『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち』第三章「純愛篇」上映直前! シリーズ構成・福井晴敏さん×森雪役・桑島法子さんインタビュー

10月13日(金)13時0分 アニメイトタイムズ

2017年10月14日より、『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち』第三章「純愛篇」が新宿ピカデリーほかにて劇場上映開始となります!

アニメ『宇宙戦艦ヤマト』のリメイク作品『宇宙戦艦ヤマト2199』の続編であり、劇場用映画『さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち』およびTVアニメ『宇宙戦艦ヤマト2』のリメイク作品ということで、旧来のヤマトファンと『2199』からの新規ファンの両方より熱い注目を浴びる本作。

『さらば』の名シーンがふんだんに登場した第一章、第二章に対し、第三章からはいよいよ“未知の航海”が始まります。

そこで今回はシリーズ構成の福井晴敏さんと森雪役の桑島法子さんに、作品の見どころや森雪への想い、さらには数々の伏線についても直撃してみました!

劇場上映前はもちろん、ぜひ劇場でご覧になられた後、もう一度このインタビューを読み返してみてください。きっと「なるほど、そういうことか!」と新たな発見があることでしょう。こうとしかできなかったけれど、どうでしょうか?
──まずは第三章の見どころを教えてください。

福井:福井晴敏さん(以下、福井):今までは『2199』の続編であり、かつ『さらば』なのか『ヤマト2』なのかという3つの岩礁がある中をどう航海していくかという感じだったんですけど、ある意味コースが決まっていた部分もあるんです。

そこを経た上で、今回はどこに向かうのかという目的地が片鱗なりとも初めて示される章になりますから、そこを楽しみにしていただけたらと思います。


──仕上がりの手応えはいかがですか?

福井:いつもなら手応えがあるんです。でも今回みたいな芝居に頼った作り方の場合、『機動戦士ガンダムUC』のepisode 6と7の時もそうだったんですけど、わからないんですよ。

プラン通りには間違いなくできたけれど、「これで良かったのだろうか?」というのは、上映して、いろんな声が聞こえてきて、徐々にわかってくるみたいなところがあるんです。

今、言えるとしたら「こうとしか出来なかったけれど、どうでしょうか?」ということしかないですね。


──旧来のヤマトファンへの見どころとしては、宇宙ホタルのエピソードが出てきますね?

福井:今後もオリジナルシリーズの印象的なシーンを取り入れて行こうと思っていますが、その意味では宇宙ホタルは『宇宙戦艦ヤマト2』からのエントリー第一弾みたいな感じです。二弾、三弾もこの先用意していますよ。──続いて桑島さん、第三章を観ての感想はいかがでしたか?

桑島法子さん(以下、桑島):演じている時は、台本とまだ出来上がっていない画面の中で必死に演じている感じなので、出来上がったものを観ると「あ、こんな風になるんだ!」という驚きが毎回あるんです。

また第何章という形にまとめられたものを観るのって、私たちも劇場上映の直前くらいになるので、「第三章ってこういう話なんだ!」ってそこで初めてわかるみたいなところもあるんですよ。

第三章はまず最初に「純愛篇」というタイトルが出た時にびっくりして、「え、そんな話だったっけ!? どこがどうして純愛篇なんだ!?」と戸惑いました。

観ていく中で、「そうか、古代と雪の“あの第九話”が含まれているのが第三章なんだ」と改めてわかった感じです。

ただ、上映が近づいてこのように取材を受け始めて、福井さんのお話を横で聞いたりしていると、「純愛って怖いな」と(笑)。

美しいだけではないなっていうところが徐々に胸に迫ってきている感じがあります。

もっとも雪としては、やっとお披露目というか、ようやく姿を現すことができるので、待ち望んでいた章ではあります。お待たせしましたという想いもちょっとあります。意外と潜伏期間が長かったなと。

福井:あははっ!

桑島:試行錯誤しながら録っているものが出来上がってくると、本当に「すごい作品に出てるんだな」と毎回新鮮な感動をいただいているので、同じ想いをお客様とも共有できたらなと思います。


──愛にも様々な形がある中、雪は純愛担当かなと思うのですが、すごく熱い愛情の形も今回見せていますね?

