神社本庁トップの辞意撤回に天皇の甥が発した痛烈苦言

10月23日(火)7時0分 NEWSポストセブン

旧五摂家出身の鷹司尚武総理(時事通信フォト)

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 本誌・週刊ポスト(10月12・19日号)が報じた「皇室批判」発言によって靖国神社の小堀邦夫宮司が退任に追い込まれたが、神社界ではもう一つ注目を集める“発言”があった。


 発端は、全国約8万の神社を統括する神社本庁で、2010年から総長を務める田中恆清氏の進退に関する騒動だった。


「神社本庁では職員宿舎の売買を巡り、解明を訴えた幹部が解雇処分されたことで、メディアや内部からも現体制への批判が過熱していました。そんななか、田中総長が9月11日の役員会で『今日限りで辞める』と発言したことが、専門紙『神社新報』はじめ複数で報じられたのです。ところが、10月3日に顧問・長老を招集して開かれた辞意表明を受けての臨時役員会では、側近たちの遺留によって田中総長が一転して『続投します』と言い出した」(ジャーナリスト・伊藤博敏氏)


 田中総長の辞意表明は翻されたが、その会議が閉会する間際、異例の発言が飛び出したという。


 複数の関係者によると、田中総長が会の終了を告げようとしたところ、総長を指名する立場の鷹司尚武統理が「今日の会議は覆されたということが私は気持ちが悪いですね」と切り出して、こう続けたという。


「やっぱり上に立つ人、あるいは組織の長がね、自分の言ったことに責任を持つのと、軽々しく変えてはいけないということだと思います。(中略)自分がおっしゃったことには責任をもって後進を導いていただきたい」


 田中総長の「辞意」撤回に対して、苦言を呈したのだ。



 鷹司統理は、旧五摂家出身で、2003年から日本電気通信システム社長、2007年から2017年までは伊勢神宮の大宮司を務めた。昭和天皇の第3皇女の養子で、天皇の義理の甥にあたる人物である。宗教学者の島田裕巳氏は言う。


「神社本庁において『総長』は法人としての代表役員であり、かたや『統理』は全体を統括する象徴的な立場になります。その関係性において、統理が総長に対して批判的な発言をするというのは異例で、その場にいた役員たちも驚きをもって受け止めたはずです。田中総長が(11日の)役員会で鷹司統理の前でも発していた辞意を翻したことに対して相当の怒りを持っているという意思表示でしょう」


 田中総長の「続投」発言を受けて、神社本庁は10月9日付の各神社庁長宛ての文書で、辞任表明報道は「事実誤認」と通知している。しかし、神社本庁関係者はこう話す。


「神社本庁では10月24日に各都道府県の庁長と神職代表、総代代表が集結する150人規模の評議員会が開かれます。そこで田中総長の辞任騒動が議題に上るのは必至で、鷹司統理の発言がどのように影響するのか、関係者は注目しています」


 平成の終わりに、神社界が揺れ動いている。


※週刊ポスト2018年11月2日号

NEWSポストセブン

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