長嶋茂雄の生家が廃墟化で近隣から苦情 不法投棄被害も

10月5日(水)16時0分 NEWSポストセブン

長嶋茂雄氏が高校卒業まで過ごした生家

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 縄文時代の遺跡群に、上人塚古墳、本佐倉城跡等、数多の指定文化財を擁する関東きっての古都──千葉県佐倉市は、歴史情緒溢れる町として発展してきた。だが、往年のプロ野球ファンにとっては、別の意味で馴染み深い地である。


 市内北部、京成電鉄臼井駅の北口に降りると、大きな看板が目に飛び込んでくる。《ようこそ、印旛沼湖畔のまち 長嶋茂雄さんのふるさと佐倉市臼井へ》。ミスタージャイアンツこと長嶋茂雄(80才)は、同市臼井町で生まれ育った。


 彼は市民の誇りであり、長嶋の通った佐倉高校には偉業を讃えるパネルがズラリと並ぶ。市内の岩名野球場は2013年7月、「長嶋茂雄記念岩名球場」に改名された。


 長嶋ファンにとって長く“聖地”とされてきた同市だが、長嶋の生家を知る地元住民の表情は暗い。「悪いこと言わん。彼の生家は見に行かない方がいい」──。国民的スター生誕の地が今、揺れている。


 京成臼井駅から徒歩10分、閑静な住宅地にひときわ目立つ一戸建てがある。600平方メートルを超える広大な敷地内には足の踏み場もないほどの雑草が生い茂り、樹木は伸び放題。欝蒼とした蔦が幾重にも絡みついた家屋はすでに腐りかけており、裏庭は異様な湿気が漂っている。


 ここが、長嶋が高校卒業まで過ごし、バットを振った生家である。近隣住民が眉をひそめる。


「長嶋さんのご両親が亡くなった後、長男(茂雄の兄)が住んでいたんですが、彼も5年前に亡くなってね。以降は空き家になってしまったんです。息子さんが相続したんですが、ここには住んでいません。誰も手入れせず放置された結果、この有様です」


 家屋の蔦は隣宅のコンクリート塀にまで絡みつき、伸びきって曲がった樹木は、隣宅の敷地内に侵入している。


「雑草の繁殖があまりにひどくて、近所住民が休日にボランティアで草抜きをしているんです。目の前の道路は小学校の通学路なんですが、放っておくとススキが道路まで浸食してきて、子供たちが通れなくなっちゃうから。家屋内には大量のネズミがいるし、水場にボウフラが湧くので夏場は蚊だらけ。あっ、庭の中は気をつけてください! 蛇がうじゃうじゃいますので」(別の近隣住民)


 国民栄誉賞を受賞した人物の生家だとはにわかには信じられぬ光景である。廃墟と化した生家では最近、別の問題も出てきている。


「ゴミの不法投棄がよくあって。敷地内に家電が捨てられたり。このあいだはテレビが捨てられていたから、わざわざ正規の場所に捨て直しました」(前出・別の近隣住民)


 これまで、地域の人々の胸には共通してひとつの“負い目”があり、だからこそ大事にできなかった。


「駅前の看板を見てもわかるでしょう。私ら長嶋さんの故郷ってことで散々町おこしをしてきました。記念館作って、球場も作った。今更文句言うのはどうなんだろう…。そんな気持ちがあったんです」


 地元住民の1人がポツリと話すように、彼らは「長嶋茂雄」という名前に、恩恵を受けてきた。だが、住民の感謝の念を塗りつぶすほど、廃墟の弊害は今やのっぴきならない所まできている。


「クレームを入れようにも、住人がいないんですから。万一、火事が起きたり、倒壊したら隣近所は大惨事になります。子供たちにも実害が出ている。本音を言えば、茂雄さんがどうにかしてくれるのがいちばんなんですが、今まで放置されている時点で望み薄でしょう。私たちはもう限界です。今は行政代執行による強制解体ができると聞いて、残された道はそれしかないと、みなで話し合っているんです。あの家は、一日も早く更地にした方がいい」(前出・別の近隣住民)


 町内会の会長も本誌・女性セブンの取材にこう証言する。


「実は、長男の生前から草木の弊害は出始めていて、町内会から手入れするよう申し入れたことがあったんです。でも、門前払い。手紙を入れたら今度はポストをガムテープでふさがれました。誰も住まなくなったら一層手がつけられなくなり、この状況です。住民一同、本当に迷惑しております。近く町内会で意見をまとめ、強制解体も含めて解決してもらうよう、市役所に直訴する予定です」


 女性セブンは10月初旬の週末、長嶋の生家を所有する親族男性のA氏を訪れた。現在、高校で教員を務めるA氏だが、この日対応したのは妻だった。


──佐倉市の長嶋茂雄さんの生家について、Aさんにお話を伺いたいのですが

「えーと、主人に繋ぐことはできません。無理です」


──現在の所有者はAさんですよね

「そうですけど、何もお答えすることはありません」


──手入れが一切されず、近隣住民が困り果てています

「そういうの、よくわからないんで」


──今後、Aさんではなく、他の長嶋さんの親族が生家を見ることはないのですか

「特にそういうことはないでしょうね」


──このままだと強制解体もありうる状況です

「…。すみませんけど、もう失礼します」


 それだけ話すと自宅に戻っていった。


※女性セブン2016年10月20日号

NEWSポストセブン

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