「皇室の牧場」職員に不祥事 猟銃所持、飲酒運転、パワハラ

10月12日(木)11時0分 NEWSポストセブン

「皇室の牧場」職員に不祥事が発覚

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 栃木県宇都宮市から北東へ約13km。高根沢町と芳賀町にまたがって、総面積約252ha、東京ドーム約54個分という広大な敷地がある。見渡す限り牧草が広がり、鬱蒼とした木立が点在するこの場所は『御料(ごりょう)牧場』と呼ばれ、皇族方の食卓にのぼる食材の生産が行われている。


「その名の通り『皇室の牧場』です。鶏肉や卵をはじめ、ソーセージなど豚肉の加工品のほか、バターやヨーグルトなどの乳製品の生産を行っています。また、トマト、レタス、大根など24種の野菜も栽培され、週2、3回皇居へと直送されています」(皇室記者)


 乳牛はホルスタイン種とジャージー種。鶏は卵用種と肉用種で、珍しいところでは日本キジも生産されている。


「職員の数はおよそ70人。そのすべてが宮内庁に雇われた国家公務員です。皇族方の口に入るのはもちろんのこと、宮中晩餐会で供される食材でもあるため、安全性・品質ともに抜群。化学肥料や農薬などを極力使わず、口蹄疫や鳥インフルエンザといった伝染病などにも細心の注意が払われています」(宮内庁関係者)


 御料牧場で生産された食材は、天皇皇后両陛下と皇太子ご一家の食事を担当する宮内庁大膳課に納入され、調理される。秋篠宮家をはじめ他の皇族方は余剰品を購入されることで利用することができる。


 通常は一般人の手元に届くことはないが、2011年の東日本大震災のときには両陛下のご意向で近隣の避難所に届けられた。また、皇居内にある宮内庁の地下食堂では、御料牧場で生産された牛乳が瓶入りで販売されている。


 御料牧場では乗用馬や輓用馬(ばんようば、馬車を引く馬)の飼育もされており、2004年に療養生活に入られた直後の雅子さまが、「治療の一環」として乗馬を取り入れられた際に相棒を務めた白馬「空勇(そらいさむ)」も、その地で育てられた。


 牧場の歴史は明治時代にまで遡る。大久保利通の命により、1875年に綿羊の生産を目的とした下総牧羊場と、家畜改良のための取香種畜場が千葉県成田市に作られた。その後2つは合併し、「下総御料牧場」と改称。1969年、成田空港が建設された時、現在の場所に移転した。


 皇族方が足を運ばれることも頻繁にある。両陛下は昨年6月に2泊3日滞在。2007年には、愛子さまが御料牧場で生まれた子豚をいたく気に入られ、5月、8月、11月と、1年に3度訪れられたこともあった。


 さらにこの秋には、10月19、20日の2日間、初めて一般に公開されることになっている。


「政府の“明日の日本を支える観光ビジョン”の施策の一環です。昨年、地元住民などに一足早く限定公開され、今年は一般公開に踏み切りました。募集人数約160人を大幅に超える応募があったそうです」(前出・皇室記者)


 ところが、そんな“神聖”な御料牧場に近頃、不穏な空気が流れている。


◆パワハラ発覚も宮内庁に報告せず


 10月3日、御料牧場の50代の畜産課長が、必要な許可を得ないまま散弾銃2丁と空気銃1丁を所持していた銃刀法違反容疑で逮捕された。近隣住民が語る。


「動物の体調管理などを中心に、獣医のような仕事をしていると聞きました。真面目で大人しそうなかたでしたよ。山歩きが趣味で、きのこやたらの芽を採ってきてお裾分けしてもらったこともありました。3、4年前かな、離婚して奥さんがお子さん2人を連れて出て行ってしまったんです。なんでも、DVのようなトラブルがあったとかで」


 職員の逮捕に、陛下はもちろんのこと美智子さまも痛嘆だろう。だが遡る4か月前の今年6月にも、御料牧場全体を揺るがす事態が起きていた。


《御料牧場で上司が部下に暴力》


 畜産課に所属する40代の男性職員2人が業務中、部下に殴る蹴るなどの暴力を振るっていたことを地元紙が報じた。作業道具の木製棒などでたたくといったもので、少なくとも2016年頃から日常的に行われていたことが内部告発でわかったという。御料牧場側は「行きすぎた行為」として口頭で注意したものの「指導の一環だった」として処分は行わず、宮内庁への報告もしていなかった。


 しかし、これで幕引きとはならなかった。報道を受け宮内庁が調査を行ったところ、暴力行為以外にもあってはならないことが発覚したのだ。


「暴行を働いたうちの1人が、自宅で缶チューハイを飲んだ4時間後に車で出勤していたことが明らかになったのです。明らかな飲酒運転に、暴力の一件も改めて問題視され、2人にはそれぞれ減給と戒告の懲戒処分が下りました。その後、パワハラをした人間は同じ部署に留まり、一方で暴力を受けた人は牧場内のほかの部署に異動しました」(前出・宮内庁関係者)


 かつて御料牧場に勤務していた80代の女性は嘆きの感情を隠さない。


「皇室に関係する尊い場所ですから、陛下のために、お国のためにという気持ちも持って勤めておりました。当時の職員はみな、品行方正を大切にしていました。昔は厳しかったですが、今はね…」


 皇室ジャーナリストが言う。


「御料牧場は宮内庁の施設ではあるのですが、東京の本庁とは物理的にも心理的にも遠い存在です。牧場長は農水省から宮内庁への出向で、次長も本庁からの派遣が慣例ですが、言ってしまえば定年を待つ間の“あがりポスト”。その他の職員は原則現地で採用されているため、例えば皇居や赤坂御用地を担当する部署へ異動することもありません」


撮影/雑誌協会代表取材


※女性セブン2017年10月26日号

NEWSポストセブン

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