桑島:はい。やっぱり女性のみなさんが“あのシーン”を観てどう思われるのかなっていうのは気になりますし、楽しみです。

あのシーンは雪だけでなく、古代君あっての2人のシーンなんですけど、カップルの方やご夫婦の方にもぜひ観ていただきたいですね。現時点ではわからないように作っています
──その“あのシーン”を観て、『2202』のラストは『さらば』ではなく『ヤマト2』に流れるのではないかと思ったんです。

福井:なるほど。

桑島:凄い推理!


──また毎回さりげなく重要な働きをしているクラウス・キーマンですが、そのキーマンについて、大きなヒントになるシーンがありますよね?

福井:ありますね。


──それと桂木透子という、非常に謎めいた女性が出てきます。しかも声がサーベラーと同じという。

福井:顔も同じですね。


──ということは、精神的につながりのある何かとも考えられます。加えて、ズォーダーがそれにまつわる意味深なひと言を発していますが、あれがわからないんですよ。

福井:ですよね。現時点ではわからないように作ってますからね。


──第一章、第二章と比べて、第三章は伏線を張りまくっているので、観ていてもどかしさを感じませんでしたか?

桑島:その辺のキーマンとか桂木さんのことは、私たちにも教えてくれないんですよ。しかもこの後の第四章がすごいことになるんですよ! 私たちも「ええ〜!?」ってびっくりしました。


──劇場で観ると、最後に第四章の予告篇が流れます。その直前に、インパクトのある演出がありました。

桑島:ありましたね。びっくりしました。


──メカをCGで描いているがゆえに、物量のすごさにも圧倒されます。アンドロメダの姉妹艦がずらり並んだシーンも驚いたし、ガトランティスの大戦艦がいっぱい出てきたのも驚きました。

福井:いっぱいにも程がありますよね。今回は白色彗星帝国をどれくらいの規模にするかというのが、企画の初期段階で話し合われたんです。

その際に、副監督の小林誠さんが「とにかくデカくしたい」と言って、それには俺も全面的に賛成だったんですよ。最初から台本の中に“雪”がいたんです
──改めて、森雪役に決まった時のことをお聞かせください。

桑島:ほかのみなさんもそうなんですけど、オーディションではいろんな役を受けたので、決まったと聞いた時は本当にびっくりしました。

アニメの現場でマドンナっぽい女の子が出てきた時に、音響ディレクターさんが「森雪みたいに」って仰られることがあったりして、そのくらい森雪というのはみんなが知っているヒロイン像なんですよね。

先輩方にも「僕はヤマトを観て声優になったんだ!」って、いまだに熱烈に語られる方が非常に多くいらっしゃいますし、少年のようにキラキラした瞳で「やってくれてありがとう!」みたいな、すごく期待されているんだなというのをひしひしと感じます。

あとは『2202』が始まると聞いた先輩方から「出たいんだけど」と言われるんですけど、「それを私に言われましても……」っていう(笑)。

ただ、旧作から40年経っているおかげで、そうした期待に対してさほどプレッシャーなくやれている気がしますね。

お客さんも新しいものとして受け留めてくださったり、『ヤマト』を知らない世代がいることも救いになっているなと思います。私なりの森雪でいいのかなって。

不思議なんですけど、台本に向き合った時に、最初からその中に“雪”がいたんですよね。こう演じようとか、こう演じてくださいとか言われなくても、現場でマイク前に立つと、自然にそうなるっていう。

そこで出てくるものが“雪”になっていく感覚がありますし、スタッフさんたちにも信頼して任せていただいている感じがありがたいですね。──ちなみに『さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち』はご覧になられましたか?

桑島:『2202』が始まる前に観ました。つらかったです(笑)。最後の「星の海で結婚しよう」のくだりとか、「小野くん、観ないほうがいいよ」って言っちゃったくらいでした。これをやるのかなと思って、衝撃を受けましたね。

でも福井さんが「希望はある」って最初から仰ってくださっていたので、希望はあるんだと言い聞かせています(笑)。


──あの展開だと「『2202』でも最後は私、死んじゃうのかな……?」と頭をよぎりませんでしたか?

