倉本聰の脚本は“台詞を一字一句書かれている通りに話せ”は「噂が1人歩きした」

2024年10月14日(月)14時18分 オリコン

映画『海の沈黙』(11月22日公開)北海道・札幌で実施した先行上映会に出席した(前列)倉本聰氏(後列左から)菅野恵、本木雅弘、小泉今日子、若松節朗監督

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 映画『海の沈黙』(11月22日公開)を初披露する先行上映会が13日、北海道・札幌のTOHOシネマズ すすきので行われ、脚本を手がけた倉本聰氏、若松節朗監督、キャストの本木雅弘小泉今日子、菅野恵がそろって舞台あいさつに訪れた。

 『北の国から』『やすらぎの郷』など数々の名作の手がけてきた脚本家の倉本氏が、60年前に起きた事件に着想を得て書き下ろした“最後の作品”。北海道を舞台にした作品が地元で先行上映されるとあって、チケットは即完売。本木たちが登壇すると、客席からは大きな拍手が沸き上がった。

 本作について倉本氏はのっけから「俳優さんが素晴らしいです」と太鼓判を押すと、本木は「倉本先生の本拠地、そしてロケの思い出のある北海道でいち早く皆さんに観てもらえることを大変うれしく思います」とあいさつ。若松監督も「季節は今、芸術の秋。美術館や絵が好きな方たちにはとても良い映画です。そして、本木さんと小泉さんのラブストーリーにもご期待ください!」とアピールした。

 孤高の天才画家・津山竜次を演じた本木は「倉本作品で定説として言われている“台詞を一字一句最後まで書かれている通りに話せ”というのは、そのようにした方がよろしいのでしょうか?と伺ったら、“それはちょっと噂が1人歩きしたんだ”と。“心情に沿っていれば、感じたままにおやりになればよろしい”と仰っていただきました」と倉本との電話のやりとりを明かした。

  竜次のかつての恋人・安奈を演じた小泉は「倉本先生が書かれたテーマにまずひかれて、そして主演が本木さんだと聞いて、これはきっと面白く素敵な映画になるだろうなと思い参加しました」と語った。

 小樽で竜次と交流するバーテンダー・あざみを演じた菅野は、「子どもの頃から見ていた方々ばかりの中に私の名前が並ぶチャンスをもらえたので、しっかり準備して、やるぞ!という意気込みで臨みました」と撮影を振り返った。

 若松監督は「HBC(北海道放送)制作の東芝日曜劇場に倉本さんの北海道を舞台にした作品がいっぱいありまして、それが僕の教本でした。倉本さんと一緒に仕事ができるということが、監督としての誇りです」とコメント。さらに、「本作でも倉本節といえる台詞がたくさん出てきます。ぜひ楽しんでもらえたらと思います」と語った。

 最後に倉本氏は「皆さんがおじいさん、おばあさんになったときに、孫に昔、北海道はこうだったんだという昔話をできるような映画になればいいなと思います」と本作が長く愛される作品となることを願いイベントを締めくくった。

 同映画は、世界的な画家、田村修三(石坂浩二)の展覧会で、展示作品のひとつが贋作だと判明したことから物語は動き出す。この絵を描いたのは一体、誰なのか? 連日、報道が加熱する中、小樽で女の死体が発見される。この2つの事件の間に浮かび上がった男。それは、かつて新進気鋭の天才画家と呼ばれるも、ある事件を機に人々の前から姿を消した津山竜次(本木)だった。北海道・小樽を舞台に、津山が秘めてきた想い、美と芸術への執念、そして忘れられない過去が明らかになる時、至高の美と愛の全貌がキャンバスに描き出される。

オリコン

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