遠藤憲一、『民王R』は「ハードルの高い作品になりそう」 9年前の前作も回顧
2024年10月22日(火)18時0分 マイナビニュース
●若い世代とも自然体で共演できたら
2015年に放送されたテレビ朝日系ドラマ『民王』が、9年の時を経てリニューアルし、『民王R』(毎週火曜21:00〜※初回拡大SP)として22日にスタートする。前作に引き続き、主演を務めるのは、数々の作品にバイプレイヤーとして出演し、最近ではバラエティ番組でも活躍している遠藤憲一だ。
前作では、菅田将暉演じる息子と入れ替わってしまう政治家・武藤泰山をコミカルに好演したが、令和版となる今回は各話オムニバス形式で、毎話「誰か」と入れ替わるストーリーとなっている。たくさんのキャラクターを演じることになる遠藤は、本作にどのような気持ちで臨むのか、話を聞いた。
○一度終えた役と9年後に再会
——ドラマ『民王』が9年ぶりにリブートされて『民王R』として放送されることになりました。また武藤泰山を演じることになり、どんなお気持ちですか。
またあの面白いドラマができるんだ、という喜びと同時に、今回は入れ替わりが結構あると聞いていたのでプレッシャーも感じました。誰と入れ替わるのか、まだ一部しか知らなくて、全部はわかっていないので、自分でもどうなるのかわからないんですよ。初回からいきなり個性が強い人と入れ替わる予定なので(笑)。自分にとってはハードルの高い作品になりそうです。それに、9年間同じ役を演じることは『ドクターX』シリーズなどで経験していますけど、一度終わって、9年経ってまた同じ役を演じるのは初めて。こうやってまた演じさせてもらえるのは、すごくありがたいですね。
——今回は、入れ替わりの相手が息子ではなく、各話でいろいろな相手と入れ替わっていくというストーリーですね。
多分、入れ替わっている時間の方が長いんじゃないかな? 入れ替わる相手について、役のことはわかっていても、演じる方に関しては、もともとよく知っている方もいれば、そうではない方もいるんです。とにかく相手を知っていくことから始めていかなきゃならないので、そこは結構大変ですね。ただ、連ドラって撮影が始まってしまったらもう時間はそんなにないので、なるべく集中して、より面白いものにしていかなきゃと思っています。
——役作りが大変そうですが、どのように入れ替わりの相手のキャラクターを捉えていくのでしょうか。
入れ替わりの相手とどれくらい前に会えるのか、相手が話すセリフがどんな感じなのか、それがまだわからない(笑)。もともとよく知っている人だったら、こういう感じで話す人だろうな、とかはわかるけどね。それでもまるっきり一緒というわけにはいかないと思うので、入れ替わる相手の本人の感じと、その人が演じる役をミックスさせていく作業をなるべく短時間でやっていきます。
○若い世代とも自然体で共演できたら
——9年前の撮影の現場はどんな雰囲気でしたか?
にぎやかにやっていましたけど、とにかくスケジュールがタイトで、朝から遅い時間まで、遠くまで行って撮影していて、ずっとバタバタしていました。ただ、放送が始まると同時にドラマ自体がすごく評判になって、菅田将暉くんや高橋一生くんの魅力がさらに爆発する作品にもなったことで、賞もたくさんいただきましたし、いろいろな出来事を目の当たりにすることができた現場でした。
——今回は、なにわ男子の大橋和也さんやあのさんがキャストに加わって、より楽しい撮影になりそうですね。
そうですね。でもまだ撮影には入ってなくて(取材時点)、大橋和也くんにも、さっきチラッと会って、衣装合わせの前に少し、初めましてと挨拶をしたぐらい。テレビとかの印象しかまだわからないのですが、明るくて面白い方ですよね。世代も離れているけど、あまり考えずに自然な感じでコミュニケーションが取れたら。僕ももう、いいおっちゃんですから(笑)。若者に合わせて、とか考えずに、自然体です。あのちゃんも、個性が強烈ですよね。でも以前、何かの番組で宅配の人にバレないための対策で、男声を出していたんですよ。あんな声が出せるんだ! と驚きました。今回のあのちゃんは秘書役なんですけど、実はまだ見せてない部分もたくさんあるんじゃないかな? と楽しみです。
——今回のドラマに臨むうえで、どんなことが大切になりそうでしょうか。
やっぱり入れ替わりが重要で、入れ替わることで自然とおかしくなってくる部分がありますよね。入れ替わったことによるショックで、思わぬことをやってしまったり、想定外の出来事が起こったりするわけですが、そのあたりを表面的な部分だけでなく、入れ替わってその人がどう感じたのか、悲しさや、その悲しさから見えてくるおかしさ、内面の深いところまで表現したい。そこはしっかりと掘り下げて演じていきたいですね。難しいところなんですけど。
●教習所で「やったーーー!!」と大はしゃぎ
○大型バイク免許の合格発表で大はしゃぎ
——日々撮影などでお忙しくされていると思いますが、欠かせない習慣はありますか?