桑島:たぶん……死なないんじゃないかなと思ってるんですけどね(笑)。


──『ヤマト2』の結末のほうに流れれば、生き残れますよ。

桑島:そういうことは、重要じゃないんです!(笑)

福井:ひとつ言っておくと、「『さらば』のリメイクをお願いします」と俺は依頼されてます。

桑島:わあぁ〜〜〜! じゃあ最後の最後で……。

福井:でもそれって受け取り様なわけです。生き死にを同じようになぞることがリメイクになるかというと、そうではないですよね。ただ、“あの感じ”というのは引き受けたものになると思います。──『2199』と『2202』で、森雪の変化はどこに感じましたか?

桑島:キャラクターデザインがより大人っぽくなっていて、3年経ったんだなって感じました。あと、古代君を信じる女性として、どんどん“揺るぎない雪ちゃん”になっているな、強くなっているなと思います。

ただ、この先ずっとは強くいられない気がします。福井さんたちの手によって、揺るがされるような気がしています(笑)。


──あと、「ヤマト女子部」という言葉が出てきますが、あのシーンはいかがでしたか?

桑島:とても嬉しかったですね。あんな風に山本(玲)と2人でのシーンがあって、みんなにサポートしてもらえるから雪も古代もいるんだなっていうことがよくわかります。

長旅を経てきた仲間たちだからこその結束力があるから、古代と雪を応援してくれるんだなと思います。

福井:今や玲が雪をリスペクトしていますよね。彼女も古代が好きだったから、もしも自分が今の古代と一緒にいたら、雪ほどは支えられないなと思ったのかもしれないね。『ヤマト』にまつわる愛
──お二人が考える“愛”とは?

福井:宣伝ビジュアルにもあるキャッチコピーが、本編をご覧いただいた後になると、とても皮肉な響きに聞こえると思うんです。「本当にそれでいい……のか?」っていうね。でも、それでいいんですよ。

古代の“あの選択”というのは、非難はできない。やっぱり人間ならああしてしまう。今回って、男性と女性ですごく観方がわかれるんです。女性のほうが冷静なんですよ。

あそこで古代がああいう決断をするというのは、男からすると、あんな状態になって「選ぶのどれでもいいや。じゃ、これね」なんてできるわけがない。

それこそ雪を踏みにじったようなことになるじゃないですか。そういうロマンチシズムが強いんですよ。

一方、女性はそこが冷静で。最後にコクピットの中で「バカ」っていうシーンがありますけど、あの時点ではまさか古代がああいう選択をしたとは雪も知らないわけですよ。

桑島:あーっ!? そうですね!

福井:もしかしたら、後で知って青くなって「お前、なんてことをしてきたんだ!?」ってなるかもしれない(笑)。

愛というのは人が生きていく上で必要不可欠なものだし、原動力だと思うけれど、それが別の人間にとってはものすごい暴力や凶器になる可能性もあるわけです。

神様への愛から自爆テロみたいなことが頻繁に起こっている時代だから、切実な話だと思いますけれど、実は愛にはそういう二面性がある。

でもやっぱり愛がなければ生き物は生きていけない。その両面を描くということで、今回は結果的にああなりましたけど、うまく収まらなかったらどんなことになるのかというのも、今後描いていくことになると思います。

その両面を描いた上でなお、愛を肯定できるや否や!? というところにこのお話の肝がありますので、愛というのが間違いなくこの作品のテーマです。

『さらば』から約40年を経て、決して幸福なだけの進歩はしていない世の中ですけど、そういう中でもう一度語り直すとしたら、あの時に感じたものを追体験するとしたら、こうだろうというような。

自分にとってもこれまで生きてきた時間を改めて問い直されるみたいな、そういう企画になりましたね。

桑島:これを観たみなさんも、愛について考えてしまわざるを得ないと思います。普段そんなに愛について考えないですよね。

福井:当たり前すぎてね。

桑島:人だったり物だったりに対して、いろんな愛がすごく身近に存在しているけれど、それによって自分は成り立っているんだなと改めて思ってしまいます。

人間の業の深さに気づかせてくれるのが、この作品なのかなと思います。

福井:そういう作品になるようにがんばります。

桑島:なのでぜひみなさん劇場で観てください![取材・文/設楽英一]

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