山田孝之は日本のブラピ!? 製作&俳優二足のワラジを履く姿に迫る

10月20日(土)8時30分 シネマカフェ

『ハード・コア』(C)2018「ハード・コア」製作委員会

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1999年に俳優デビューして以来、テレビ、舞台、映画と幅広いメディアで注目を集める実力派俳優・山田孝之。10月20日に誕生日を迎え35歳となる山田さんは、この秋、俳優のみならず本格的にプロデューサーとしても活躍している。

海外でもジョージ・クルーニー、リース・ウェザースプーン、ブラッド・ピットほか多くのハリウッドスターがプロデューサーとして手腕を発揮しているが、山田さんは日本のブラピとなるのか? 今回は製作・俳優二足のワラジを履く山田孝之に迫ってみる。

イケメン若手俳優としてデビュー

今年で芸歴19年となる山田さん。俳優デビューは1999年に放映された、朝基まさしのコミックを原作とする土曜ドラマ「サイコメトラーEIJI 2」。主演はTOKIO松岡昌宏が務め、山田さんは渋谷の街を守る自警団「城北レーベル」のメンバーとして登場。不良グループの一員という役柄ながら、まだあどけなさの残る16歳の少年だった。

その後、一世を風靡したNHK朝の連続テレビ小説「ちゅらさん」シリーズでヒロインの弟役、ドラマ初主演作「WATER BOYS」でシンクロ同好会のリーダー役を好演。そしてセカチューブームの一端を担ったドラマ版「世界の中心で、愛をさけぶ」で主人公の朔太郎を演じ、第42回ザテレビジョンドラマアカデミー賞(主演男優賞)受賞の快挙に。

一方映画では、ジブリアニメ『猫の恩返し』(2002年)で “猫の国の王子”ルーン役を務め声優デビュー。続く日米合作映画『ジェニファ 涙石の恋』(2003年)では、原案者でありヒロインも演じたジェニファー・ホームズとW主演を飾っている。

デビュー当時の山田さんは、キリッとした眉毛とキラキラ輝く大きな瞳が印象的なイケメン少年。女性たちの熱い視線を浴びながら、爽やかな青春ドラマやラブロマンスを初々しく演じる若手俳優のひとりだったのだ。

転機となった『クローズZERO』

そんな折、ネット掲示板“2ちゃんねる”の書き込みから産まれた純愛ストーリー『電車男』(2005年)が公開される。この作品で長髪&メガネのもっさりとした秋葉系オタク青年を演じた山田さんは、それまでの美形イメージを払拭して役者としての新たな顔を披露する。

そして転機となったのは鬼才・三池崇史監督がメガホンをとった『クローズZERO』(2007年)。小栗旬扮する転校生と壮絶なテッペン争いを繰り広げる不良軍団のリーダー役をアグレッシブに演じて高く評価された山田さんは、それ以降、アクション&バイオレンスへの出演比率を高めていく。

当たり役は、主人公である闇金業者・丑嶋馨を体現した『闇金ウシジマくん』シリーズ。ドラマでも扮した丑嶋役をハードに演じる一方で、福田雄一監督作のコメディ『大洗にも星はふるなり』(2009年)で勘違いナルシストに扮し、さらに異色ラブファンタジー『ミロクローゼ』(2011年)では、愛する女性を探して次元をさすらう3部構成の主人公を1人で演じたことも。


アクション、コメディ、ファンタジー、時代劇、ラブロマンス〜と、どの分野でも主役を張れるジャンルバスターとして、20代後半から着々と実力と実績を蓄えていった山田さん。

『闇金ウシジマくん Part2』(2014年)の公開前に行われたシネマカフェのインタビューでは、「ある程度キャリアを積んで実力やコネクションを身に着けた上で、自分たちから動き出したり、待っているだけでなく割と早い段階から作品に携わることができるようになったのは楽しいですね」と、作品へのスタンスを明かすなど、将来のプロデューサーとしての活躍を予感させるコメントもしている。


新たな邦画の在り方を提示した『映画 山田孝之3D』
最近の山田さんは、いかに作品製作を楽しむかを模索している印象を受ける。その実験的試みの1つが、テレビ東京の深夜枠で放映された「山田孝之の東京都北区赤羽」と「山田孝之のカンヌ映画祭」だろう。

この2作品では、ノンフィクションの体裁で作られたモキュメンタリードラマとして山田さんに密着。「北区赤羽での自分探し」や「カンヌ国際映画祭を目指す」など、その時々に山田さんが抱えている様々な想いと、予測不能の出来事をユーモア交えて映し出している。

監督を務めた松江哲明&山下敦弘両氏による演出と、リアルな山田さんとの境界線が曖昧になる面白さ。加えて適度なユルさがクセになる不思議な味わいの作品だ。


その松江&山下監督コンビが放つ『映画 山田孝之3D』(2017年)では、ドラマで果たせなかった「カンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞する」という野望を継承。山田さんの幼少期や思春期、家族環境を題材に、人間・山田孝之を浮き彫りにするドキュメンタリーとしてカンヌに正式応募するまでを描いている。

内容的にも独立した1本の映画で、言わばドラマへのアンサーを盛り込む手法にびっくり。ドラマと映画連動の新たな在り方の1つを提示した意欲作ではないかと思う。

6年越しの企画が結実、最新作『ハード・コア』

これまで作品作りを通じて世間を挑発してきた山田さん。そんな彼が盟友・山下敦史監督とタッグを組んだ最新出演映画が『ハード・コア』(11月23日公開)。作・狩撫麻礼、画・いましろたかしによる伝説的コミック「ハード・コア 平成地獄ブラザーズ」を完全映画化。信念を貫くあまり孤立する主人公が、謎のロボットに出会ったことで日常を一変させる人生活劇だ。


本作で、純粋すぎて世の中に馴染めないアウトローの主人公・権藤右近を体当たりで演じた山田さんは、プロデューサーとしてもクレジットされている。

実は山田さんと山下監督が本作の原作について話をしたのは、2人が初めて組んだオムニバス映画『BUNGO ささやかな欲望』(2012年)の一編「握った手」の製作時。山田さんからアプローチを受けた山下監督が企画を軌道に乗せ、6年越しで映画化にこぎつけたのだという。

また今回、右近とは真逆のエリートで頭脳明晰の弟・左近を佐藤健、右近の友人・牛山を荒川良々が演じている。このキャスティングは山田さんと山下監督の強い意向が反映されているとのことで、彼らのアンサンブルにも注目してみて欲しい。


今年山田さんは人気コミックの実写化『聖☆おにいさん』の製作総指揮、続く『ハード・コア』で出演・プロデューサーを兼務。そして来年公開される阿部進之介主演作『デイアンドナイト』(2019年1月26日)では、ついに自身の出演一切ナシのプロデューサー・山田として映画製作に携わる。


予算調達から脚本会議、キャスティングまでこなす裏方に徹しているという『デイアンドナイト』は、ただいま鋭意製作中。人間の善悪に鋭く切り込んだというこの作品、山田さんのプロデューサーとしての手腕に乞う、ご期待だ!(text:足立美由紀)

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