ひとり暮らしの70代女性、猛暑が続いたある夜、愛犬が必死に彼女を起こした。エアコンが切れて、部屋はありえない暑さに。枕もとの水を犬と分け合い、九死に一生を得た

2024年10月18日(金)12時30分 婦人公論.jp


すぐにスイッチを入れて風量を「強」にしたけれど…(写真:stock.adobe.com)

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真夜中の危機


猛暑が続いたある夜、乱暴に背中をゆすられる夢で目が覚めた。振り向くと、一緒に眠っていた飼い犬のピケが、目を見開き息も絶え絶えに、必死で私を起こしていたのだ。

一瞬、何事か理解できなかったが、すぐに部屋中がありえない暑さになっているのに気がついた。汗で寝間着もグッショリで、手も震えている。

よくもこんな状態で寝入っていたものだと自分に呆れつつ、エアコンのリモコンを捜したが見つからない。やっとのことで寝具に紛れ込んでいたそれを捜し当てると、なんとエアコンが停止している!

危険な暑さなので冷房は一晩中つけておくこと、とテレビで何度も聞くので、守っていたはずなのに。寝返りを打った際に押してしまったのだろうか。

今回は事なきを得たが…


すぐにスイッチを入れて風量を「強」にしたけれど、部屋はなかなか涼しくならない。氷を取りに台所へ行きたかったが、ふらついて危ないので断念。常備している枕もとの水を、犬と大事に分け合って飲んだ。

静かに息を整えると、徐々に楽になってくる。今回は事なきを得たが、もしも朝まで気づかなかったら……。リモコンは大切にしなくては、と深く反省した。

9年前に夫を亡くして以来、1人と1匹の生活。いつも、人に迷惑をかけないことを心がけてきたつもりだった。命にかかわることだけに、「ついうっかり」では済まされない。

とはいえこの一件で、自分が今日も生きていられることのありがたさを感じられ、よかったと思う。

そして、通りすがりに見つけた保護犬のピケに出会って10年、今ではどんな時も、家族でいてくれるよき相棒に、「ありがとう」を伝えたい。

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