【インタビュー】「連続ドラマW ソロモンの偽証」上白石萌歌「 “演じる”よりも“生きる”という感覚でお芝居ができました」連続ドラマ初主演で見せた入魂の演技!

10月3日(日)22時3分 エンタメOVO

上白石萌歌(スタイリスト:道端亜未/ヘアメーク:冨永朋子(アルール))

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 宮部みゆきのベストセラー小説を原作にしたWOWOW開局30周年記念『連続ドラマW 宮部みゆき「ソロモンの偽証」』(全8話)が、10月3日夜10時から放送・配信が開始された(第1話無料放送)。本作は、高校生の遺体が学校内で発見された事件をめぐり、自殺か他殺か、マスコミや世間を巻き込む騒動に発展する中、真相究明のため、生徒たちが前代未聞の学校内裁判に挑むミステリー。主人公・藤野涼子役で連続ドラマ初主演を果たした上白石萌歌に、入魂の演技の舞台裏を聞いた。



−連続ドラマ初主演だそうですが、番組公式サイトに掲載されたコメントで、「彼⼥⾃⾝をどうにか救ってあげたいという⼀心で藤野涼⼦を⽣きようとしました」と語っている通り、力強いお芝居に圧倒されました。この言葉に込めた思いを聞かせてください。

 映画版(2015年公開・二部作)を見た時、私も藤野涼子ちゃんと同じ中学生(今回は高校生に変更)だったので、一番気持ちを持っていかれた役だったんです。だから、このお話を頂いたときは、運命みたいなものを感じました。誰よりも正義感が強く聡明な涼子ちゃんがこの物語に存在しなかったら、何も動かなかったし、何も解決しなかったはずです。ただ、責任感が強過ぎるが故に、自分で自分の首を絞めているところがある。そう思ったので、そんな涼子ちゃんを「救ってあげたい」、「助けてあげたい」という気持ちで演じました。

−そうすると、役とご自身の距離感はどんな感じだったのでしょうか。

 私も涼子ちゃんのように、1人で責任を抱え込みやすく、役を演じるときも必要以上に自分を追いつめてしまうことがよくあります。だから、彼女の気持ちがよく分かるなと思いながら撮影していました。自分と似ているからこそ、「救ってあげたい」という気持ちが生まれたのかもしれません。本当に一体となって、“演じる”というよりも、“生きる”という感覚でお芝居ができたと思っています。

−責任を抱え込む涼子は、悩みを人に相談できるタイプではなさそうですが、上白石さんにも似たところがあるのでしょうか。

 そうですね。やっぱり深刻な悩みは人に話しづらいので、私は日記に書いて整理するようにしています。書くことで分かることもたくさんあるので、かれこれ8年ぐらい続けています。だから、きっと涼子ちゃんも日記は書いているだろうな、と思って(笑)。

−日記にはどんなことを?

 主に、仕事でうれしかったことや忘れたくないこと、出会った人の名前などを書いていますが、愚痴みたいなことも書きます。残ると困るので、死ぬ前に全部燃やそうと思っています(笑)。ただ、有り難いことにお芝居って、どんな感情も燃料にできるんです。だから、なるべくいろんな気持ちを経験した方がいいなと思って。例えば、すごく落ち込むことがあったとき、「これをいつか燃料にするんだ」という気持ちで書き留めることもあるかもしれませんし。

−そうすると今回、過去の日記が役立ったことも?

 役に立ちました。高校生の頃はやっぱり多感で繊細で、ずっともやもやしていましたし、クラスメイトのちょっとした言葉を自分の中で広げ過ぎてしまったこともあります。すごく不器用に生きていたことを、日記を読んで思い出しました。だから、今回、改めて高校生を演じる上で、とても役に立ちました。

−涼子は家族に支えられて裁判に挑みますが、上白石さんにとって家族の存在とは?

 私も、家族にはすごく支えてもらっています。姉(上白石萌音)は一番仲のいい友だちですし、私のことを一番理解してくれる存在です。そういう家族の愛情は、涼子ちゃんともリンクする部分があったので、家族の言葉って染みわたるものだな…と、演じながら改めて思いました。

−上白石さんと涼子に重なる部分があることがよく分かりました。そんな涼子が、クラスメイトに「私たちで裁判をやりませんか」と訴える場面は、「警察も学校もマスコミもみんな、自分たちの立場でしか調べない」という言葉も含めて、若者らしい真っすぐさが現れた素晴らしいシーンでした。

 あのシーンは、自分でも大事な山場だと思っていました。せりふの量も膨大でしたし、人前で「私はこう思うけど、どうかな?」と主張するのは、お芝居であっても勇気がいることなので、すごく緊張しました。でも、作品のテーマが凝縮された場面でもあったので、その言葉を大切に、生徒一人一人の目をしっかり見ながらお芝居することを心掛けました。

−中盤からは裁判が中心になり、緊迫感のあるシーンが続きます。検事役を務める涼子は、難しいせりふが多く、お芝居も大変だったのでは?

 裁判シーンはずっと緊迫した空気が続いていました。地方の学校を借りて撮影し、3週間ぐらいキャストやスタッフの皆さんと一緒にいたので、団結力も生まれましたし、皆で現場を作るんだ、という意気込みで撮影していました。その分、毎日撮影から帰ると、電源が切れるようにバタッっと倒れこんでしまうほどで…。寝ている間も、みんなでもめる夢など、悪夢や暗い夢ばかり見ていましたし…。

−やはり大変な撮影だったのですね。

 ただ、その反動のように、現場の雰囲気はすごく明るくて、キャストはみんな仲がよかったんです。和気あいあいとして、本当の学校のような空間が広がっていて、今でも頻繁に連絡を取るぐらい、すてきな同志に出会えました。浮所(飛貴/野田健一役)くんや坂東(龍汰/大出俊次役)くんはムードメーカーでしたし、他の生徒とは別格の空気をまとっていらっしゃる宮沢(氷魚)さんも神原役にぴったりで…。そういう素晴らしい人たちといい作品を作りたい、苦しむほどいいものになる、と思っていましたが、仕上がった作品にその苦しさがきちんと反映されていたので、よかったなと。この現場を走り切ることができたのも、皆のおかげです。

−重いテーマの作品ですが、涼子の真っすぐさに心打たれ、最後はとても清々しい気持ちになりました。そんなふうに幅広い視聴者にアピールする一方で、上白石さんと同世代の若い人たちに向けたメッセージも、この作品には込められているように思えます。この作品を通じて、同世代の人たちに伝えたい思いはありますか。

 「大人に負けるな!」でしょうか(笑)。劇中には、事件を取材する記者の茂木(悦男/橋本じゅん)さんを始め、大人と対峙(たいじ)する場面が多いんですよね。世の中には、大人の言うことがすべて正しいと思い込まされたり、知らないうちに搾取されていたりすることが、きっとたくさんあると思うんです。そういうことに対して疑問を持ち、戦ったのが涼子ちゃんです。そういう「疑問を持つことの大切さ」を、皆さんに伝えられたらと思っています。

(取材・文・写真/井上健一)

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