松岡茉優、売れっ子なのに“駆け出し感” 変わらぬ熱量で何事も芝居に還元する気概

10月23日(火)8時40分 オリコン

本格派女優とお茶の間タレントを両立、振れ幅を広げる松岡茉優(写真:逢坂聡) (C)oricon ME inc.

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 女優の松岡茉優(23)が、25日から開催される『第31回東京国際映画祭』でアンバサダーを務める。松岡と言えばNHK連続テレビ小説『あまちゃん』(2013年)を筆頭に大河ドラマや話題作など、多数のドラマや映画に出演し、今年は映画『万引き家族』の出演でも話題の女優。さらに、近年はバラエティー番組やCMなどでも、幅広い活躍を見せている。そんな超売れっ子の彼女から今でも感じるのは、駆け出しタレントのような熱量。お茶の間で親しまれるドラマやバラエティーから本格派女優というその振れ幅に、全ての経験を“芝居に還元する”という気概を感じることができる。

■『あまちゃん』で躍進、若手女優トップクラスの売れっ子女優に

 ブレイクのきっかけは、『あまちゃん』に登場したアイドルグループ・GMT47リーダー、「海はないけど夢はある、埼玉在住、GMTの元気印、入間しおり19歳です!」のコールでおなじみ、埼玉出身アイドルの入間しおり役。だが、セリフ運びのテンポの良さ、瞬発力の高さは、その前年の映画『桐島、部活やめるってよ』においてすでに発揮されていた。「スクールカースト」上位層に位置し、いつも教室の真ん中で大きな声で話し、笑い、イケメンの彼氏や美人の友人がいて、成績もそこそこ、下位層を見下す発言をする集団。そんないまどき高校生のリアリティを作り出していたのが、松岡茉優のスピード感と、絶妙な「間」だった。

 にもかかわらず、『問題のあるレストラン』(2015年 フジテレビ系)では、そのスピード感を封印、確かな料理の腕を持つ、極度の人間嫌いのコミュ障役を演じ、「演技派」として注目される。NHK大河『真田丸』(2016年)では、堺雅人演じる真田信繁の正室となる春を演じたが、妖精のような可憐さと、思い込みの激しい“メンヘラ”ぶりとの激しい落差が話題となった。

 主演はもちろん、2番手、3番手の出演も多数。さらにバラエティー番組ではMCをこなし、今年だけでも多数のCMに出演。間違いなくトップクラスの売れっ子若手女優と言えるだろう。

■変わらぬ熱量、芸歴約15年でも感じる“駆け出し感”

 だが、大物女優然とするオーラを発するわけではなく、一つ一つの仕事にかける情熱と真摯な姿勢は変わらない。例えば、カンヌ映画祭で是枝裕和監督が故・樹木希林さんの素晴らしさを語った際、松岡が「女優の素晴らしさに圧倒された」と大粒の涙を流したのも、芝居に対する熱い思いゆえのことだろう。また、ポケモン映画で初めてアニメ作品の声優に挑戦したときには、「例えると、子供の頃に“上手くできないからこそ、またやりたい!”と夢中になった感じ。“もっともっと挑戦していきたい”という、ボクサー的な感覚になりました(笑)」とインタビューで語っている。

 彼女は出来上がった作品を観るとき、自分のダメだったところをノートに書き出す「大反省会」を行うと言う。「自分の出た作品を観るのは苦手で、ほとんど観ない」というタイプの役者もいるなか、あえて自分のダメなところと向き合おうとするメンタルの強さと貪欲さは、並大抵じゃない。

 おはガールとして2008年から2年間出演した『おはスタ』(テレビ東京系)で共演していた山寺宏一は、「期待にやりすぎなくらい全力で応えてくれた。今、素晴らしい女優に成長した茉優がまぶしい存在。与えられた役に人一倍真剣に向き合い、結果を残してきた。影で汗と涙を流したでしょう」と当時を振り返っており、10代の頃から変わらずストイックだったことが頷けるだろう。

 さらに、大好きなハロー!プロジェクトの話になると、周囲を圧倒するほど(ときには相手にドン引きされるほど)に情熱的なプレゼンを披露する。その裏表のないストレートな情熱には、ハロプロファンからの信頼も厚い。

 そのように、バラエティー番組に出演する際にも「女優だけど、ここまでやる」といった自惚れや打算ではなく、フラットに全力で臨んでいるよう感じられる。それは、芸歴約15年で売れっ子の今も変わらず持ち続けている“駆け出し感”として、彼女の魅力となっているのではないだろうか。

■理想は八嶋智人の立ち位置⁉ 敗北を糧に冷静な“自己分析”

 そして、その熱量や貪欲さだけでなく、地に足のついた堅実さ、冷静さも、絶えず出演が続く理由だろう。バラエティーMCとして初タッグを組んだ極楽とんぼ・加藤浩次は、囲み取材において「松岡さんは優秀ですよ。表情ひとつ変えないで、コメント読めますからね」と、そのMC力に舌を巻き、「先が恐ろしい」と語っていた。

 そんな誉め言葉に対しても、本人は「私はアシスタントですから」といたって冷静で、過去のORICON NEWSのインタビューでも「自分としてはあくまでもバラエティーのプロの方々の聖域に立ち入らせていただいているだけ」「生で芸人さんの返しや話のテンポを見られるのはすごく勉強になります。お芝居にもリズムがあったほうがいいと思うので」と語っている。

 また、以前から自身の将来の理想として「八嶋智人の立ち位置」を挙げている点からも、冷静な自己分析がうかがえる。そこには小学生から高校生までの頃に「オーディションに落ちまくった」悔しい経験が原点としてあるのだろう。挑戦しては落ち、何が足りないか考えてまた挑戦するという経験こそが、売れっ子になっても変わらぬ貪欲さや、「優等生の子役」のような礼儀正しさと謙虚さ、さらにベテランのような安定感・貫禄を生み出している。自分の立ち位置と役割を理解して全うした上で、芝居に還元しようとする気概に溢れているのだ。

 そして、このお茶の間のドラマやバラエティーから世界的な監督の映画作品までカバーする振れ幅の広い活躍は、芸歴が長く、演技力も高く評価される若手女優の中で、稀有な存在感となっている。その熱量が変わらない“駆け出し感”と、地に足のついた冷静な自己分析に視聴者が引き込まれていくのはもちろん、起用する側からの信頼感となり、共演者たちからも親しまれる要因となっているのではないだろうか。
(文/田幸和歌子)

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