タンポンの8時間連続使用による感染症で「死を覚悟した」女性(米)
2024年10月25日(金)11時25分 Techinsight
家族で友人の結婚式に出席したアシュリーさん。この日の夜はタンポンを8時間入れっぱなしにしていたという(『People.com 「Woman Wears Tampon for 8 Hours at Friend’s Wedding, Gets Toxic Shock Syndrome: ‘Scary and Dangerous Situation’」(Photo: Kennedy News/Ashley DeSkeere)』より)
米テキサス州の女性は今年9月、タンポンを8時間入れっぱなしにしたことで、細菌感染による急速な症状進行を伴う「トキシックショック症候群(TSS)」を発症した。「死を覚悟した」という女性について、米ニュースメディア『People.com』などが報じている。
9月のある日、教師として働く3児の母アシュリー・デスキアーさん(Ashley DeSkeere、43)は、ひどい悪寒と吐き気に襲われて午前3時に目が覚めた。そして午前8時に息子2人を学校に送り届けた後、30分おきに嘔吐し、つらい症状は正午まで続いたという。
アシュリーさんはその2日前、友人の結婚式に出席しており、当時は「式でウイルス性胃腸炎に感染したのかもしれない」と考えていた。ところがそれから2日後、血圧が急激に低下して呼吸が苦しくなり、テキサス州フリスコの総合病院で検査を受けた。
アシュリーさんは当時のことを「とても怖くてね。夫には『このまま死んでしまう』と話したほどよ。あれほどつらい思いをしたのは、私の人生の中では初めてだったわ」と振り返り、次のように語った。
「CTスキャンの時だった。医師は私が生理を終えたばかりであることに気づき、トキシックショック症候群(TSS)の疑いを持った。そして『タンポンを長時間使用していなかったか』と尋ねてきた。」
実はアシュリーさんは20年以上、生理の時にはタンポンだけしか使用してこなかった。たとえ夜中であっても4時間ごとに起き、タンポンを交換していた。しかし結婚式に出席した夜だけは8時間タンポンを入れっぱなしだったそうで、医師にその旨を伝えたところ、「8時間連続して使用したことでTSSに感染したのだろう」と告げられた。
アシュリーさんは集中治療室に5日間入院し、6種類の抗菌剤を静脈内に投与され、血圧を安定させる治療を受けた。当時、複数の医師に「TSSを発症後、2日以内に死亡するケースがほとんどだ。発症から2日半で病院を訪れたあなたは幸運だった。あと少し遅れていたら、手の施しようがなかったかもしれない」と言われたそうで、「タンポンを出し忘れたわけでもなく、24時間以上入れっぱなしにしていたわけでもないのに。まさか自分にこんなことが起こるとは思いもしなかった」と明かした。
こうして抗菌剤を処方されて退院したアシュリーさんだったが、悪夢は続き、数日後には血栓症で再び入院することになった。日々体調は良くなっているものの、「もう2度とタンポンを使うことはないでしょう」と断言し、最後にこう語った。
「もしタンポンを使用するのであれば、トイレに行くたびに交換することをお勧めします。それに、必要以上に吸収性が高いタンポンは使わないことね。」
なお、アメリカ食品医薬品局(FDA)は、TSSのリスクを軽減するためにタンポンは4〜8時間ごとに交換し、できるだけ吸収性の低いタンポンを生理の時だけ使用することを推奨しており、このニュースには「8時間でTSSとは、かなり珍しいのでは? でも注意して使用する必要があるということよね」「これは怖い」「家族のためにも無事で本当に良かった」といったコメントが寄せられた。
TSSは突然の高熱、発疹、倦怠感、嘔吐、下痢、腹痛、錯乱などの症状が特徴で、48時間以内に進行し、失神、組織壊死、ショック、多臓器不全などを引き起こし、死に至ることもある。過去には、カナダの16歳の少女が学校の旅行中にタンポンを長時間使用して死亡していた。
画像は『People.com 「Woman Wears Tampon for 8 Hours at Friend’s Wedding, Gets Toxic Shock Syndrome: ‘Scary and Dangerous Situation’」(Photo: Kennedy News/Ashley DeSkeere)』より
(TechinsightJapan編集部 A.C.)