがしとのトークコーナーで、目一杯、私がいじられるという羞恥プレイ。舞台終わって留守電をきくと、すでに氷川からお礼の電話が録音されていた。出演者、スタッフの1か月の無事を祈るだけ。


 9月14日。松之丞改め神田伯山。今年のはじめの真打昇進の直前、新聞に割と辛口でバッサリ斬った演芸・演劇評論家、長老の矢野誠一(85歳)に直接電話をして「僕のどこがいけないんですか」怒鳴り込んだ伯山、若さというヤツだ。相手はなんせあの“やなぎ句会”で永六輔小沢昭一桂米朝らと俳句を楽しんできたお人だ。


 気付けば皆死んじゃって、話相手は人間国宝の柳家小三治師のみ。私は伯山に「こういう大衆芸能は、古い人に直接話をきいとくのが一番の財産だぞ」と諭し、私があいだに入って手打ちを兼ねて鼎談。詳しくは伯山連載の雑誌とユーチューブでという事だが、若武者に胸を貸す古武士の趣きでなかなかのものでした。


 きけば伯山の師匠松鯉、その師である山陽と矢野氏はなかなかの確執があったようで、三代にわたるDNAとのあれこれという事が私なりに判明。納得。なんでも話はきいとくもんだ。矢野氏曰く「伯山は若い頃の談志クンに似てるネ」。リアクションに困る伯山であった。


 9月16日。「柳亭市馬の会」国立劇場の大劇場へ。いつもは歌舞伎をやっている所。毎年暮れに大井町のでっかいホールでフルバンドをバックにして市馬(落語協会会長)が歌謡ショーを開催、目をこらすと“おぼん・こぼん”のおぼんがトロンボーンに入っていたり、正蔵がペットを吹いていたりと御愛嬌。「20年はいよいよ国立の大です」と言っていたのが“密NG”で歌は無し。


 裏の国立演芸場で同時刻、志らくが会をやってると聞き、客で来ている野末陳平(88歳)を連れて「近くで呑んで待っとけ」と発注し合流。突然現れた私に陳平翁びっくり大歓喜。こちらも談志から私、そして志らくと三代である。


 9月20日。コロナから爆笑問題田中、生放送復帰。よかった。


■イラスト/佐野文二郎


※週刊ポスト2020年10月9日号

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