高見沢俊彦が語る「鉄人」さだまさしの素顔とMCマイクの謎

10月14日(日)7時0分 NEWSポストセブン

高見沢俊彦が語るさだまさしの知られざる素顔

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 さだまさし(66)に次いで、国内2位のコンサート回数を誇るのがTHE ALFEE。デビューも近く、同じ時代を駆け抜けた両者だが、音楽性やファン層は大きく異なる。中でも対照的な存在が、派手なルックスで激しくギターを奏でる高見沢俊彦(64)だろう。ところが、高見沢はさだを「兄貴」と慕い、自分との共通点を多数列挙する。さだの素顔に迫る短期集中連載の第6回は、アルフィー高見沢がさだの意外な一面を明かす。


 * * *

 さださんとは、1970年代にジョイントコンサートで一緒になったりしていましたが、テレビ局ですれ違えば挨拶する程度の間柄でした。


 もう10年以上前のことだと思いますけど、明石家さんまさんの『さんまのまんま』にゲストで呼ばれた時に、さださんと一緒だったんです。さださん、なぜかお土産にスダチを持ってきた。


 僕らもいただいたんですけど、僕だけスダチの皮を剥いて、食べてしまった。「こいつ小さいミカンだと思ってるんですよ」ってメンバーからツッコまれましたが……。で、スダチとさださんが混じってしまって、さださんに向かって、「スダさん!」。


 なぜかさださんには、この「スダさん!」がツボだったらしく、それから個人的に仲良くなりました。忘れられないのは、『FNS歌謡祭』での出来事。この年は、僕らアルフィーやさださんだけでなく、松坂慶子さんも出演されていました。実は松坂慶子さんが若かりし頃からの大ファンで、内心喜んでいたんですが、収録が終わった後、なぜかさださんが松坂さんと親しげに談笑している。


 話が終わった後に、頃合いを見計らってさださんに近づきました。「え、さださん、松坂慶子さん、知ってんの!?」「おお、知り合いだよ。お前、好きなのか?」「子どもの頃から、もうずっと好き!!」「じゃあ松坂さんと一緒に飯でも食うか」「ほんとー!?」と夢のような話。



 とはいえお互いにスケジュールもタイトですし、「今度飲みに行こう」という言葉は、この業界では社交辞令で終わることが多い。この時も、「そうは言っても無理だろうな」と思っていました。ところがさださん、思いがけず約束を守ってくれた(笑)。


「兄貴」と言ったらいいかな。見た目や詩の世界からは想像つかないかもしれませんが、実際の「人間・さだまさし」は、非常に男気がある、頼りがいのある兄貴。「よしっ、兄ちゃんに任せとけ!」という人なんですね。


 普段の行動もああ見えて豪快。たとえばコンサートで全国を回っていると、ホテルに泊まることが多くなります。さださんの泊まってる部屋、どうなってると思います? 到着5分でグチャグチャ。もう何年も住んでいたような自分の部屋にしてしまう。僕も人のことは言えませんが……。


 僕もさださんも、キレイ好きなんです、おそらく。自分じゃできないだけで(笑)。ようは神経質そうに見えて大雑把。アバウトなんです。そのへんでも気が合う。


 実際話しても、非常にワイルド。デビューしたての頃の、ヴァイオリンを弾いていた繊細なイメージが、ガラガラと音を立てて崩れていきました。まあ、ロックはアバウトですから(笑)。ロッカーで整理整頓好きはあり得ない。緊張と緩和で、緩和の部分がないとロックな人生は成り立たない。


 曲も実は、僕から見ると、ロックテイストです。前々から思っていたんですが、さださんの歌はプログレそのものです。たとえば『飛梅』。あれ、エレキギターの間奏がロックテイストで非常にカッコいい。『まほろば』なんて、最後に「満月0」とシャウトしますからね。あれにやられました。そして『遙かなるクリスマス』。詩もさることながら、最後の「メリーメリークリスマス」のシャウト。「ついにここまで来たか!」と思いました。


 さださんの音楽は、エレキやドラムの音をことさら強く響かせないから、気づかない人も多いのだと思いますが、根本的にフォークではなく、ロック、プログレなんです。



◆しゃべるために前に出ることに抵抗


 アルフィーとして、2018年の秋に、コンサート回数が2700回を超えます。「すごい数ですね」と言われるんですが、上には上がいる(笑)。さださんは4300回を超えてますから。衣笠祥雄さん亡き今は、「鉄人」の称号は、さださんのためにあるんじゃないでしょうか。


 だってデビューしてから45年、ほぼ休みなく、全国を回っているわけでしょ? 45年以上続いているものといったら、『ウルトラマン』とか『仮面ライダー』くらい。でもあっちは、代替わりしているけど、さださんはたったひとり。やはり「鉄人」ですね。


 アルフィーの場合は、1回のコンサートで10tトラックが5台半稼働するので、どうしても小回りがきかない。ギター1本でもライブができてしまうさださんには絶対に追いつきません。


 さださんのコンサートには、個人的に何度も足を運んでいます。自分の父を亡くした直後に行ったコンサートでは、『防人の詩』を聴いて、会場で泣いてしまいました。当時、いろいろ物議をかもした歌ですし、父親を歌った歌でもありません。でも、人間の死とか、自然とか、そういったものを歌い込んでいる歌を耳にした時に、不覚にも号泣してしまった。深い歌だな、と改めて思いました。


 ただ、さださんのコンサートを観ていて、ひとつだけ疑問なのは、あのMCマイク、なんですかねぇ? 歌の時は、スタンドマイクで歌っていて、MCに移ると、「で、それでね」と別のマイクを取ってしゃべり出す。


 あれを初めて目撃した時は、頭の中がはてなマークだらけ。もしかして歌のマイクがスペシャルなのか? とかいろいろと考えてしまいました。トーク専用マイクを用意してるなんて、僕の知る限りさださんだけ。


 たしかに、トーク中心のライブを開催したり、トークだけのCDを発売したり、トークを収録した本を出版しちゃうくらいですから、トークへの並々ならぬこだわりがあるのかもしれませんが……。ちなみに僕は、十津川村ネタや車掌さんネタが気に入っています。聴いているだけで、情景が浮かびますよね。



 トーク中、ひとっところにとどまっていないで、ウロウロ動き回るのにも違和感がある。前に進み出てみたり、ステージの下手、上手と動き回ったり、バリエーションもたくさんある。MCマイクを掴むまでの動作も自然だし、見慣れてしまえばヘンに思わないんだろうけど、やっぱりおかしい(笑)。


 僕の場合、ヘッドセットマイクをつけているので、さださんの真似をして、それをつけたまま前に進み出てトークをしたことがあるんですが、違和感がありました。「なんで俺、しゃべるのに前に出てきてしまったんだろう?」って。ギターのソロで前に出るのはいいけど、しゃべるために前に出るって、抵抗がある。


 さださんの場合、しゃべって、歌って、そして書いて、というのがワンセットで、創作の三位一体なのかもしれませんが、それにしてもあのMCマイクって……。なんなんですか? さださん。


※さだまさしとゆかいな仲間たち・著/『うらさだ』より

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