ウォーキングはずっと続けています。そんなすごい距離じゃないですけどね、夏場は暑いですし。でも、この気温に慣れるようにウォーキングしている感じです。3日間くらいできなかったあと、炎天下に出るとグダッと疲れてしまったんですよね。暑い時期の撮影は大変なので、体調管理はちゃんとしなきゃと思います。
——では逆にここ最近始めたことはありますか?
他の作品のためなのですが、最近大型バイクの免許を取りに行きました。中型までは持っているんですが、ずっと運転もしていなくて30年ぶりにバイクを運転したんです。教習所にも、電車に乗ってスクールバスに乗って……と普通に通って。若者に混ざって試験も受けたんですけど、ペーパー試験の時に、配布されてから「まだ見ないでください」とか言われるじゃないですか。周りは試験慣れしている若者だからどっしりと構えているんだけど、俺だけ(裏からでも少しだけ見えないかな……)ってソワソワしていましたよ(笑)。実技も2コースを走らないといけなくて、クラッチのつなぎとかはもちろん覚えていたんですけど、ずっと乗っていなかったから、ウインカーの細かい確認とかはもう一度しっかり覚え直しました。試験は2段階あって、1段階も2段階も1時間くらい多めにやって、何とかギリギリ試験に通りましたね。
——大型バイク、似合いそうなのでそちらの作品も楽しみです!『民王R』は、入れ替わりによって自分とは違う立場や世代とのギャップを見せていく作品かと思いますが、ここ最近で遠藤さんご自身が感じたギャップは?
また教習所の話なんですけど(笑)、本試験は俺を含めて4人だったんですね。もちろん他の3人は俺よりも若い人たちで、順番に試験をしてから結果を待つ部屋に移動していくんですけど、僕は3番手だったので、すでに部屋には2人いました。試験内容の中に、1本道から落っこちたら一発アウト、というところがあって、自分の体感としてそこの後半がギリギリだったんです。それで、その日に初めて会った人ばかりだったんですけど「どうでしたか? ちょっとケツのほうがヤバかったんです」とか話しかけて、「そうなんですか、自分は大丈夫な感じでしたよ」とめちゃくちゃ会話して。そうこうしているうちに4人目の試験も終わって、4人そろって教官からの結果発表を聞くわけです。「みなさん合格です!」って言ってもらえて、俺は「やったーーー!!」って大声ではしゃいじゃったんですけど、他の3人は淡々としていて。1番年上なのにはしゃいじゃったなぁ、と恥ずかしくなりました(笑)。
——むしろ若い世代の方たちのほうがクールで落ち着いていたんですね(笑)。最後に、ドラマ放送を楽しみにしているみなさんにメッセージをお願いします。
前回、本当に好評をいただいたドラマですが、いろんな部分が生まれ変わって、新しくグレードアップしています! とにかくテンポも速くて、観ていて楽しいドラマになると思っています。前作をご覧いただいていた方も、今回から初めて観てくださる方も、ぜひ楽しんで観てください!
■遠藤憲一
1961年6月28日生まれ、東京都出身。83年、ドラマ『壬生の恋歌』(NHK)でデビューし、『IPPONグランプリ』(フジテレビ)などのナレーションや声優としても活躍する。近作のドラマは、『ドクターX〜外科医・大門未知子〜』、『夕暮れに、手をつなぐ』、『ばらかもん』、『エンジェルフライト 国際霊柩送還士』、『君が心をくれたから』など。近作の映画は『首』、『赤羽骨子のボディガード』、『スオミの話をしよう』など。公開待機作に、『劇場版ドクターX』(12月6日公開予定)がある。